目次
1. 柿の果肉に見られる黒い斑点は何?食べられる?

柿の果肉に見られる黒い斑点。カビにも見えるが、果たして何なのだろうか?食べても体に害はないのだろうか。
黒い斑点の正体は「タンニン」
黒い斑点は病気やカビにも見えるが、正解はタンニンと呼ばれる成分だ。あるいは、柿に含まれる鉄分と反応したことによるタンニン鉄ということもある。いずれにせよ、食べても害はないので安心していただこう。
ポリフェノールのひとつで渋さに影響を及ぼす
タンニンはポリフェノールの一種で、水溶性と不溶性がある。水溶性は渋みを感じるが、不溶性は渋みがない。したがって黒い斑点は、その柿が「甘くなったこと」を判断する材料となる。
品種により果肉一面が黒くなっているものも
品種や柿の状態により、果肉がほとんど一面黒くなっていることもある。原因がタンニンであれば味に問題はなく、むしろ美味しく熟した証拠なのでぜひ美味しくいただきたい。
黒い部分が腐ったり崩れたりしている場合は廃棄を
果肉の黒い部分すべてがタンニンとは言い切れない。中には腐ったような、崩れたような状態のものもあるはずだ。これらはタンニンではなく病気や虫食いなどの影響も考えられるため、無理に食べずに廃棄することをおすすめする。
2. 柿の果皮に見られる黒いシミや線は何?食べられる?

柿の果皮が一部黒くなっているものもある。これらは問題ないのだろうか?
果皮の黒いシミや線は原因不明
果皮に生じる黒いシミ状あるいは線状のものの原因は、実ははっきりしていない。湿度が高すぎたり風通しが悪かったりしたことなどが原因とも考えられている。あるいは、果皮についた傷が反応した結果とも。
ヘタスキはカビの原因になることも
果肉の成長にともない、ヘタ周辺にヘタスキと呼ばれる亀裂や穴ができることがある。ヘタスキ自体は問題ないが、雨水などが入り込むとカビの原因になるおそれがある。
基本的には皮をむけば食べてOK
果皮の黒いシミや線は、果肉に影響していなければとくに問題ない。皮をむいてそのまま食べよう。ただし、黒いシミや線が原因で果肉が腐ることもある。皮をむいたときの果肉の状態をよく確認し、気になるようであれば食べることを控えよう。
3. 柿の実についている黒い虫は何?廃棄すべき?

柿に黒い虫がつくこともある。どのような虫で、どのような影響があるのかを解説しよう。
カキノヘタムシガによる食害
栽培中の柿につく黒い虫は「カキノヘタムシガ」という蛾の幼虫で、芽や果実を食べる。食べられた芽は枯れ、果実は地面に落ちることから問題視されている。まれに出荷された柿に混ざっていることがあるため、目に触れることがあるかもしれない。
切除すれば食べられるが不安なら廃棄を
カキノヘタムシガが食べた部分は黒く変色する。柿を切った際、一部だけ崩れたように黒い部分があれば、カキノヘタムシガの食害に遭った個体かもしれない。いったん果実の中に入ると農薬が効きにくく、中に残っていることも。見かけたら取り除き、黒い部分も切除すれば食べられるはずだが、いかんせん気持ち悪いだろう。もったいないが廃棄することも考えよう。
結論
柿の果肉にある黒い斑点がタンニンであれば、よく熟して甘くなった証拠である。美味しくいただこう。一方でカビや、カキノヘタムシガによる食害のおそれもあるため、違いを見分けることが大切だ。虫食いなどでも黒い部分を取り除けば食べられるが、やはり不安は拭えないだろう。食品ロス問題が叫ばれるなか非常に心苦しいが、廃棄も検討しよう。
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