1. 鮮度が命!かますの刺身ってどんな味?

かますに脂がのり、旬を迎えるのは秋だ。塩焼きがかますの食べ方として定番だったが、流通技術が発達したことから、生食で食べられることが増えた。塩焼きの場合のカロリーは、1尾(150gあたり)約130 kcalのため、刺身も同様程度のカロリーだろう。
かますの刺身は、淡泊な味わいが特徴で、独特な風味がある皮と食べられることが多い。身に水分を多く含んでいるため、鮮度が落ちやすいことも特徴のひとつだ。そこで鮮度の見分け方が重要となる。4つのポイントをおさえて、鮮度のよいかますをゲットして刺身を堪能しよう。
かますの鮮度を見極めるポイントとは
かますの鮮度を見極める4つのポイントとは、目の透明感、エラの色、胴の形、鱗である。目は時間が経過すると白く濁ってくる。エラの色は鮮やかな紅色がベストだ。鮮度が落ちるとピンクや肌色になっていく。胴は丸みがあり、表面にハリとツヤがあるものを選ぼう。丸くてもお腹が膨らんでいるものはイワシなどが入っている場合が多いため避けたほうがいい。鱗がしっかりと残っているほうがよい。
2. かますの刺身のさばき方

鮮度のいいかますを手に入れたら、刺身として堪能するためにさばき方を確認しておこう。
かますの刺身のさばき方
まな板にかますを置き、かますと直角に包丁の刃をあて、尾から頭に向けて鱗を落としていく。このとき、ビニール袋やシンクの中でやると後片付けが楽になる。次に、胸びれの下へ包丁を入れて頭を落とし、逆さ包丁でお腹を割き、内臓を取り出す。このとき内臓を傷つけてしまうと、身が生臭くなったり、まな板が汚れたりするため注意が必要だ。鱗や内臓を水で素早くキレイに洗い流し、水気をしっかり拭き取る。
しっかりと洗えたら、背側の頭の切り口のほうから、中骨に沿って包丁の刃を動かして尾まで切る。腹側も同様に行い、骨から切り離せば片面の作業が完了。かますをひっくり返し、もう一面も同様に行えば三枚おろしも完了する。刺身にするには、腹身の部分をそぎ落とし、皮を食べない場合は皮をはがす。皮は、皮と身の間に尾のほうから包丁を入れて、反対の手で皮を持って押さえながら包丁を滑らせるとキレイにはがせる。最後に小骨を骨抜きで取り除いて、好みの大きさに切ればかますの刺身の完成だ。
かますを刺身で食べるときの注意点
かますを刺身で食べるときには、寄生虫と食中毒に気を付けてもらいたい。まず、アニサキスという寄生虫に悩まされる人が多いのはご存じだろうか。かますにも寄生していることがあるため、しっかりと確認してほしい(※1)。そして、鮮度が落ちやすいという特徴があるため、刺身にする際にはできるだけ手早くさばき、さばいたあとは早めに食べることをおすすめする。
3. かますの刺身の食べ方は湯引きや炙りがおすすめ

かますの刺身はそのまま食しても美味しいが、皮付きで食べるなら炙りや湯引きが食べやすくておすすめだ。かますの刺身が美味しく食べられる、ひと手間加えた食べ方を紹介しよう。刺身のさばき方で紹介したとおりにさばき、柵の状態にかますをしてから、それぞれの手順を踏もう。
湯引き
余分な水分と臭みを取るため、皮目に少し塩をふって、キッチンペーパーで挟んで冷蔵庫で2~3時間寝かせる。味も引き締まり、美味しくなるポイントだ。冷蔵庫から取り出して塩を軽く流したら、シンクに斜めに立てかけたまな板に、皮目を上にしてかますをはり付ける。湿らせたキッチンペーパーをかぶせ、その上からお湯を流していく。すぐに氷水でしめ、余分な水分を拭き取り、適度な大きさに切ればかますの湯引きの完成だ。
炙り
塩を軽くふり、冷蔵庫で1時間程度寝かせたあと、サッと水で洗い流してキッチンペーパーで余分な水分を拭き取る。炙る前に、刺身の状態にカットしよう。炙ったあとに切ると、皮がはがれてしまうため、切る順番がポイントとなる。氷の上にできるだけ密着させて並べ、皮をバーナーで炙れば完成だ。
結論
秋が旬のかますは、脂がのってとても美味しいので刺身にして味わってみてはいかがだろうか。寄生虫や食中毒には注意をしつつ、鮮度がよいかますをゲットして、ぜひ刺身で食してもらいたい。ひと手間を加えれば、皮ごと美味しく食べられるうえに、家族に料理テクニックを披露できるのでおすすめだ。
(参考文献)
※1 出典:東京都福祉保健局「食品衛生の窓 魚種別アニサキスの寄生状況について(平成24年4月から令和2年3月まで)」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/anzen_info/anisakis/tyousa2.html
※1 出典:東京都福祉保健局「食品衛生の窓 魚種別アニサキスの寄生状況について(平成24年4月から令和2年3月まで)」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/anzen_info/anisakis/tyousa2.html
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