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柿に含まれるタンニンとはどんなもの?特徴や注意点を紹介

柿に含まれるタンニンとはどんなもの?特徴や注意点を紹介

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2021年1月17日

柿の特徴的な栄養のひとつに、タンニンがある。身体によいといわれることもあるが、積極的に摂って問題ないのだろうか。本記事では、柿に含まれるタンニンについて、特徴や注意点を中心に説明していく。無理のない範囲でタンニンを摂りつつ、柿を美味しく食べていただければ幸いだ。

  

1. 柿の渋みのもとタンニン:摂り過ぎはよくない?

タンニンには健康上の効能があるといわれる(※1)ものの、摂り過ぎるとリスクがあるため要注意だ。

胃や消化器へのリスクあり

タンニンの摂り過ぎは、胃に結石を作る原因になるといわれている。とくに柿の摂り過ぎによる結石は有名で、柿胃石という名称が付いている。一度に柿を何個も食べるとリスクがある、という程度の話ではあるものの、基本的には食べ過ぎを避けたい。また、タンニンの摂り過ぎは便秘にもつながるおそれがある。柿を食べると食物繊維も摂れそうなイメージがあるものの、実質は期待しないほうがよいだろう。

柿にタンニンがどのくらい含まれるか

摂り過ぎ注意とはいうものの、柿にはどのくらいのタンニンが含まれるのだろうか。奈良県の研究(※2)によれば、甘柿100gあたりに可溶性タンニン400mg、不溶性タンニン680mgが含まれ、干し柿100gには可溶性タンニン100mg、不溶性タンニン4500mgが含まれる。とくに干し柿には多くのタンニンが含まれており、食べ過ぎにはより一層注意が必要だといえる。

2. 柿の渋抜きの原理:タンニンは不溶化させると渋くない

渋柿はそのままでは渋みが強いが、渋抜きをすれば甘みが出て美味しく食べられる。ここでは、渋抜きについて詳しく見ていこう。

渋みの原因は?

柿の渋みは、可溶性タンニンによるものだとされる。渋柿の場合は実が熟しても可溶性タンニンが減りにくいため、そのままでは食べにくい。一方甘柿は、成長とともにタンニンが不溶性に変化するため、そのままでも甘みが強いのだ。

渋抜きでやること

渋柿の渋みを抜くためには、可溶性タンニンを不溶性に変化させることが必要だ。方法はいくつかあるが、アルコールを使う方法が簡単だ。柿に焼酎などのアルコールを少量かけ、しばらく置いておく。アルコールからできるアセトアルデヒドが可溶性タンニンと反応し、不溶性に変化する。数日もすれば、渋みが抜けて美味しく食べられるはずだ。
ほかにも、皮をむいて干し柿にすれば、水分が抜けるとともにタンニンが反応し、渋みが抜ける。渋抜きの方法は品種や好みによって選べるので、手間なくできる方法を採用したい。

3. 柿タンニンを摂取できる飴4選

柿の加工品として、柿を使った飴が販売されている。さまざまな飴があるが、ここでは例をいくつか見ていこう。

一心堂本舗「富有 柿飴」

福岡県筑後地方で栽培された柿を使った飴だ。富有柿の特徴である甘みをしっかり楽しめる。

いしい「柿渋飴」

奈良県で栽培された平種無柿が使われる。京飴に柿渋粉末を配合して作られるのが特徴だ。果汁を使った飴との味わいの違いを楽しめるかもしれない。

大文字飴本舗 「柿渋エチケット飴」

タンニンを使った口の消臭を狙って作られた飴だ。味を楽しめるほか、仕事などの際にも嬉しい。

飴匠さわはら「 柿渋のど飴」

喉のケアのほか、上と同じく口臭対策にももってこいの飴だ。ニッキ味が付いており、さわやかな風味を楽しめる。

あくまで食生活の若干の足し程度に考えよう

柿の飴の中には、柿タンニンが含まれていることが強調されているものもある。柿タンニンを適度に摂ると健康効果が期待できる(※1)ものの、飴で摂れる量でどれほどの効果があるかははっきりしない。また、食べ過ぎると糖質過多などにもつながる。したがって、効果には期待し過ぎないのがオススメだ。たとえば、あくまで味を楽しみつつ、普段の食生活に若干のタンニンをプラスする、くらいの心持ちで食べるのがよいだろう。

結論

柿に含まれるタンニンには健康効果を期待できそうだが、摂り過ぎはむしろリスクを生むため注意したい。タンニンは渋みの原因でもあるが、渋抜きをして不溶化すれば美味しく食べられる。また、飴でも若干のタンニンを摂れるので、食べ過ぎに注意しつつほどほどに補いたい。まずは、柿の味を楽しむことを考えるのがオススメだ。
(参考文献)
※1 公益財団法人 日本醸造協会「タンニンの効用」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/78/10/78_10_728/_pdf
※2 奈良県「奈良県産柿果実を利用した機能性食品の開発~柿果実に含まれるポリフェノールについて~」
http://www.pref.nara.jp/secure/85103/www.pref.nara.jp_niit_publication_reseach_report_h18_11.pdf
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  • 更新日:

    2021年1月17日

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