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鶏のキンカンってどこの部位?美味しい食べ方や栄養素などを紹介!

鶏のキンカンってどこの部位?美味しい食べ方や栄養素などを紹介!

投稿者:食生活アドバイザー 吉田昌弘

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2022年5月 3日

雌鶏からしか取れない希少部位の一つ「キンカン(きんかん)」。柑橘類のキンカンと同じような見た目をしているが、こちらは雌鶏からとれる内臓の一種である。しかも実はこのキンカンは、生み出される前の卵(内卵)のことである。今回は、そんな鶏のキンカンについて詳しく解説する。キンカンの基本的な栄養素や美味しい食べ方などについても確認しておこう。

  

1. 鶏のキンカンとは?

鶏のきんかん
鶏のキンカンとは、鶏の卵が形になる前の黄身の部分のこと。鶏の卵(卵黄)は雌鶏の卵巣で作られて、それから卵管を通る間に卵白・卵殻膜・卵殻が形成される。そして、完全な卵になってから産み落とされる。このまだ卵殻も卵殻も付いていない卵黄だけの状態が「キンカン」である。また、食材としては通常の卵黄よりも濃厚で、串焼きや煮物などにして食べられることが多い。

2. 鶏のキンカンの主な栄養素

鶏のきんかん
「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」には(※1)、「鶏のキンカン」の栄養価は収録されていない。しかし、鶏のキンカンは卵黄に相当する部分であり、栄養素も似ていると考えられている。そこで「卵黄(鶏卵/生)」の情報を参考に、鶏のキンカンの主な栄養素について確認しておこう。

その1.たんぱく質

卵黄にはたんぱく質が多く含まれており、キンカンにもたんぱく質が含まれていると考えられる。たんぱく質には、筋肉や臓器、皮膚、毛髪などを構成したり、ホルモンや酵素、抗体などの機能を調整したりする役割がある。また、身体を動かすためのエネルギー源にもなる(※2)。

その2.ビタミン類

卵黄はナイアシンとビタミンC以外のビタミン類を含んでおり、キンカンもさまざまなビタミン類を含んでいると考えられる。ビタミン類の働きはそれぞれ異なるが、いずれも身体の機能を正常に保つのに欠かせない。また、体内でほとんど合成できないため食品から補う必要がある(※2)。

その3.ミネラル類

卵黄はカリウム・カルシウム・リン・鉄・亜鉛などのミネラル類も多く含んでおり、キンカンにもこうしたミネラル類が含まれると考えられる。ミネラル類は互いに影響を与えあいながら、身体を正常に保つために働いている。また、ビタミン類と同じで食品から補う必要がある(※2)。

3. 鶏のキンカンを使った料理

鶏のきんかん
鶏のキンカンは一般的にはあまり見かけない食材であるが、地域によっては馴染みのある食材となっている。そこで鶏のキンカンを使った料理をいくつか紹介しておこう。

その1.美唄焼き鳥

美唄焼き鳥(びばいやきとり)は、北海道美唄市のご当地グルメのこと。レバー、ハツ、砂ズリ、キンカンといった鶏のすべての内臓と玉ねぎを使った塩味の焼き鳥のことである。地元ではモツ串とも呼ばれており、1本で鶏肉のさまざまな部位を楽しむことができる。家庭で作る場合はモモ肉なども使って串を作り、それをグリルやフライパンで焼いて「美唄焼き鳥風」を作ってみよう。

その2.キンカンの鶏モツ煮

キンカンの鶏モツ煮は、「甲府鳥もつ煮」という名前でも知られている山梨県甲府市発祥のB級グルメである。第5回B-1グランプリで優勝した絶品料理であり、レバー、砂肝、ハツ、キンカンなどを醤油・砂糖・みりんで照り煮にした料理である。なお、内臓系のニオイが気になる場合は、キンカン以外の内臓を下茹でしてアクを取り除いておくと食べやすくなる。

4. 鶏のキンカンに関するよくある質問

鶏のきんかん
ここまで、鶏のキンカンについて詳しく解説してきた。しかしまだ「なぜ鶏のキンカンは希少な部位といわれるのか」や「鶏のキンカンと一緒に聞くことが多いちょうちんとは何か」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、鶏のキンカンに関するよくある質問・疑問に回答する。

Q1.なぜ鶏のキンカンは希少なのか?

鶏のキンカンが取れるのは、「成熟した雌鶏」からとなっている。一般的な食肉用の雌鶏(ブロイラー)は成熟する前に出荷されるため、キンカンを取り出すことができない。そのため、食用のキンカンのほとんどは、採卵用の雌鶏(親鶏)から取り出したものとなっている。しかし、親鶏の食肉加工はあまり盛んに行われていないため、キンカンは希少価値が高い部位となっているようだ。

Q2.「ちょうちん」とは何のこと?

ちょうちんとは、鶏のキンカンとヒモ(輸卵管)が一緒になった状態をいう。市販品の場合は、「キンカン」として売られている場合もあるが、卵管と一緒に「ちょうちん」として売られていることもある。なお、ヒモは1羽に1本しかなく、キンカンは5~10個程度連なっていることが多いようだ。

Q3.鶏のキンカンはどれくらい食べていい?

鶏のキンカンの明確な栄養価は不明であるが、卵黄の栄養価を見ると脂質量が多くカロリーも高めとなっている。そのため、食べすぎは禁物となっている。なお、あくまで目安程度にはなるが、日本卵業協会は「卵を1日2個」としているため(※3)、キンカンの場合も少量にしておくのがよさそうだ。

結論

鶏のキンカンは、成熟した雌鶏からしか取ることができない希少部位である。卵になる前の卵黄部分であるため、含まれる栄養素は一般的な卵黄と同程度のものと考えられる。そのため、たんぱく質やビタミン類、ミネラル類などをバランスよく摂れるだろう。鶏のキンカンを手に入れたら、ご当地グルメ・B級グルメとして人気がある焼き鳥やモツ煮などを作ってみよう。
(参考文献)
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  • 公開日:

    2021年1月30日

  • 更新日:

    2022年5月 3日

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