1. キャッサバ芋とは?毒性があるの?

世界的には認知度が高いキャッサバ芋だが、日本ではほとんど市場に出回らないため、名前だけは聞いたことがあるが、どのような食べ物か知らないという人も多いだろう。ここではまずキャッサバ芋がどのようなものかを紹介していく。
中南米原産の食材
キャッサバ芋は中南米原産の食材で、暑さや乾燥に強いことから熱帯地域で栽培されることが多い。熱帯地域には作物が育てにくい場所もあるが、キャッサバ芋は過酷な環境でも栽培できる。そのため、コロンブスが新大陸を発見しキャッサバ芋の存在が知られて以降、主にアフリカなど中南米と同じ熱帯地域で栽培されるようになる。現在でも作物が育てにくい地域ではキャッサバ芋は主食として食べられている。日本でも少量だが、沖縄など温暖な地域で栽培されており購入することができる。
キャッサバ芋はそのまま食べてはいけない
芋は硬いため加熱して食べるのが一般的だ。しかし、キャッサバ芋を加熱して食べるのはそれだけが理由ではない。実はキャッサバ芋には青酸配糖体と呼ばれる毒物が含まれている。つまり、キャッサバ芋を食べるためには毒抜きが必要となるわけだ。毒抜きというと難しいイメージがあるが、キャッサバ芋に含まれる青酸配糖体は加熱や水洗い(水に浸ける)によって取り除くことができるため、家でも簡単に行える。
2. キャッサバ芋のおすすめの食べ方

キャッサバ芋はじゃがいもや里芋と同じく芋類であるため、毒抜きさえしてしまえば特別な調理は必要ない。しかし、せっかくならキャッサバ芋の美味しい食べ方を試してみたいだろう。ここではおすすめの食べ方を紹介する。
揚げ物にするのがおすすめ
キャッサバ芋を初めて調理するなら揚げ物にするのがおすすめだ。芋特有のホクホク感とキャッサバならではのもっちり感、さらに揚げたことによるカリッとした食感のすべてを一度に楽しめる。揚げ物といってもいろいろあるが、キャッサバ芋の食感や風味を一番楽しめるのは素揚げ、つまりフライドポテトだ。フライドポテトというとじゃがいもで作るイメージだが、キャッサバ芋も同じように作ることができる。
揚げる前に下茹でを!
じゃがいもの場合は生のまま揚げてしまうが、キャッサバ芋は青酸配糖体が含まれるため一度茹でる必要がある。皮をむき、竹串が刺さるくらいの硬さになるまで茹でたらスティック状に切り、油で揚げる。少し手間がかかるが、安全のためにも必ず下茹では行おう。ちなみに、茹ですぎてしまった場合は潰してコロッケにすることもできる。
ココナッツミルク煮もおすすめ
キャッサバ芋は煮ても美味しい。キャッサバを使っていつもは作らない料理に挑戦してみたいなら、ココナッツミルク煮がおすすめだ。キャッサバ芋は苦みがある場合もあるが、ココナッツミルクで煮れば苦みが打ち消され食べやすくなる。ココナッツミルクの甘みも少し独特であるため初めて作る場合は加減しながら作ろう。
3. キャッサバ芋の栄養について

世界的に食べられているキャッサバ芋だが、栄養価も気になるだろう。芋類と聞くとカロリーが高いのではないかと身構えてしまう人もいるだろう。ここではキャッサバの栄養価を紹介していく。
エネルギーは高い?
文部科学省が発行している食品成分表(※)にはキャッサバでんぷんの記載しかない。キャッサバでんぷんとはキャッサバからでんぷんのみを抽出したものであるため、キャッサバより当然ながら含まれるエネルギーは高く、100g当たり346kcalだ。ちなみに、片栗粉として知られるじゃがいもでんぷんは100g当たり330kcalであるため、ほとんど変わらないといえる。
生のキャッサバにはどんな栄養素が含まれている?
キャッサバを主食としている地域では貴重なエネルギー源であるとともに、実は多くの栄養素を摂ることにも一役買っている。キャッサバにはマグネシウムやカリウムなどミネラル類と呼ばれる栄養素が多く含まれているからだ。
グルテンフリーが注目されている
キャッサバ芋を説明するうえで欠かせないのがグルテンフリーだ。グルテンとは小麦粉などに含まれる成分で、小麦アレルギーの原因として考えられている。キャッサバ芋には当然ながらグルテンが含まれないため、グルテンフリーの食品といえる。キャッサバ芋は粉末状にすると小麦粉のように使えるため、小麦粉の代わりになる食品として注目を集めている。
結論
日本ではなじみのないキャッサバ芋だが、揚げるともっちりホクホクした食感を楽しめる。残念ながら日本での流通量は少ないが、沖縄などの温暖な地域で栽培されているため、見かけたらぜひゲットしよう。ただし、キャッサバ芋には青酸配糖体という毒物が含まれているため注意が必要だ。水洗いや加熱によって取り除くことができるため、下処理は徹底するようにしよう。
(参考文献)
(※)文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
(※)文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
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