目次
1. タピオカとは?

タピオカとは、トウダイグサ科イモノキ属の「キャッサバ」という芋類から作られている、モチモチとした独特な食感が特徴の食品である。日本では何度か「タピオカブーム」が起きており、2018年頃にはから「第3次タピオカブーム」が勃発して、タピオカミルクティーをはじめとするタピオカドリンクミルクティーにタピオカをトッピングしたタピオカドリンクが大流行した。また、2019年の新語・流行語大賞には「タピる」がトップテン入りした(※1)。
原料の「キャッサバ」とは?
キャッサバとは、トウダイグサ科イモノキ属の熱帯低木である。世界中の熱帯地域で栽培されている植物で、その芋(キャッサバ芋)を主食としている地域も多くある。国際連合食糧農業機関によれば2019年は、ナイジェリア(5,919万トン)、コンゴ(4,005万トン)、タイ(3,108万トン)の順に生産量が多かった(※2)。また、日本では沖縄県や静岡県などで栽培されている。
2. タピオカの特徴や魅力とは?

新語・流行語大賞にランクインしたタピオカには、可愛い見た目や面白い食感など人気を集める特徴や魅力がたくさんある。そんなタピオカの特徴や魅力をいくつか紹介しておこう。
特徴1.見た目が可愛らしい
タピオカは黒色の小さな球状の食品であり、宝石のようなキラキラとした見た目が特徴である。そんな見た目が可愛らしくて、タピオカドリンクを中心にSNSで多くシェアされた。なお、本来の乾燥タピオカは白く、宝石のパールにも見えることから「タピオカパール」と呼ばれている。また、よく目にする黒いタピオカとは、タピオカパールをカラメルで色づけしたものである。
特徴2.もちもちの食感が面白い
タピオカの人気の秘訣は、そのもちもちとした食感が面白いことも関係している。一般的にタピオカドリンクには太いストローが刺さっており、ドリンクと一緒にもちもちのタピオカを楽しめるようになっている。その独特な食感がクセになり、好んで飲んでいる人も少なくないようだ。なお、出来立てのタピオカは「生タピオカ」と呼ばれることもあり、よりもちもち感を楽しむことができる。
3. タピオカの栄養価とカロリー

タピオカは大部分が炭水化物で構成されており、たんぱく質や脂質などはほとんど含まれていない。ただし、少量ではあるがミネラル類は含んでいる。そんなタピオカパール(乾)の栄養価を、文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考にしながら確認しよう(※3)。
タピオカパール(乾)100gあたりの栄養価
- エネルギー:352kcal
- たんぱく質:0g
- 脂質:0.2g
- 炭水化物:87.8g
- 脂肪酸
・飽和脂肪酸:0g
・一価不飽和脂肪酸:0g
・多価不飽和脂肪酸:0g - ビタミン
・ビタミンA:0μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0mg
・ビタミンK:0μg
・ビタミンB1:0mg
・ビタミンB2:0mg
・ナイアシン:0mg
・ビタミンB6:0mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:0μg
・パントテン酸:0mg
・ビオチン:-
・ビタミンC:0mg - ミネラル
・ナトリウム:5mg
・カリウム:12mg
・カルシウム:24mg
・マグネシウム:3mg
・リン:8mg
・鉄:0.5mg
・亜鉛:0.1mg
・銅:0.01mg
・マンガン:0.13mg
・ヨウ素:-
・セレン:-
・クロム:-
・モリブデン:- - 食物繊維:0.5g
(・水溶性食物繊維:0.2g)
(・不溶性食物繊維:0.2g)
タピオカパール(ゆで)100gあたりのカロリー
乾燥タピオカ100gあたりのカロリーは352kcalであるが、本来、タピオカは茹でてから食べるため100gあたりのカロリー量は変化する。実際「日本食品標準成分表」によれば、ゆでたタピオカパールのカロリーは61kcalで、乾燥タピオカパールに比べると1/5以下になっている。ただし、一般的には砂糖などと一緒にゆでることが多いため、61kcal以上である可能性が高い。
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4. タピオカの基本的な作り方

本格的なタピオカを作るには、キャッサバ芋から出るでんぷんを水で溶いて加熱し、丸くして乾燥させる必要がある。しかし、日本ではキャッサバ芋を入手するのが難しく作るのも手間がかかる。そのため、一般的にはネット通販などで手に入る「乾燥ブラックタピオカ」を使うのがおすすめだ。
乾燥ブラックタピオカから作る方法
- ボウルに乾燥タピオカとたっぷりの水を入れてひと晩寝かせる
- ひと晩経ったら、ゆっくりと水を捨ててタピオカを鍋へ移す
- 鍋に水と砂糖を加えて火にかけ、優しく混ぜながら20分程度茹でる
- タピオカが浮いてきたら硬さを確かめ、好みのところで火を止める
- ザルにあげて冷水で熱をとったらタピオカの完成である
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5. 市販の人気タピオカを3種類

タピオカは、さまざまな食品メーカーなどからも販売されている。成城石井やカルディなどの高級スーパーのほか、Amazonや楽天市場のようなECモールでも購入可能だ。ここではAmazonなどのECモールで特に人気があるタピオカを3種類紹介しておこう。
おすすめ1.GABAN「ブラックタピオカ1kg」
「ブラックタピオカ1kg」は、調味料・香辛料の輸入を行っているギャバンの乾燥タピオカである。直径6mm程度の大きさで黒色~茶色の色味をしており、「もちもちとした食感が楽しめる」と評判もよい。1kgと大容量なので、タピオカ好きには特におすすめの商品となっている。
おすすめ2.美食同源「珍珠王 粉圓 ブラックタピオカ 500g」
「珍珠王 粉圓 ブラックタピオカ 500g」は、中華食材を扱っている美食同源が販売している生タピオカである。大粒のブラックタピオカであり、生タピオカ特有のもちもち感を楽しむことができる。水に浸けるのは不要なので、すぐに食べられるのもメリットとなっている。
おすすめ3.神戸物産「インスタントタピオカ300g」
インスタントタピオカは、業務スーパーなどを運営している神戸物産が販売している冷凍タピオカである。台湾から直接輸入しており、本場のモチモチとしたタピオカを楽しめる。その上、インスタントタイプであり、お湯をかけて30秒待つだけで美味しいタピオカが完成する。
6. タピオカやキャッサバのよくある質問

ここまでタピオカやキャッサバについて詳しく解説してきたが、まだ知りたいことや気になることがあるだろう。そこで最後にタピオカやキャッサバに関するよくある質問に回答する。
Q1.キャッサバにはどんな種類があるの?
キャッサバは「甘味種(アマキャッサバ)」と「苦味種(ニガキャッサバ)」の2つに大別される。このうち一般的なタピオカには、ほのかな甘みがする「甘味種」が使われている。一方「苦味種」は大きな芋を作るため、デンプン製品に使われることが多い。
Q2.キャッサバには毒性がある?
普段タピオカとして食べることが多い甘味種には毒性が少ないが、苦味種の「シアン化合物(リナマリン)」には毒性がある。摂取すると嘔吐や頭痛などが起こり、命に関わる危険性もあるので注意が必要だ。ただし、デンプン製品へ加工するにあたり、加熱処理などの解毒が行われている。また、輸入にあたり、タピオカパールのような加工品の安全性についても確認されている(※5、6)。
結論
モチモチとした食感が特徴のタピオカは、「キャッサバ」という芋から作られている。また、芋から作られているため、その大部分が炭水化物でありたんぱく質・脂質・ビタミン類・食物繊維などはほとんど含んでいない。ドリンク1杯に入れるタピオカの量はそれほど多くはないが、100gのカロリーは60kcal程度あるので食べ過ぎに注意しながら美味しく楽しもう。
【参考文献】
- ※1:自由国民社「ユーキャン新語・流行語大賞」
https://www.jiyu.co.jp/singo/index.php?eid=00036 - ※2:FAO「FAOSTAT」
http://www.fao.org/faostat/en/#data/QC/ - ※3:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※4:食品安全委員会「食品安全関係情報詳細」
https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03470760208 - ※5:日本食品分析センター「シアン化合物について」
https://www.jfrl.or.jp/storage/file/news_vol6_no14.pdf - ※6:厚生労働省検疫所「タピオカ等を初めて輸入する場合」
https://www.forth.go.jp/keneki/tokyo/kanshi_hp/b087.pdf
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