ぽんかんの美味しい食べ方と選び方！すっぱいぽんかんはどう食べる？

ぽんかんの皮は濃いオレンジ色をしており、その手触りはゴワゴワしているためむきにくそうに見えるかもしれない。しかし、実際には皮と中の果肉の間に隙間があるため、みかんの皮よりも簡単にむくことができるのである。また、果肉を包んでいる薄皮も薄いため、そのまま食べることができる。そのため、ぽんかんは小さい子どもでもむきやすく、薄皮ごとそのまま食べることができるのだ。

この薄皮は「じょうのう膜」と呼ばれ、薄いほど食味がよくなるといわれているのである。
じょうのう膜は主にペクチンでできており、ペクチンは水溶性食物繊維であるためそのまま食べるようにしたい。あえて薄皮をむいてしまうと食物繊維が6割ほど減ってしまうのである。水溶性食物繊維はコレステロールを吸着して身体の外に排出したり、大腸内で発酵することでビフィズス菌を増やし腸内環境をよくする効果があるのだ。健康効果を高めたいのであれば薄皮は必要以上に取り除かずにそのまま食べてみよう。

また、ぽんかんをむいたあとの皮であるが、オレンジピールやマーマレードジャムのように加工することで、ゴミとして捨てることなく無駄なく食べることができるのである。

ぽんかんに限らず柑橘類の果物は、皮をむいてそのまま食べることが多い。そのまま食べるのも美味しい食べ方の1つであるが、ここではひと手間加えたデザートの作り方を紹介したい。

1つめは、ぽんかんゼリーである。作り方は、ぽんかんの皮をむいて薄皮も取り除いたら、ざるに果肉を入れて漉して果汁を絞る。鍋に果汁、水、砂糖を入れ、混ぜながら加熱する。砂糖が溶けたら火からおろし、ふやかしたゼラチンを加える。ゼラチンを混ぜて溶かし、レモン汁を加えたらさらに混ぜる。粗熱をとって器に入れ、冷蔵庫で冷やしたら完成である。

2つめは、ぽんかんの皮を使ったぽんかんピールだ。作り方は、細長く切った皮を鍋に入れ茹でこぼしたら水に浸けアク抜きをする。次に水気をきった皮の重量を量り、その重さの70％のグラニュー糖を用意し、皮とグラニュー糖を鍋に入れ焦がさないよう混ぜながら煮詰める。とろみが出てきたらオーブンに並べて低温で加熱し、表面に湿り気が残る程度まで乾燥させたらグラニュー糖をまぶしてさらに一晩乾燥させたら完成だ。
ぽんかんピールはそのままおやつとして食べるのもおすすめだが、紅茶に入れたり刻んでチョコレートやクッキーに混ぜたりして使っても味のアクセントになって美味しい。

美味しいぽんかんの選び方であるが、あまり大きいものは大味であったり皮が厚いため避け、比較的扁平な形をしたものがよい。そして、皮にハリがあり色がよく、ヘタが小さくてずっしりとした重みを感じるものを選ぼう。皮がふかふかして厚みを感じるものは、水分が少ないなど食味が悪いことがあるので避けるようにしたい。

ぽんかんは収穫してから食べごろになるまで1ヶ月程度熟成させてから出荷される。収穫したばかりのぽんかんは非常にすっぱく、こうすることで熟成され甘くなるのである。しかし、同じ期間熟成させても中にはまだすっぱい状態のものが出てくる。これは個体差によるものであるため、もう少し熟成させることで酸味が抜けて食べやすくなるのだ。

どうしてもぽんかんがすっぱい場合は、ジャムに加工してしまうのがおすすめである。作り方はぽんかんを半分に切って果汁を絞り、皮はわたを取り除いて千切りにしたら熱湯で茹で水にさらしておく。水気をきった皮、果汁、砂糖を加えて火にかけ、好みのとろみになるよう煮詰めたら火からおろして冷ます。こうすればすっぱいぽんかんでも美味しく食べることができるのである。

ぽんかんは独特の甘い香りがあり、皮も薄く酸味が少ないため子どもでも食べやすい果物だ。果肉を包む薄皮が薄いためそのまま食べることができる。また、皮もマーマレードやピールに加工することで、捨てることなく食べることができるのである。