1. ポン酢の"ポン"って何?
ポンカンの"ポン"ではない
ポン酢は家庭の食卓によく上がる調味料である。酢にはないフルーティーさとしょうゆにはないさっぱりとした味わいがポン酢の魅力。いろいろな料理にマッチし、美味しさをアップしてくれる和食にはなくてはならない存在だ。使用頻度は高く、決して珍しい調味料ではないが、わからないことがひとつ。それは、「ポン酢の"ポン"とは何なのか」だ。多くの人が「ポンカンのポン」と思っているようだが、それは不正解だ。では、ポンとは何なのだろう?
語源はインドとオランダにあり!
ポン酢の語源となった言葉は「pons(ポンス)」。これは、「5つ」を意味するインドの言葉「panc」に由来するオランダ語で、柑橘類の果汁を意味する。ちなみに、英語では「パンチ・ポンチ(punch)」。アルコールやソーダに果汁を加えたものにカットフルーツを入れたカクテルやジュースをフルーツパンチやフルーツポンチと呼ぶが、このパンチ(ポンチ)である。「pons」は5種類のものをミックスするという意味を持っており、アルコールに柑橘類の果汁や砂糖などを加えた飲み物をポンスと呼んだ。日本へ伝わった当初は食前酒であったが、酢酸を加えて調味料となり、酢を加えたことからポンスの"ス"に"酢"を当ててポン酢となった。
2. ポン酢はどんな料理に合う?
しょうゆ、酢、ポン酢はいろいろな料理に合う。しかし、いろいろな料理に合うがために、「この料理にはしょうゆ」「この料理にはポン酢」と勝手なルールを決めてしまっていることが多い。ここでは、ポン酢がどんな料理に合うのかを紹介する。他の家庭がどんな料理にポン酢を使っているのかを見てみよう!
- 鍋料理
鍋料理は、多くの家庭でポン酢が登場するメニュー。シンプルな湯豆腐をグンっと美味しくしてくれる。 - 焼き魚
しょうゆもいいが、ポン酢ならもっと魚を味わうことができる。 - 蒸し野菜
シンプルな蒸し野菜もポン酢をかければ美味しい一品に。マヨネーズや鰹節との相性も良い。 - 餃子
しょうゆをポン酢に代えてさっぱり感アップ。 - 揚げ物
ソースで食べることの多いカキフライやとんかつだが、ポン酢で食べても美味しい。揚げ物をあっさりと食べたい時におすすめ。唐揚げにも合う。 - ステーキ
さっぱりとステーキを食べたいときに。 - ハンバーグ
和風ハンバーグに。しょうゆよりも肉の味がひきたつ。 - たこ焼き
大根おろしとネギにポン酢を合わせて食べるのがおすすめ。 - 卵かけご飯
しょうゆよりもあっさり感が強く、卵の美味しさを味わうことができる。 - 天ぷら
めんつゆよりもさっぱり食べられる。
3. ポン酢の作り方
美味しい料理を更に美味しくしてくれるポン酢。市販のものを使う家庭が多いが、実は手作り可能。手作りすれば添加物を気にすることもなく、安全性もアップ!手作りしたからといって保存がきかないわけではないので、ポン酢をよく使う家庭は作ってみよう!
ゆずポン酢
材料
- ゆず果汁(150mL)
- 削り節(ひとつかみ)
- 昆布(一切れ)
- かえし(150mL)
作り方
- ゆずの果汁を絞る
- 1にかえしを加え、削り節と昆布を入れて1日おく
- ザルで濾す
- かえしとは、しょうゆ・みりん・砂糖から作るもので、そばつゆのベースとなるもの
ポン酢しょうゆ
"ポン酢しょうゆ"とは、ポン酢にしょうゆを混ぜたものである。ポン酢しょうゆも一般的に"ポン酢"と呼ばれるが、しょうゆが加えられているためポン酢に比べて塩分が高く、さっぱり感は少ない。
材料
材料
- 酢(大さじ3)
- しょうゆ(大さじ3)
- 柑橘類の果汁(小さじ1)
- だし汁(小さじ2)
作り方
全ての材料をボウルに入れ、よく混ぜる。柑橘類の果汁は、ゆずやポンカンのほか、みかん、レモン、グレープフルーツなど何でもOK。ローリエやローズマリーなどのスパイスやハーブを加え、好みのポン酢を作ってみよう!
全ての材料をボウルに入れ、よく混ぜる。柑橘類の果汁は、ゆずやポンカンのほか、みかん、レモン、グレープフルーツなど何でもOK。ローリエやローズマリーなどのスパイスやハーブを加え、好みのポン酢を作ってみよう!
結論
ポン酢について解説した。身近な調味料であるポン酢の"ポン"は、ポンカンの"ポン"ではなくフルーツポンチの"ポン"であると覚えていただけただろうか?ちなみに、愛媛県の有名なジュース"ポンジュース"の"ポン"は、ニッポン(日本)の"ポン"である。雑学のひとつとして頭の片隅に置いておこう。
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