1. 発酵あんことは

発酵あんこというネーミングにピンときた人は、発酵食好きかもしれない。砂糖なしなのに甘いのが最大の特徴で、それにまつわる本が登場するほど、いま注目を集めている。
発酵あんこの正体
発酵あんことは、麹の力で小豆を発酵させたもの。一定の温度に置いておくことで発酵が起こり、甘みが生まれる。粥と麹を発酵させて作る甘酒と原理は同じだ。朝の情報番組などで取り上げられて、人気に火がつき、健康を気にする人の間で話題になっている。一般的にあんこは、小豆と同量の砂糖を入れて甘みを出す。この砂糖の量に抵抗がある人にとっては、発酵あんこは救世主のような存在だったのだ。
発酵あんこのここがすごい
発酵あんこ、最大の特徴ともいえるのが、砂糖なしで小豆があんこになるというところ。その秘密は、麹と発酵にある。茹でた小豆に麹を加え、一定温度で保存するのが基本的な作り方。麹が小豆に含まれるでんぷん質をブドウ糖に変換し、甘みになるのだ。食物繊維、ポリフェノール、鉄分やビタミン、カリウムなど、栄養が豊富な小豆に、麹の力を掛け合わせ、発酵食品としてアップデートさせたものが発酵あんこ。砂糖を加えていないので、無論、低カロリー、低糖質である。
2. 発酵あんこをヨーグルトメーカーで作る方法

発酵あんこを作るカギになるのが、60℃と8時間。これは発酵を促す環境のことで、この数字を守ることが美味しい発酵あんこを作るカギになる。ちなみに温度がこれ以上になると麹が死滅してしまうので、要注意だ。この温度を守るのに適しているが、ヨーグルトメーカーである。種類によって性能やサイズが異なるので、すべてのヨーグルトメーカーで作ることができるとはいえないが、温度と時間を設定できるものを選ぶと間違いがない。
発酵あんこの作り方
ヨーグルトメーカーを使った場合もそのほかの調理器具を使った場合も、発酵あんこの作り方は同じ。まずは小豆を茹でる必要がある。小豆にはアクがあるので一度茹でこぼすのがおすすめ。このひと手間を加えることで、特有の渋みが軽減される。また小豆の量に対して、およそ4倍のあんこができると考えて、量を調整するといい。
- 小豆を洗って、鍋に入れて水を張り、火にかける
- 沸騰したら弱火にして5分火にかけ、そのあとふたをして5分ほど置いておく
- 2をざるにあけ、軽く小豆を水で洗い、鍋に戻して3倍量の水を加えて火にかける
- 沸騰したら、アクを取り、弱火にして、箸を1本噛ませた状態でふたをして小豆を茹でていく
- 小豆が指で潰せる程度になったら火を止める(水が少なすぎるようなら60℃のお湯を足す)
- 60℃以下になったところで、小豆と同量の乾燥麹を入れて全体を混ぜる
- ヨーグルトメーカーにセットして、60℃、8時間のタイマーをかける
- 途中で何回か混ぜ、麹に芯がなくなったら完成
発酵あんこの仕上げ
上記の作り方だとつぶあん状態。麹の粒も残っているので、より滑らかにしたい人はフードプロセッサーにかけて、仕上げるといいだろう。よりなめらかなあんこになる。
3. 発酵あんこの楽しみ方

和菓子に
発酵あんこは、普通の手作りあんこと同様に使うことができる。もち米の周りにつければおはぎに、水を加えて温めて、餅を加えればおしるこにもなる。白玉につけて食べても旨い。
洋菓子に
発酵あんこは洋菓子にももってこい。我が家ではパンやマフィンの生地に入れて焼くのが定番。さらにチョコレートを合わせると旨い。チョコチップを練り込むと簡単だ。
トッピングに
パンにバターとのせれば、アンバタートーストの完成。このとき、バターをたっぷり入れるのがいまどき。美味しいバターを冷たいままカットして挟むのがいいだろう。アイスやヨーグルトのトッピングにもおすすめだ。クリームなどと重ねて和風パフェにしてもいいだろう。
結論
発酵あんこは、砂糖を入れていないのに甘い不思議な食材。罪悪感が少なく、小豆の栄養も余すことなくいただくことができ、さらに発酵食品といいことずくめ。ヨーグルトメーカー以外にも炊飯器などで作ることができるので、ぜひチャレンジしてみてほしい。簡単で美味しいおうちおやつの定番になってくれるはず。
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