1. 分葱とは?特徴を紹介!

まず、分葱とはどのような特徴をもつ野菜なのかを見ていこう。
産地
分葱の栽培がもっとも盛んなのは広島県だ。分葱がブランドとして定着しており、全国の生産量の約6割を占めるとされる。ほかにも、福岡県や愛知県、神奈川県、茨城県などで多く栽培されている。
味の特徴
分葱には、辛みが少なく食べやすいという特徴がある。加熱すると甘みが目立つため、加熱調理で食べられることも多い。したがって、辛みが苦手な人でも食べられる野菜であるといえる。
呼び方
分葱は、全国的に使われている名前だ。由来には諸説あるが、代表的なのは、1つの茎からの枝分かれが多いことから、というものだ。
一方で、熊本では「ひともじ」という呼び方が浸透している。熊本のひともじはとくに太めで、「ひともじのぐるぐる」という郷土料理などで親しまれている。
2. 分葱とネギの違いや見分け方とは

分葱とネギは似た野菜ではあるが、いくつかの違いがある。具体的に見ていこう。
分葱のルーツ
まず、分葱は純粋なネギではない。具体的には、シャロットという玉ネギの一種と、ネギの交雑種だとされる。大きな違いは、ネギは種をまいて栽培するのに対し、分葱は球根を植えて栽培することだ。栽培方法を見れば、別種の野菜であることがわかりやすい。
味の違い
分葱は、先述のように辛みが控えめだ。そのため、ネギと比べて一方で薬味としての役割は薄いといえる。ただし、分葱も薬味として使われることがある。したがって、分葱はネギの代用に使える程度には味が似ている、ともいえる。
見ための違い
分葱とネギで見ためが大きく違うのは、根元の部分だ。ネギはほぼ均一な太さだが、分葱は根元が膨らんでいる。熊本のひともじは、この特徴がより顕著だ。したがって、分葱とネギは、根元の形により区別できる。
3. 分葱の栄養はネギとは違う?

分葱にはどのような栄養が含まれるだろうか。簡単に見ていこう。
おもな栄養成分
国のデータ(※1)によれば、生の分葱にはミネラルやビタミンなどの幅広い栄養成分が含まれる。分葱100gあたりでいうと、とくにβ-カロテン(2700μg)やカリウム(230mg)、葉酸(120μg)、ビタミンC(37mg)といった成分が豊富に含まれる。いずれも健康には欠かせない。したがって、分葱には嬉しい栄養が豊富に含まれる野菜だといえる。料理によっては使う量が少ないかもしれないが、それでもある程度の栄養を補える。とくに日頃から野菜不足の人は、積極的に食べたい。
ネギとの違いは?
分葱とネギの栄養は、少し異なる特徴をもつ。同じ量の葉ネギの栄養成分(※2)と比べると、分葱のほうがβ-カロテンを多く含む一方で、カリウムや鉄は少なめだ。しかし、それでも分葱の栄養が少ないわけではないため、気にせず食べればよい。
4. 分葱の美味しい食べ方とは?

分葱にはどのような食べ方があるだろうか。簡単に作れる例をいくつか見ていこう。
定番はぬた
分葱は、ぬたと呼ばれる酢味噌和えの定番具材だ。熊本のひともじのぐるぐるも、酢味噌を使った料理であることから、分葱と酢味噌は相性バツグンだといえる。さっと茹でた分葱だけでも、好みで魚介類や油揚げなどを加えても美味しい。
煮物
分葱は加熱すると甘みが出るため、たとえば煮物などに使っても美味しい。しょうゆ中心の和風の味付けにも合うし、鶏ガラスープなどを使って中華風に仕上げるのもよいだろう。分葱にはすぐ火が通るため、あまり時間をかけなくても美味しく作れるのも嬉しい。
ネギの代用としても使える
生の分葱には控えめながら辛みがあるため、ネギの代用として薬味に使うのもアリだ。小口切りにして肉料理や煮物にかける、刺身や冷奴に合わせるなど、好みに応じてどんどん使おう。
結論
分葱は玉ネギの一種とネギとの交雑種で、栽培方法がネギと大きく違う。また、控えめな辛みや加熱で出る甘みが魅力的で、美味しい野菜なのだ。栄養が豊富なのも嬉しい。簡単に準備できる食べ方も多いので、分葱が手に入ったら、どんどん食べていただきたい。
(参考文献)
※1 文部科学省「食品成分データベース」より
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06320_7
※2 同上
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06227_7
※1 文部科学省「食品成分データベース」より
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06320_7
※2 同上
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06227_7
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