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あおやぎって知ってる?美味しい食べ方や食中毒について解説

あおやぎって知ってる?美味しい食べ方や食中毒について解説

投稿者:管理栄養士 戸田綾子(とだあやこ)

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2021年1月26日

あおやぎを知っているだろうか?あおやぎとは貝のむき身のことで、高級寿司にも用いられている。ここでは、あおやぎの美味しい食べ方を紹介していく。さらに、危険な食中毒についても解説していくので参考にしてもらいたい。

  

1. あおやぎってどんな貝?バカ貝との違いとは

まずは、あおやぎがどんな貝か、詳しく紹介していく。

あおやぎとバカ貝との違いは?

ネットであおやぎを検索すると「バカ貝」を紹介するサイトがヒットする。ではあおやぎとバカ貝の違いは何だろうか。簡単に説明すると、バカ貝から貝殻を取り除いた、むき身の部分をあおやぎという。

あおやぎの名前の由来を紹介

千葉県市原市に青柳(あおやぎ)という地域があり、かつてはバカ貝の集積地であった。江戸時代に寿司職人がお品書きなどにバカ貝と表記することやその名称で客に提供することに抵抗を感じたことから、あおやぎという名称で呼ばれるようになったとされている。

あおやぎの味や旬の時期は?

あおやぎの旬の時期は春である。甘みがありつつも、サッパリとした味でとても食べやすく、歯ごたえもよいことから刺身や寿司種に適している。

2. あおやぎや貝柱の美味しい食べ方

上記で紹介したとおり、バカ貝から貝殻を取り除いたむき身の部分をあおやぎという。むき身は身と貝柱に分けられて別々に売られることになる。あおやぎの身と貝柱の美味しい食べ方を、それぞれ紹介していく。

あおやぎの身の美味しい食べ方

あおやぎの身は寿司種や刺身として生で食べられる。あおやぎの刺身は味と風味が強く、とても美味しい。さっと湯通ししてから氷水に取り、水分をよく拭き取ってから食べるのが一般的である。
生で食べるほかにも、和え物、焼き物、揚げ物、蒸し物などの料理や、佃煮や干物といった加工食品にも用いられている。代表的な料理を3種類紹介する。

1.あおやぎとわけぎのぬた

材料はあおやぎ、わけぎ、酢味噌だ。あおやぎはボイルして、わけぎは湯をくぐらせてから、3~4cm程度の大きさに切りそろえておく。あおやぎ、わけぎ、酢味噌を和えたら完成だ。

2.あおやぎのかき揚げ

材料はあおやぎ、ごぼう、にんじん、三つ葉、小麦粉、卵、冷水だ。三つ葉は3cm幅程度に切り、ごぼうはささがきにして、にんじんはせん切りにしておく。小麦粉を冷水で溶いてから、卵を混ぜ合わせる。そこに野菜とあおやぎを入れて混ぜ合わせる。揚げ油を熱して、カラッと揚げたら完成だ。

3.あおやぎとわけぎのさっと煮

材料はあおやぎ、わけぎ、醤油、みりん、砂糖、酒、出汁だ。あおやぎは塩水でさっと洗って水を切り、わけぎは5cmくらいに切っておく。鍋に醤油、みりん、砂糖、酒、出汁を入れて火にかけ、あおやぎとわけぎを入れて3分ほどさっと煮たら完成だ。煮すぎないように注意する。

貝柱の美味しい食べ方

貝柱は「小柱」または「あられ」と呼ばれていて、寿司種や天ぷらには欠かすことができない食材である。現在では収穫量が低下していることとその美味しさから、高級品として扱われている。刺身で食べる場合は、小柱を塩水で洗ってから、わさび醤油などで食べるのがおすすめである。ほどよい食感と強い甘みが美味しい一品である。
また、貝柱を使った料理として、貝柱のバターソテーと貝柱のくず煮を紹介する。貝柱のバターソテーの材料は貝柱、バター、醤油だ。フライパンにバターをひき、貝柱の両面を焼く。醤油を鍋肌からまわし入れて、なじんだら完成だ。貝柱のくず煮の材料は貝柱、片栗粉、出汁、醤油、みりんだ。鍋に出汁、醤油、みりんを煮立てて、片栗粉をまぶした貝柱を入れる。ひと煮立ちしたら完成だ。トロミが足りない場合は、水溶き片栗粉を加える。

3. あおやぎの貝毒や食中毒の危険性

貝の中には毒をもつものもいる。あおやぎはどうなのか。あおやぎの貝毒や食中毒の危険性について解説していく。

あおやぎの貝毒とは?

二枚貝は貝毒と呼ばれる自然毒を持っており、食中毒の原因になることが知られている。貝毒の種類は麻痺性のものと下痢性のものがあり、摂取してから症状を発症するまでの時間や症状が異なる。なぜ二枚貝は毒をもってしまうのかは、二枚貝が餌としているプランクトンに関係がある。プランクトンの中には、人の食中毒の原因となる毒素をもつものがいる。この有毒プランクトンが発生し、それを二枚貝が食べると、二枚貝が毒化してしまうのである(※1)。一度毒化してしまった貝は、有毒プランクトンが消滅したあともしばらくは毒を蓄積している可能性があるので注意が必要である。

食中毒について

食中毒の原因となる貝毒は麻痺性貝毒と下痢性貝毒である。貝毒は熱に強いため加熱調理しても分解されない。それぞれの貝毒を摂取してしまったときの症状について紹介する(※2)。

麻痺性貝毒

食後30分ほどで口唇や舌や顔面にしびれが生じ、末端に広がり麻痺に変化していく。重症の場合は呼吸麻痺に繋がり死亡する危険性がある。

下痢性貝毒

食後30分~4時間以内に下痢や嘔吐や腹痛といった消化器系の症状を生じる。通常3日以内で回復することから、いままでに死亡事例はない。

貝毒にあたらないための注意点

市場で売られている貝類は各地域の管理のもとで出荷されているので、必要以上に警戒しなくてもよいだろう。注意が必要なのは、地域で管理されていない海水浴場や潮干狩り場などで自ら採取した貝などである。安全性が確認できない二枚貝は、食べないように注意してもらいたい。

結論

本記事では、あおやぎについて詳しく紹介してきた。あおやぎの基本的なことから、美味しい食べ方、さらには食中毒の危険性まで触れてきた。ぜひ、安心安全を基本としながら、美味しくあおやぎを味わってもらいたい。
(参考文献)
※1 三重県 農林水産部 水産振興課 養殖振興班「貝毒について知っていただきたいこと」
https://www.pref.mie.lg.jp/SUISAN/HP/38846033586.htm

※2 北海道水産林務部水産経営課「貝毒とは」
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/ske/contents/kaidokujyouhou/kaidokutoha.htm
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  • 更新日:

    2021年1月26日

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