1. しもやけの正体
しもやけとは、主に冬の寒さで血行不良を起こし生じる皮膚の病気のこと。細い血管が集まる手足の指や耳たぶ、鼻先などの部位が起こりやすいポイントで、症状としては皮膚が赤く腫れたり、痒みがでる、じんじんするなどだ。
しもやけの原因
しもやけ=極寒の地をイメージする人も多いようだが、実は沖縄でも発症例がある。しもやけ最大の要因は、実は気温差。人間は寒いと感じると脳が血管を縮めるように指示する。こうすることで、体内の熱を逃さないようにするのだ。逆に暑いと感じると血管を拡張するよう指示。皮膚表面の温度を上げたり、汗をかくことで熱を放出する。気温差によって、この寒い!と暑い!が繰り返されると血管は収縮と拡張を繰り返すことになり、パニックが起こるのだ。
凍傷との違い
しもやけは、別名を凍瘡という。似た言葉に凍傷があるが、これは−4℃以下の氷点下にいることで、身体の組織が破壊されてしまうこと。重症化すると壊死する可能性があり、外科的処置が必要になることもあるようだ。しもやけは、血行障害なので、これとは別物だ。
2. しもやけには唐辛子!?
古い民間療法に、しもやけを防ぐために唐辛子を使うというものがある。靴下の中に唐辛子を入れて外出することもあったようだ。これは、唐辛子に含まれるカプサイシンが皮膚に温かみを与えることから行われていたものである。しかし、詳しいことはわかっておらず、唐辛子がしもやけの予防になるとは言い切れないようだ。また、唐辛子は刺激が強く、とくに皮膚の弱い人は肌に唐辛子が直接触れることのないよう、注意が必要だ。靴下の中に唐辛子を入れるというのは、いまほど防寒具なども発達していなかった頃の対処法といえそうだ。
現代のしもやけ
しもやけは真冬よりも、寒暖差が大きい秋の終わりや冬の始まりに起こりやすい。近年は暖房設備が充実したがゆえに、外との寒暖差が起きやすく、実はしもやけになっている人が多いそうだ。ちなみにしもやけになるのは、子どもだけでなく、大人も同じである。
3. しもやけを防ぐ方法
防寒で予防
手足や耳たぶなど、しもやけになりやすい部分を長い時間、外気にさらさないことが重要。マフラーや耳あて、マスクなどを上手に活用して防寒したい。また締め付けると血行が悪くなるので、窮屈な靴や靴下も避けるといい。
水気を取り除く
濡れた状態の手袋や靴下を履いていると皮膚表面の温度が下がりやすくなるため、しもやけになりやすい。濡れた場合は、早めに取り替えるのがベスト。とくに子どもは遊びに夢中になっていると、濡れているのもおかまいなしになりがちなので、要注意。
保湿や食べ物で予防
血行をよくするため、お風呂に浸かり、マッサージするのも効果的。さらに生姜やねぎ、スパイスなど、身体の中から温かくなるものを食べるのもいいだろう。
結論
しもやけに唐辛子が効くというのは、はっきりとした根拠に乏しいようだ。昔はとにかく寒い思いを少しでも紛らわせるために、行っていたのだろう。しもやけは、過去の話ではなく、現代でも患者が多い。市販薬などでも改善が見られない場合は、皮膚科を受診することをおすすめする。
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