1. あんころ餅とはどんな餅?

まずはあんころ餅とはどのような和菓子なのか、由来や特徴を見ていこう。
あんころ餅の由来は「餡衣餅」
あんころ餅というユニークな名前は、「餡が衣のように餅を包む」という意味から、餡衣餅(あんころももち)があんころ餅に変化したのが由来だ。その名の通り、餡で餅を包んでいるのがあんころ餅の最大の特徴である。衣となる餡には、一般的には小豆餡が使用されている。
似たような見た目の和菓子におはぎがあるが、餅米をあまり潰さずに作られている点があんころ餅とは異なる。また使用される小豆餡も、一般的にあんころ餅はこし餡、おはぎはつぶ餡である。
あんころ餅の始まりは汁物だった?
あんころ餅は「土用餅」として、土用入りの日に江戸時代から食べられるようになったといわれている。また、もともと宮廷内で汁に餅を入れて食べられていたのがあんころ餅の始まりだったという説もある。
ちなみに香川県では、雑煮に小豆餡の入った餅を入れる慣習が古くから伝わる。この「あん餅雑煮」に使用されるのは、あんころ餅ではなく餡を餅で包んだものだ。あんころ餅の前身が餅入りの汁だったことからも誤解されやすいが、あんころ餅とあん餅雑煮の餅は別物である。
あんころ餅のカロリーは?
土用にスタミナをつけるために食べる餅ということで、カロリーが気になるところだ。大きさや作り方によってもカロリーは異なる。たとえば井村屋「6コ入 あんころ餅(こしあん)」は、1個(45g)当たり110kcalである。おやつとして1~2個食べる程度なら、それほど気にする必要はないだろう。
2. 美味しいあんころ餅の作り方

あんころ餅を本格的に作るとなると、もち米を蒸して餅にする、小豆を炊いて餡を作るなど、かなり手間がかかる。そこで、和菓子を作った経験のない人でも簡単にできる、市販の餡を使った方法を紹介しよう。
白玉粉を使ったあんころ餅の作り方
白玉粉と表記通りの量の水をボウルなどに入れて混ぜ合わせる。耳たぶくらの柔らかさになったら好みの大きさに丸める。白玉粉で作った餅を沸騰した湯に入れ、浮き上がってから1分ほど茹でたら冷水にとり冷ます。水気を切った餅をこし餡で包んだら完成。ラップに餡を広げて餅をのせると包みやすい。また、白玉粉と上新粉を混ぜて作っても美味しい。
さらに簡単!市販の餅で作るあんころ餅の作り方
半分に切った市販の切り餅、または丸餅を、沸騰した湯で3分ほど茹でる。水気を切って粗熱を取り、こし餡で包めば完成。
アレンジあんころ餅
基本のあんころ餅にきなこや抹茶、アーモンドをまぶすだけで、簡単にアレンジもできる。まぶすものを数種類用意すれば、見た目も華やかになって楽しい。
3. 日本各地の有名あんころ餅と通販情報

あんころ餅は、全国のさまざまな地域で古くから食べられてきた。そのなかでも、とくに有名な老舗店が販売するあんころ餅を紹介する。いずれも通販での購入が可能だが、配送できない地域や時期もあるため、確認が必要だ。
圓八(石川県)「あんころ餅」
創業280年の老舗店「圓八」のあんころ餅は、北海道産の小豆と石川県産のもち米を使用し、手仕事にこだわって作られる。本店は白山市内だが、金沢市を始め複数の店舗を構える。金沢駅の売店でも購入可能だ。
御福餅本家(三重県)「お福餅」
三重県のあんころ餅は、一般的な丸い形状ではなく二見浦に打ち寄せる波を表現した独特な形をしている。北海道産の小豆ともち米、手仕事にこだわった逸品だ。本店は伊勢市二見にあり、東京神楽坂に自社プロデュースの甘味処もオープンした。
赤福(三重県)「赤福」
伊勢土産の定番である赤福も、有名なあんころ餅の一つである。五十鈴川のせせらぎを表現しているため、お福餅と同様に波が施されているのが特徴だ。こだわり抜いた原材料と製法で、不動の人気を集めている。伊勢市内を中心に、近隣の府県にも店舗を構えるほか、ホームページで通販が利用できる。
4. あんころ餅の賞味期限や保存方法

あんころ餅は、製造日を含め2~3日を賞味期限としている製造元が多いため、自宅で作った場合も目安とするとよいだろう。冷蔵庫に入れると餅が硬くなってしまうため、基本的には常温で保存する。ただし、高温多湿な場所や直射日光の当たる場所に置くと傷みやすいため、涼しい場所に置いておこう。
あんころ餅は冷凍も可能!
石川県・圓八のあんころ餅を通販で購入すると、冷凍された状態で届く。冷凍した状態での賞味期限は7日間だ。食べきれなかったあんころ餅も、冷凍すれば1週間ほど保存できる。その場合は一つずつラップで包み、保存袋に入れ空気を抜いて密閉して冷凍する。また食べる際には常温で自然解凍し、その日のうちに食べきろう。
結論
あんころ餅は、柔らかい餅と小豆の優しい甘さがクセになる美味しさだ。自宅で作ることも可能だが、ぜひ有名店の本格的な味も試してみてほしい。あんころ餅の美味しさを楽しむためには、賞味期限に関わらずなるべく早く食べきったほうがよいだろう。
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