1. スッキリとした味わい!水だし緑茶の作り方

真夏に目にする冷茶の緑は目にもさわやかである。湯で作る緑茶はそれだけで汗が出るが、水で作ることができれば非常に便利である。自宅で家族で消費するだけではなく、来客時にも気の利いたお茶となる。まずは、水だしで作る緑茶の作り方を見てみよう。
水だしの緑茶のために必要なもの
水だしの緑茶は3時間以上かかることをまず考慮に入れよう。必要なものは茶葉、専用のポットやボトル、ティーバッグである。茶葉は水だし専用である必要はない。深蒸し茶の葉などを使うと、より濃い色と風味の冷茶ができあがることになる。
水だし緑茶の作り方
水だし緑茶の作り方は簡単である。ティーバッグに茶葉を10g強入れる。濃いめの茶を好む場合は、15gにしてもよいだろう。これをポットやボトルに入れた1Lの水の中に投入し、冷蔵庫で冷やす。3時間ほど待つ必要があるが、想像以上に美味しい緑茶が完成するだろう。飲む前にポットを軽くゆすると、色合いも風味もまんべんなく均等化する。
時間がないときは氷水だし
簡単に作れる水だしではあるが、数時間を要するのがデメリットである。そこで時間を節約するために、氷水だしという方法がある。この場合に必要なのは、ガラス製の急須である。100mlの氷水であれば茶葉は10gは惜しみなく入れる。茶葉と氷水を急須に入れたら、茶が出るまで待つだけである。5分ほどすると美味しい冷茶ができあがる。
2. 水だし緑茶を美味しく淹れるためのコツ

水だし緑茶は、時間さえかければかくも簡単に作ることができる。しかし、簡単なだけに水質や茶葉の種類によって出来が左右されることは否めない。水だし緑茶をさらに美味しく飲むためのコツを紹介する。
水にこだわる
水だし緑茶は水道水でも作ることは可能である。しかし、地域によっては水にカルキのにおいや独特の味がある場合もある。これらを避けるために、水道水を一度沸騰させるとカルキのにおいは除去できる。または、お気に入りのミネラルウォーターがあればそれを利用するのもよいだろう。とはいえ、輸入物のミネラルウォーターは硬水である可能性もある。硬水は緑茶の旨みが出にくい特徴があるため、避けるのが無難である。
茶葉はどんなものが理想?
水だし用の茶葉は、それ専用のものも販売されている。夏場以外はあまり使わないことから、通常の茶葉の使用で問題ない。しかし、湯で淹れて薄い茶葉は水だしでも当然薄くなるのは自明の理である。水だしに使う茶葉は、できれば深蒸し茶や上級茶を利用しよう。少し粉砕しておくと、より茶が濃く出る。
3. 水だしとお湯で淹れた緑茶の違いとは?

本来は湯で淹れる緑茶であるが、水だしにすることによる相違点はあるのだろうか。味わいや含有する要素について、異なる点を見てみよう。
水だし緑茶は飲みやすい!
緑茶独特の苦みを不得手とする人もいるかもしれないが、水だし緑茶の場合は苦みが出にくいといわれている。農研機構の研究によれば(※)、水だしの緑茶も時間を置くとわずかに苦みを感じさせるエピガロカテキンの量は湯で淹れた茶と変わらないとされている。しかし、苦みや渋みの原因となるエピガロカテキンガレートの量は時間を置いても増えないことが明らかになっている。
水だし緑茶は時間を置くと美味しくなる
茶の旨みのもととなるテアニンなどのアミノ酸の量は、水だしの緑茶を作って30分ほどたつと急上昇し、湯で淹れた茶とほぼ変わらない美味しさであることが報告されている(※)。つまり、時間を置くほど美味しくなるのである。
カフェインの量は?
一方、緑茶のもうひとつの特徴であるカフェインの量はどうだろうか。農研機構によれば、カフェインの量も水だし緑茶のそれは湯で淹れたものよりかなり抑えられるという(※)。
結論
水だし緑茶は、思いのほか簡単に作ることができるのである。唯一の欠点は、茶葉からしっかりと風味を出すための時間がかかる点である。また、水や茶葉の質にこだわるとより上質の水だし緑茶を楽しむことができる。通常の茶と比べても遜色ない美味しさを味わえる水だしタイプであるが、カフェインの量や苦みを感じる成分は低めとなる。真夏に楽しむ冷茶は目にも涼しげな美味しいドリンクであることはまちがいない。
(参考文献)
※ 運営元:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
該当ページ名:なるほど・ザ・水出し緑茶!
https://www.naro.affrc.go.jp/laboratory/nifts/t_contents/mizudashi_ryokucha/detail.html
※ 運営元:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
該当ページ名:なるほど・ザ・水出し緑茶!
https://www.naro.affrc.go.jp/laboratory/nifts/t_contents/mizudashi_ryokucha/detail.html
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