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緑茶の飲みすぎは健康に影響あり?症状別の対処法を学ぶ

緑茶の飲みすぎは健康に影響あり?症状別の対処法を学ぶ

投稿者:ライター 諸田結(もろたゆい)

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年8月31日

食後やおやつの時間、ホッとひと息つきたいときに緑茶を飲む人は多いだろう。しかし、緑茶を飲みすぎると眠れなくなる、胃痛がするなどの症状が現れる場合がある。そこで今回は、緑茶が身体に与える影響や症状、その原因や対処法などを紹介したい。緑茶は身体に悪い影響を与えるだけではないので、症状や対処法を知って上手に飲もう。

  

1. 緑茶の飲みすぎがよくないといわれる5つの理由

緑茶を飲みすぎてはいけないと聞いたことがある人も多いと思うが、実際にはどんな理由があるのだろうか。ここでは緑茶の飲みすぎがよくないとされる、5つの理由をそれぞれ紹介しよう。

その1:タンニンの過剰摂取

緑茶に含まれる成分のひとつにタンニンがある。よく耳にする成分であるが、実際にはどのような働きをするのであろうか。そして、緑茶の飲みすぎによってタンニンを摂取しすぎると弊害はあるのだろうか。国立がん研究センターでは、貧血の症状がある人はタンニンを多く含む濃い緑茶の摂取を控えるよう呼び掛けている(※1)。とくに、食事の前後、食事中は濃い緑茶は避けるのが無難であるようだ。理由は、タンニンが鉄の吸収を妨げる作用があるためである(※2)。また、岡山大学名誉教授奥田拓男氏の研究では、タンニンが胃壁を刺激して嘔吐を催す可能性が挙げられている(※3)。しかし、これらはあくまで可能性であり、通常の量の緑茶を摂取する分には問題ないとされている。とはいえ、貧血の症状がある人は注意が必要であろう。

その2:カフェインの過剰摂取

厚生労働省や農林水産省のサイトでは、カフェインを摂りすぎた場合の悪影響について触れている(※4)。それによれば、カフェインの過剰摂取は中枢神経を刺激するためにさまざまな不快な症状に悩まされる可能性があるという。めまいや動悸、興奮や不眠、下痢など、人によって症状は異なるようである。ついつい手にする緑茶の量は、やはり注意が必要だろう。

その3:シュウ酸の過剰摂取

シュウ酸の過剰摂取は尿路結石を引き起こす可能性がある。尿路結石は激痛を伴うこともあるため、緑茶を飲む量にも注意してシュウ酸の摂取量を調節しよう。尿路結石を予防するためには、水分の摂取は必須である。しかし、緑茶に多く含まれるシュウ酸は尿中でカルシウムと結合すると結石を生み出してしまう。尿路結石患者の約70%は食物由来のシュウ酸にあるといわれており、緑茶をはじめとする食材の摂り方には注意が必要なのである(※5)。

その4:水分の過剰摂取

緑茶の飲みすぎだけでなく、水分そのものを過度に摂りすぎるのも身体によくない。水分の過剰摂取は血液中のナトリウム濃度を一気に低下させ、吐き気や頭痛などを引き起こしてしまうのだ。ほかにも下痢や頻尿、めまいなどを感じる場合もある。これらの症状は「水中毒」とも呼ばれ、重症化すると意識障害を引き起こす。(※6)そのため、お茶に限らず水分は適量を摂取するのがおすすめである。

その5:農薬の過剰摂取

緑茶は畑で栽培する際に農薬を散布するため、残留農薬があると考えられる。茶葉に使われる農薬の種類にはさまざまなものがあり、産地や農家によって異なる。しかし、残留農薬は基準値が細かく設定されているため、あまり気にする必要はないだろう。(※7)静岡県の公式ページでも問題はないと回答している。(※8)ただし、残留農薬の基準は1日に2~3杯の緑茶を飲む想定で作られているため、それ以上飲むなら過剰摂取を気にしたほうがよいだろう。過剰摂取による影響は農薬の種類などにもよるが、手足のしびれなどといった神経症状が多く見られる。

2. 緑茶の飲みすぎで起こりうる症状の原因と対処法

緑茶を飲みすぎるとさまざまな症状が起こる。ここでは、それぞれの症状の原因と対処法を詳しく見ていこう。

緑茶の飲みすぎで太る・むくみが出る

緑茶に限らず、水分を摂取しすぎると身体がむくむ場合がある。身体がむくんでいると体内にいつもより多く水分が蓄えられているため、体重も増えてしまうのだ。しかし、お茶には利尿作用があるため一気に大量に飲まない限りは激しくむくんだり、体重が増えたりする心配はないだろう。

緑茶の飲みすぎで胃痛・吐き気

緑茶を飲みすぎると胃痛や吐き気を感じる場合がある。これはカフェインによるもので、過剰に摂取すると胃痛や吐き気のほか、睡眠障害や神経過敏などの症状が現れる。しかし、1日のカフェイン摂取量を守れば、症状が出ることは少ない。1日あたりのカフェイン摂取許容量は設定されていないが、最大400mg程度を目安とするのがよいだろう。緑茶であれば100mlあたり約20mgのカフェインが含まれている。(※4)コップ1杯200mlと仮定すると、10杯分のカフェイン量なのでよほど飲みすぎなければ問題はない。過剰摂取で症状が出たときは、水などで水分を摂りながら体外にカフェインを排出させよう。

緑茶の飲みすぎで下痢や腹痛

カフェインやタンニンには胃を刺激する働きがあるため、飲みすぎると下痢や腹痛を引き起こすことがある。ただし、緑茶を飲みすぎて下痢などを引き起こすケースはあまりないため、1日の適度な摂取量を守っていれば問題ないだろう。もし下痢や腹痛を感じたときは、水などで水分を摂りながら身体を休ませよう。

緑茶の飲みすぎで肝臓に負担

緑茶に含まれるカテキンは、過剰に摂取すると肝機能障害を引き起こす場合がある。しかし、よほど大量に緑茶を飲まない限りはあまり気にしなくてよいだろう。

緑茶の飲みすぎで貧血

緑茶に含まれるタンニンには鉄の吸収を阻害する働きがあるため、貧血気味の人は注意が必要だ。緑茶の摂取で貧血になるわけではないが、食事と一緒に摂取するのは避けたほうがよいだろう。せっかく食事から鉄分を摂取しても、緑茶を飲むと吸収が悪くなってしまう。貧血気味の人は、食事中や食事の前後を避けて飲むのがおすすめだ。

緑茶の飲みすぎで眠れない

緑茶の飲みすぎで現れる症状の中でも有名なのが、眠れなくなるなどの睡眠障害である。睡眠障害はカフェインによって起こるもので、カフェインを1日100mg以上摂取すると睡眠の質が低下してしまうといわれている。そのため、眠れなくなるのが心配であれば寝る前に飲むのは避け、1日に1~2杯程度にしておくとよいだろう。

緑茶の飲みすぎで肌荒れ

カフェインには利尿作用があるので、緑茶を飲みすぎると身体が乾燥して肌荒れを起こす場合がある。緑茶の飲みすぎによる肌荒れは乾燥によるものなので、水などで水分を摂取したり保湿したりすればよい。

3. 飲みすぎにならない1日の緑茶の摂取量とは

ここまで緑茶の飲みすぎによる影響や症状などを紹介してきたが、具体的には1日にどのくらい飲んだら過剰摂取なのだろうか。1日の摂取量の目安や、飲みすぎないための工夫なども見てみよう。

緑茶の上限の目安は2L

一般的な緑茶1杯(100ml)には、およそ20mgのカフェインが含まれているとされている。カフェインの摂取許容量は、国内でも国際的にもとくに基準の数値があるわけではない。しかし、妊婦の場合はコーヒーに関しては1日に3〜4杯を限度に摂取することが推奨されている。ちなみにコーヒーの場合は1杯(100ml)あたり60mgと、緑茶の3倍ものカフェインが含まれている。(※4)カナダ保健省 (HC)では健康な成人は1日最大で400mgのカフェインが摂取基準とされているため、2Lの緑茶は一般的には基準の範囲内である。

緑茶が飲みすぎかは人によっても違う

お茶に含まれるカテキンやカフェインの量は、茶葉の種類や収穫時期などによって異なる。また、緑茶をいれる際の濃さによっても異なるのだ。さらには健康状態や体質によっても影響は左右されやすいので、人によって飲みすぎによる症状が出る量は異なる。

水分補給が目的なら水を飲もう

緑茶には利尿作用があるため、水分補給には向かないと考える人も多いだろう。しかし、実際には水分が補給できないわけではないのだ。ただし、水分補給に緑茶ばかりを飲んでしまうと、カフェインやタンニンを摂りすぎる可能性もある。過剰摂取が心配であれば、水などで水分補給するのがおすすめだ。

結論

緑茶は過剰摂取による症状はあるものの、悪い部分だけではない。適度に飲めば過剰摂取になることもなく、美味しく楽しめるだろう。飲みすぎが心配であれば、水分補給としてではなくひと息つきたいときなどに飲むのがおすすめである。緑茶は適量を守り、美味しく楽しもう。
(参考文献)
※1 国立がん研究センター 『貧血のある方のお食事』
https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/division/nutrition_management/info/seminar/recipe/recipe165.pdf
※2 埼玉医科大学 鉄と貧血
http://www.saitama-med.ac.jp/lecture/materials/51-H2106-2.pdf
※3 独立行政法人科学技術振興機構 タンニンの効用
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/78/10/78_10_728/_pdf
※4 農林水産省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html
※5 公益財団法人 日本医療機能評価機構 3再発予防CQ29シュウ酸はどのような食物に多く含まれるか?また、シュウ酸の摂取について工夫すべきことはあるか?
https://minds.jcqhc.or.jp/n/cq/D0003085
※6 国民共済 水の摂取でも要注意。水中毒の原因や対策を知ろう!
https://www.zenrosai.coop/anshin/anshinnews/26474.html
※7 静岡県公式ページ お茶と農薬についてのQ&A(安心してお飲みいただける「静岡茶」)
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-340/ocha-qa-nouyaku.html
※8 公益財団法人 日本食品化学研究振興財団 残留農薬基準値検索システム
http://db.ffcr.or.jp/front/food_group_detail?id=13200
  • 公開日:

    2021年3月20日

  • 更新日:

    2021年8月31日

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