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桜餅の葉っぱは食べるもの?気になる葉っぱの種類や塩漬けの作り方

桜餅の葉っぱは食べるもの?気になる葉っぱの種類や塩漬けの作り方

投稿者:ライター 諸田結(もろたゆい)

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2021年7月19日

茶菓子や季節のお菓子としてよく見かける桜餅だが、まわりにある葉っぱを食べるかどうか悩んだ経験はないだろうか。いまさら誰かに聞くこともできず、正解が分からずじまいの人も多いだろう。そこで今回は桜餅の葉っぱを巻く意味や種類、食べてよいのかどうかの疑問を解決していこう。

  

1. 桜餅の葉っぱを食べるかどうかはあなたの自由!

桜餅の葉っぱは食べる人もいれば、食べずに残す人もいる。まずは、桜餅の葉っぱを食べるかどうかのアンケート結果とともに、それぞれの理由やマナーについて見ていこう。

桜餅の葉っぱは食べる派がやや優勢

女性セブンの2016年のアンケート調査(※1)では「桜餅の葉っぱを食べる割合」が55.5%、「桜餅の葉っぱは食べない割合」が44.5%とほぼ互角の結果となった。よって、桜餅の葉っぱは食べても問題ないが、食べるか食べないかは、店の意向と各自の好みによるといえる。食べる側の意見としては葉っぱの塩気も含めて桜餅だと考える人が多く、食べない側の意見としては葉っぱの味に餅の風味が負けてしまうとの声があった。基本的には葉っぱを食べるかどうかは個人の意見のため、自分の好みで決めれば問題はない。

桜餅の販売店の見解もさまざま

桜餅を作っている店によっては「葉っぱまで食べてしまうと、餅の味が負けてしまうため葉っぱは食べないでほしい」という店もあれば「桜葉餅」という葉っぱを主役に販売している店もある。ほとんどの和菓子屋では、葉っぱを外して食べるのを推奨している。葉っぱは食べるためではなく、香り付けや乾燥を防ぐために使われているのだ。食べるのを推奨している店では、葉っぱの食感や味も含めてバランスよく作られているのである。

茶会でのマナーは?

食べる派と食べない派で意見の分かれる桜餅の葉っぱだが、じつは茶会のマナーにおいてはどちらでもよいとされているようだ。黒文字と呼ばれる和菓子用の楊枝を使って葉っぱを切るのは難しいが、上手に切れるのであればぜひ一緒に食べてみてほしい。力を入れずに優しくカットすれば、葉もあんこも上手に切れるだろう。

桜餅と違い柏餅の葉っぱは食べない

桜餅は塩漬けにした桜の葉を使用しているが、柏餅は硬い柏の葉を使用している。桜餅は香り付けや乾燥防止のために葉を使うのに対し、柏餅は皿や容器の代わりとして使われているのが特徴だ。桜餅の葉のように塩漬けにされているわけでもなく、食べても美味しくないため基本的には食べない。

2. 桜餅に使う葉っぱの種類や名前は何?

そもそも、桜餅の葉っぱとは一体何なのだろうか。実は「桜餅」というだけあって、主にオオシマザクラの若葉が使用されている。桜餅の葉っぱはソメイヨシノのように、花見で見るような桜の種類とは違うものだ。

桜餅に使う葉っぱの品種はオオシマザクラ

オオシマザクラの葉っぱは、産毛が少なく柔らかいため食べやすい。オオシマザクラの主な産地は伊豆地方で、毎年収穫した葉っぱを半年ほど塩漬けにしている。多くの店ではオオシマザクラの葉を使用しているが、じつはほかの品種の葉でも作れる。ただし、オオシマザクラの葉はサイズもほどよく、柔らかいため桜餅の葉に適しているのだ。

桜餅の葉っぱに栄養はある?

桜餅の葉っぱである桜の葉の塩漬けには、ほとんど栄養は含まれていない。1枚程度ではカロリーもほとんどなく、糖質やたんぱく質もないに等しいといえるだろう。

桜の葉っぱには毒があるから食べるのは危険?

桜の葉にはクマリンという芳香成分が含まれている。クマリンには血液凝固を抑える効果もあるため、医薬品に活用されている。しかし、クマリンを過剰摂取すると肝臓に悪影響を与えるおそれもあるため、桜の葉を食べるのは少量にしておこう(※2)。

3. 桜餅に葉っぱを巻く理由とは

桜餅の葉っぱは、そもそもなぜ巻く必要があるのだろうか。桜餅の葉っぱを巻くのには3つの理由がある。

理由1:餅の乾燥を防ぐ

まず1つ目は、餅の乾燥を防ぐため。餅は乾燥してしまうと固くなってしまう。固くなるのを防ぐため、葉っぱを巻いて餅の露出を少なくしているのだ。

理由2:香り付け

2つ目は、香り付けのため。桜の葉っぱを塩漬けすると、前項で少し触れたクマリンという香りの成分が出る。また、それに伴い抗菌作用も生まれ一石二鳥というわけだ(※3)。葉っぱを巻いて餅にほのかに香りが移ることで、より春らしいお菓子となる。

理由3:塩味を付けるため

最後である3つ目は、塩味を付けるため。塩漬けした桜の葉っぱを巻くことで香り同様、ほんのり塩気が移る。塩気は、餡や餅の甘みを引き立ててくれる重要な役割があるのだ。
以上3つの理由から、桜餅は葉っぱなしでは成り立たないことが分かった。

そもそもは偶然の産物

桜餅に桜の葉を巻いているのは、じつは偶然の産物なのである。桜餅が生まれたとされる1717年に向島にある長命寺の門番が、名物の桜の葉の処分に困って塩漬けにしたのがはじまりだったのだ。拾った桜の葉を上手く活用しようと考えた門番がいたからこそ、いまの美味しい桜餅が存在する。

4. 桜餅の葉っぱの塩漬けの作り方

桜餅に葉っぱを巻く理由や食べるかどうかが分かったところで、次は桜餅に使う葉っぱの作り方を紹介する。

葉っぱの塩漬けの作り方

まず、桜の葉っぱに熱湯を注ぐ「色止め」をしておくと、青々とした葉っぱの色が維持される。美しい桜餅を作るため、欠かさず行っておこう。水気をきった葉っぱを縦に折り畳み、容器に入れて塩をふる。さらに酢を葉っぱの周りに注ぎ入れたら、重石を乗せて3週間ほど漬け込めば完成だ。完成した塩漬けの葉っぱは、小分けしてラップで保存しておくとよい。

オオシマザクラの葉がないときの代用品

オオシマザクラの葉は通販等でもなかなか手に入らない。苗木であれば購入できる可能性もあるが、桜餅を作るために購入するのはおすすめしない。オオシマザクラの葉でなくても、八重桜やソメイヨシノなどの桜の葉でも代用可能なので無理して手に入れる必要はないだろう。

桜餅の葉っぱは購入もできる

好みの大きさの葉っぱを手に入れて、自分で塩漬けするという方法もあるが市販のものを購入すると手っ取り早い。塩漬けした桜の葉っぱなんてどこに売っているんだ、と思われるかもしれないが百貨店や大型の製菓店などに置いてある。たとえば「KALDI COFFEE FARM」では、オンラインでも「国産さくらの葉(塩漬け)10枚」を購入することができるので、時期がきたらぜひチェックしてみてほしい。

塩漬けした葉っぱの裏表や巻き方

使う際には、塩抜きを忘れずに行おう。巻くときは葉脈のあるほうを外側にし、ピッタリとくっつくように巻く。巻いたあとはラップなどで包み、しばらく置いて香りを移してから食べるとよい。

葉っぱなしの桜餅だってアリ!

桜餅の葉っぱは食べないから、わざわざ塩漬けしたくないという人は、人工の桜の葉を代用すれば手軽に桜餅を作ることができる。また、桜の葉を使わなくても美味しい桜餅は作れる。葉を使わない作り方もたくさんあるので、ぜひ試してみてほしい。

結論

桜餅の葉は食べる派と食べない派に分かれるが、実際はどちらでもよい。自分の好みに合わせて食べればよいので、深く考える必要はないだろう。また、桜の葉の塩漬けは手作りすることもできる。お菓子作りや料理が好きな人は、ぜひ葉から仕込んで桜餅を作ってみよう。
(参考文献)
※1参照:株式会社小学館 女性セブン「女性調査 「桜餅の葉っぱを食べる?食べない?」の割合」
https://www.news-postseven.com/archives/20160403_399344.html?DETAIL
※2参照:内閣府「食品安全総合情報システム」
https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu01610030314
※3参照:日本薬学会「クマリン - 薬学用語解説」
https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%B3
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  • 公開日:

    2021年3月25日

  • 更新日:

    2021年7月19日

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