1. おでんを食べるときの献立のポイント

おでんを食べるときの献立を考える前に、まずはおでんの栄養面の特徴を確認しておこう。一般的にいわれているおでんの栄養面のメリット・デメリットは以下のとおりとなっている。
【おでんのメリット】
- 魚介類や卵に由来するたんぱく質が多く含まれる
- 低脂肪であるため、カロリーは控えめになる
- こんにゃく・しらたきで食物繊維が摂れる
【おでんのデメリット】
- 練り物には塩分が使われていることが多い
- つゆまで飲んでしまうと塩分を摂りすぎてしまう
- 野菜類が少ないため、ビタミン類が不足しがち
おでんは低カロリー・高たんぱくなのがメリットだが、その一方で塩分過多・ビタミン不足になりがち。また、おでんの具材は種類が豊富だが、同じ系統の食材が多く栄養バランスが悪くなりやすい。そこで栄養バランスを整えるために、おでんを主菜として主食・副菜を合わせるのが大切になる。
2. おでんと一緒に食べたい主食

おでんは低カロリーであることがメリットであるものの、ダイエットなどのカロリー制限をしていない場合にはエネルギー不足になりやすい。ただ、おでんがおかずだと白米が進まないという人もいるはず。そこで野菜などを取り入れた炊き込みご飯などにすると美味しく主食を食べることができる。
主食1.生姜の炊き込みご飯
シンプルにおでんと合うご飯が食べたいなら「生姜の炊き込みご飯」がおすすめ。ご飯を炊くときに千切りにした生姜を合わせるだけで作ることができる。生姜の香り成分である「シネオール」には食欲増進を促す作用もあるため、シンプルな味付けのおでんと一緒でも美味しく食べることができる。
主食2.野菜の炊き込みご飯
栄養価も整えたい場合は、細かく刻んだにんじん・ひじき・キノコ類・油揚げなどと一緒にご飯を炊くのがよい。こちらは、おでんに足りないビタミン類・食物繊維などをバランスよく摂ることができる。食材の準備が大変なら、ひじきとキノコ類だけにするなど使う食材の量を減らしてみるとよい。
主食3.枝豆の混ぜご飯
炊いたご飯に塩ゆでした枝豆を入れるだけの簡単ご飯である。枝豆は栄養価が高い食材として知られており、特にビタミンB1・ビタミンB2・βカロテンなどを多く含む。味付けはシンプルに白ゴマをかけるだけで美味しい。なお、枝豆を用意するのが大変なら、市販の冷凍枝豆を使うと便利である。
主食4.ピリ辛そぼろご飯
豚そぼろや鶏そぼろの味付けに豆板醤を加えて「ピリ辛そぼろご飯」にするのもおすすめ。ただし野菜があまり食べられないので、茹でたもやしや千切りキャベツをご飯の上に盛り付けるとよい。そぼろのピリ辛の味付けはもちろん、野菜のシャキシャキ感も合わさって美味しく食べることができる。
主食5.オクラのとろろご飯
とろろご飯にすればおでんのときにも、美味しくご飯を食べることができる。ただし、山芋にはあまりビタミン類が多くないため、同じネバネバ食材であるオクラを加えるのがおすすめ。緑黄色野菜であるオクラにはβカロテンなどの栄養素が多く含まれており、栄養バランスを整えることができる。
3. おでんと一緒に食べたい副菜

おでんに不足している野菜類をしっかり食べたいなら、副菜を作るほうがよい。おでんに合う副菜は数多くあるが、中でもおひたし・酢の物・和え物・サラダなど比較的簡単なものを紹介しよう。
副菜1.青菜のおひたし
ほうれん草や小松菜で作ったおひたしを加えれば、おでんで不足がちなビタミン類などの栄養素を補うことができる。味付けは塩分の摂りすぎを防ぐために、出汁の風味を活かしつつ薄味にするのがおすすめ。また、手早く作りたいなら、ほうれん草などの冷凍野菜を使うようにしよう。
副菜2.ほうれん草のゴマ和え
ほうれん草を別の方法で美味しく食べるなら、ゴマ和えもおすすめである。ゴマ・みりん・醤油・だし・砂糖を合わせておいた調味料に、茹でたほうれん草を加えれば完成だ。おひたしに比べると少し手間がかかるがゴマの風味が食欲をそそる。おひたし同様、冷凍されたほうれん草を使うのもよい。
副菜3.カブの酢漬け
ビタミンB群やビタミンCなどをバランスよく含んでいるカブを、お酢に漬け込んで食べるのもおすすめだ。2~3mm程度に薄くスライスしておいたカブを、お酢・砂糖・唐辛子・昆布で作った調味料に漬け込むだけで作ることができる。塩を使っていないため、塩分過多にならないのがメリットだ。
副菜4.水菜のフレッシュサラダ
βカロテンやビタミンCなどが豊富な水菜も、おでんの副菜としてはぴったりだ。みずみずしい水菜はカットしてそのままサラダとして食べることも可能である。水菜だけだと少し寂しいので、一緒にシーチキンやちりめんじゃこを合わせると、シンプルなのに美味しいサラダを作ることができる。
副菜5.緑黄色野菜いっぱいの炒め物
にんじん・ピーマン・チンゲン菜などの緑黄色野菜を多めに使った野菜炒めは非常におすすめ。油の量さえ気をつければ、カロリーを抑えつつ不足気味の栄養素を補うことできる。また、塩分の量を減らすために、味付けはコショウや唐辛子などのスパイスを多く使うとよい。
結論
おでんには主菜のような役割があるので、献立を考えるなら主食・副菜を合わせるのがポイントになる。できればおでんに加えて主食一品・副菜二品が望ましいが、難しければ副菜を一品減らすなどの対応をするといいだろう。次におでんを食べるときには、この中からいくつか挑戦してみてほしい。