1. インスタントラーメンは日本生まれ

インスタントラーメンは、1958年に日本で誕生した。世界初となるインスタントラーメンは、チキンラーメン。文字通りインスタントラーメンの元祖である。チキンラーメンの生みの親は、日清食品の創業者でもある発明家の安藤百福氏。朝の連続テレビ小説「まんぷく」のヒロインの夫のモデルとなった人物でもある。
同ドラマをご覧になった人なら、インスタントラーメンがいかに苦労に苦労を重ねて生み出されたものなのか、すでにご存知のことだろう。さまざまな紆余曲折を経て、蒸した麺に味を付け、それを油で揚げて乾燥させるという製法を確立する。
お湯をかけて2分待つだけで美味しいラーメンが食べられる、ということで、チキンラーメンは、「魔法のラーメン」と呼ばれ、爆発的な売れ行きを示すことになった。供給が需要に追いつかず、品切れ状態が続いたほど。その後、多くのメーカーが、続々とインスタントラーメンの市場に参入し、1965年頃には、インスタントラーメンを扱うメーカーは、360社にも上った。
やがて日本のインスタントラーメンの市場が飽和状態となり、1970年にインスタントラーメンのメーカー各社は、本格的な海外進出に乗り出すことになった。その結果インスタントラーメンは、アメリカを皮切りに、全世界へと広がり、現在に至る。
2. 世界各国のインスタントラーメンの消費量

インスタントラーメンの全世界の年間消費量は、年々増加傾向にあり、2020年5月11日時点で、1064.2億食にも上る。
2020年5月11日時点で、全世界において、インスタントラーメンの年間消費量が最も多い国は、中国(香港を含む)で、414.5億食になる。インドネシアの125.2億食、インドの67.3億食、日本の56.3億食と続く。
ちなみに国民1人当たりの年間消費量が最も多い国は、韓国でおよそ75食になる。韓国は、1963年に、チャルメラでおなじみの日本の明星食品から、インスタントラーメンの製造技術指導を受けることになる。その後、韓国特有の辛みの強いスープをべースにしたインスタントラーメンが続々と登場することになる。なお、韓国のインスタンラーメンの特徴は、のちほど「世界各国のインスタントラーメンの特徴」で詳しくお伝えする。
3. 世界各国のインスタントラーメンの特徴

日本生まれのインスタントラーメンは、現在、それぞれの国の食文化と融合して、それぞれの国ならではのインスタントラーメンとして定着している。ここでは、世界各国のインスタントラーメンの特徴について紹介しよう。おのずと日本との違いが明確になるだろう。
韓国
1人当たりのインスタントラーメンの年間消費量がダントツ1位の韓国では、スープが真っ赤になるほど唐辛子が投入された辛いラーメンが主流となっている。スープは、ビーフやシーフードがとくに好まれているようだ。麺は、太めでモチモチした食感が好まれている。
インドネシア
ミーゴレンと呼ばれる焼きそばタイプが最も好まれている。味は、ベジタブルやチキンなどにチリを加えたスパイシーなものが好まれている。イスラム教徒が大半を占めるためポークは使用されず、イスラム教徒でも食べることができる食材を使用しているのも特徴。
アメリカ
チキン味が最も好まれている。麺をすする習慣がないので、短めの麺が特徴。さらに電子レンジ対応のものが人気のようだ。
ベトナム
フォーと呼ばれる米粉で作られた麺が人気。味は、トムチュアカイ味と呼ばれる海老の風味に辛みと酸味が加わったものが主流。朝食や夜食として食べられている。
結論
日本だけでなく、世界中で食べられているインスタントラーメン。それぞれの国の食文化に見事に溶け込んでいるようだ。今後も世界のインスタントラーメンの需要は加速度的に伸びていくと予想されている。このことは、日本人にとって大変に誇らしいことといえるだろう。
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