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お皿に盛られたレバー料理の写真

レバーの食べ過ぎはNG?牛・豚・鶏の違いと上手な食べ方を解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 鈴木亜子(すずきあこ)

鉛筆アイコン 2023年5月31日

「レバーを食べ過ぎてはいけない」「レバーの食べ過ぎは危険」といった情報を見聞きしたことがある方も多いのではないだろうか?本当にそうなのか、そうならなぜなのかなど、本稿ではレバーの食べ過ぎに関する危険性・リスクを解説する。レバーの豊富な栄養素や摂取量の目安、上手な食べ方などもお伝えするので、ぜひ参考にしてほしい。

  

1. 牛・豚・鶏それぞれのレバーの違い

レバーの写真
レバーとは「キモ(肝)」すなわち肝臓のことだが、牛・豚・鶏がありそれぞれ特徴がやや異なる。まずは三者の違いから簡単に説明しておこう。

牛レバー

豚や鶏と比べて柔らかく、味も濃厚だ。貧血に効果があるビタミンB12、抗酸化作用を持つビタミンEなどが豊富に含まれている。

豚レバー

牛と比べて弾力性がある。噛みごたえがあるので食べ過ぎを防ぎやすい。低脂肪かつ、たんぱく質や鉄分が豊富に含まれている。

鶏レバー

クセが少なく食べやすい。食感はしっかりしているので、食べ過ぎに注意しよう。ビタミンB1や葉酸などが豊富に含まれている。

2. レバーは栄養豊富な食材

器に盛られたレバー料理の写真
確かに食べ過ぎには注意したいのだが、レバーには健康維持に役立つ栄養も豊富に含まれている。

レバー100gあたりの栄養素一覧

  • 栄養素:牛、豚、鶏
  • エネルギー:132kcal、128kcal、111kcal
  • たんぱく質:19.6g、20.4g、18.9g
  • 脂質:3.7g、3.4g、3.1g
  • 炭水化物:3.7g、2.5g、0.6g
  • ナトリウム:55mg、55mg、85mg
  • カリウム:300mg、290mg、330mg
  • リン:330mg、340mg、300mg
  • 鉄:4.0mg、13.0mg、9.0mg
  • 銅:5.30mg、0.99mg、0.32mg
  • ビタミンA:1100μg、13000μg、14000μg
  • ビタミンB1:0.22mg、0.34mg、0.38mg
  • ビタミンB2:3.00mg、3.60mg、1.80mg
  • ナイアシン:13.5mg、14.0mg、4.5mg
  • ビタミンB6:0.89mg、0.57mg、0.65mg
  • ビタミンB12:52.8μg、25.2μg、44.4μg
  • 葉酸:1000μg、810μg、1300μg
  • パントテン酸:6.40mg、7.19mg、10.10mg
  • ビタミンC:30mg、20mg、20mg

ビタミンAが豊富

とくに多いのがビタミンAだ。目や皮膚の健康維持に必要な栄養素で、皮膚や粘膜を守り免疫を維持する効果が期待できる。1日の推奨摂取量が成人男性850〜900μg、成人女性650〜700μgなので、レバーにどれほど多くのビタミンAが含まれているのか、なんとなくお分かりいただけるのではないだろうか。

ビタミンB群や鉄も豊富

葉酸を含むビタミンB群、鉄をはじめとするミネラル類も多く含まれている。ビタミンB群は代謝に必要な酵素の働きを補う水溶性ビタミンで、食べ過ぎによる蓄積のリスクは低い。鉄は、貧血を防ぐために欠かせない栄養素だ。

たんぱく質が豊富でカロリー・糖質・脂質が低い

100gあたりのカロリーは111〜132kcal、たんぱく質は18.9〜20.4g、脂質は3.1〜3.7g、糖質(炭水化物)は0.6〜3.7gと、いずれも「少ない」といえる量だ。

3. レバーの食べ過ぎが「危険」といわれる理由

お皿に盛られたレバーの写真
レバーを食べ過ぎがよくないといわれる理由を解説していこう。

ビタミンAを過剰摂取するおそれがある

ビタミン類は積極的に摂取したほうがよいと思われがちだが、ビタミンAに限れば欠乏だけでなく過剰摂取も問題視されている。脂溶性ビタミンのため体内に蓄積されやすく、レバーを一度に食べ過ぎるとあっという間に過剰摂取するおそれがあるのだ。

ビタミンAの過剰摂取によるリスク・主な症状

短期間の過剰摂取では吐き気や頭痛、めまいや目のかすみなどが代表的な症状である。長期にわたって過剰摂取が続くと、中枢神経系への影響や肝臓の異常、骨や皮膚の変化など深刻な健康障害につながるおそれがある。子どもの場合、頭蓋内や骨格異常といったリスクも生じる。

妊婦さんもレバーの食べ過ぎに注意が必要

妊婦さんがビタミンAを過剰摂取すると、胎児の奇形のリスクが高まる。レバーの食べ過ぎやサプリメントによる摂取過多に注意し、適量を摂ることを心がけよう。

ビタミンA過剰摂取の原因はレバーやサプリメントがほとんど

栄養バランスの整った食事を心がけていれば、日常的な食生活でビタミンAを摂り過ぎることはない。だがレバーの食べ過ぎやサプリメントによる過剰摂取は決して珍しいことではなく、誰にでも起こりうるため注意が必要だ。

4. 食べ過ぎにならないレバーの「適量」とは

焼きレバーの写真
レバーをどれくらい食べると食べ過ぎになるか?その基準は人それぞれだ。目安としたいのが「日本人の食事摂取基準」である。ビタミンAについては推奨量と耐容上限量が示されている。

ビタミンAの推奨摂取量と耐容上限量

  • 推奨摂取量(成人男性):850〜900μg
  • 推奨摂取量(成人女性):650〜700μg
  • 耐容上限量(18歳以上の男女):1日当たり2700μg
推奨量は年齢により異なるが、このように摂取量目安量は耐容上限量よりもかなり少ないことが分かる。なお妊娠後期の女性は推奨量+80μg、授乳中の女性は+450μと示されている。

食べ過ぎにならないレバーの量

100gあたりのビタミンAは牛レバー1100μg、豚レバー13000μg、鶏レバー14000μgだ。たとえば鶏レバーなら20gで2800μg、すなわち過剰摂取になるため19g以下に留める必要がある。ほかの食品にも含まれるため、実際はより少量が望ましいだろう。

5. レバーの上手な食べ方

レバニラ炒めの写真
レバーをどのように食べると、ビタミンAの過剰摂取を抑えられるのだろうか?レパートリーはさまざまだが、一例を紹介しよう。

玉ねぎ・もやし・にんにく・ニラなどと一緒に炒める

たっぷりの野菜と炒めることで、たとえレバーが少量でも満足感を得られやすくなる。中でも、硫化アリルと呼ばれる辛味成分が含まれた玉ねぎ、にんにく、ニラなどと炒めるのがおすすめだ。もやしにはかさ増し効果もあるので、食べ過ぎを抑えやすい。なお硫化アリルには糖質をエネルギーに変えたり疲労回復をサポートしたりする効果が期待できる。

結論

レバーの食べ過ぎによる懸念点はビタミンAの過剰摂取である。とくに豚や鶏には大量のビタミンAが含まれているため、摂取量をきちんと考えることが大切だ。野菜などほかの食材と組み合わせてボリュームを出すと満足感が得られやすくなるだろう。
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  • 公開日:

    2021年5月 2日

  • 更新日:

    2023年5月31日

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