1. ぶぶ漬けとは?

ぶぶ漬けとは、「お茶漬け」を意味する京都弁のこと。京都人にとってぶぶ漬け(お茶漬け)は古くから身近な食事であり、記録によると江戸時代のころから商家などでは朝食や夕食としてぶぶ漬けを食べていたという。また、京都にはお茶漬けのお供となる漬物、塩昆布、ちりめんじゃこなども数多くある。なお、京都ではお茶漬けに緑茶、番茶、ほうじ茶などさまざまなお茶を使っているようだ。
ぶぶ漬けの「ぶぶ」とは?
ぶぶ漬けの「ぶぶ」とは、お茶やお湯を表す言葉である。語源は熱いお茶を「ふぅふぅ」と吹く擬声語とされている。京都の祇園花街では「茶を挽く」ということは「芸者が暇をしていること」を意味したため、「茶」という言葉を「ぶぶ(おぶ)」と表したと考えられているようだ。(※1)
2. ぶぶ漬け伝説とは何か?

ぶぶ漬け伝説とは、長居をする客に対して店員が「ぶぶ漬けでもどうどす?」と言葉をかける話のこと。これは字面通りに理解すると「お茶漬けでもいかがですか?」という意味だが、京都人特有の遠回しな言い方で「そろそろお帰りください」という意味があるという。しかし、実際にこのような言い回しをすることは珍しく、あくまでも伝説として語り継がれているに過ぎないようだ。(※2)
ぶぶ漬け伝説が有名な理由は?
京都の店員が「ぶぶ漬けでもどうどす?」と実際に使うことは少ないが、このような言い回しが有名になった理由は上方落語の演目「京の茶漬け」などが関係しているようだ。「京都の茶漬け」では冒頭に「何もおへんのどすけど、ちょっとお茶漬けでも?」と触れている。また、当然出すはずがないという説明もされており、客に対する社交辞令としてこのセリフを用いていることが伺える。
3. 「ぶぶ漬けでもどうどす?」の意味は?

「ぶぶ漬けでもどうどす?」にはさまざまな意味があり、本来は「何もないけれど、ぶぶ漬けでも食べてください」という控えめな優しさがあったと考えられている。また、帰りがけのお客にこの言葉をかけて「また今度ね」という返事をもらうことで、最後まで丁寧に対応したという意味にもなるようだ。そのため、そう単純に「そろそろお帰りください」という意味でとらえることはできない。
結論
ぶぶ漬けとは、京都で食べられているお茶漬けのことである。漬物、塩昆布、ちりめんじゃこといったぶぶ漬けに合うおかずも多くあるため、京都のぶぶ漬けは非常に美味しいという。京都に観光などに行った際には、お茶漬処に行ってぶぶ漬けを食べてみてはいかがだろうか。
(参考文献)
- ※1:レファレンス協同データベース「「ぶぶ漬け」などの「ぶぶ」の語源は何か。」
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000023735 - ※2:京都市「お茶漬け(ぶぶ漬け)」
https://ja.kyoto.travel/glossary/single.php?glossary_id=1272
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