1. 低糖質でない通常の食パンの糖質量は主食の中でも最多
通常の食パンの糖質量は、食パンの形状によって異なるものの、角形食パンの場合、100g当たり42.2g(文部科学省2020年版の食品成分データベース)になる。この値は、主食として用いられるごはんやうどん、そば、パスタなどの100g当たりの糖質量と比較した場合、最も多くなる。
ちなみに、100gあたりの糖質量は、ごはんが35.6g、パスタ(ゆで)が29.2g、そば(ゆで)が23.1g、うどん(ゆで)が20.3gになるので、いかに食パンの糖質量が多いかということがおわかりいただけるだろう。
食パン100gとは、ちょうど8枚切りの食パンが1枚当たり50gなので、8枚切りの食パン2枚分の重量になる。8枚切りの食パン1枚では物足りず、2枚を食べる人も多いのではないだろうか?
また、精製された小麦を原料に作られている通常の食パンは、糖質量だけでなく、GI値も極めて高い値になっている。GI値は、血糖値の上がりやすさを示し、血糖値をコントロールするために大変に重要な指数となる。糖質量やGI値の高さを考えると、 糖質制限中は、通常の食パンを食べるのは、やはり控えるべきかもしれない。
しかし、近年の高級食パンブームを受けて、食パンを好んで食べる人も多いだろう。無類の食パン好きの場合、糖質制限中に好きな食パンを我慢することは大変なストレスになるかもしれない。そこで、低糖質食パンの出番となる。
2. 低糖質食パンはなぜ糖質が少ない?
低糖質食パンは、その名の示す通り、通常の食パンに比べて糖質量が抑えられている食パンになる。もともと、糖尿病の治療などで、糖質制限されている人に、糖質制限中も、好きなパンを我慢せずに食べてもらいたいという理由から、開発された商品が多いようだ。
低糖質食パンと通常の食パンの違いは、原料に小麦ふすまが加えられている点になる。
小麦ふすまとは、小麦粉を作る過程で取り除かれる「小麦の皮」の部分のことで、「小麦ブラン」などとも呼ばれている。いわゆる米の場合の、「米ぬか」のようなもの。小麦ふすまには、糖質を含む胚乳が一切含まれていないため、同じ量の食パンの場合、原料に小麦ふすまを加えたもののほうが糖質量が少なめになる。
ただ、低糖質食パンの糖質量は、それぞれの商品によって異なる。そのため、低糖質食パンを選ぶ際には、事前に糖質量をチェックすることがポイントだ。
3. 市販の主な低糖質食パンについて
ここでは、スーパーや大手コンビニなどで入手できる市販の主な低糖質食パンとその糖質量について紹介していこう。
Pasco「低糖質ブラン食パン」
パンの人気ブランドPascoから販売されている、小麦ふすまを配合した低糖質食パン。1枚当たりの糖質量は、6.3g。さらに糖質制限中に不足しやすい食物繊維が1枚当たり8.2gも含まれている。
ローソン「ブラン入り食パン4枚入〜乳酸菌入〜」
大豆粉や小麦ふすまが使用されている食パン。しっとりした食感でマイルドな味わいが魅力。普通にトーストするだけでなく、サンドイッチなどにアレンジしても美味しいだろう。1枚当たりの糖質量は13.4gで、食物繊維は3.1g。
結論
注目度が増している低糖質食パンと、市販されている主な低糖質食パンについてお伝えした。糖質制限中に、食パンを食べたいのに我慢するのは、ストレスが溜まり精神衛生上好ましくない。低糖質食パンを上手に取り入れて、ストレスフリーで快適な糖質制限生活を送ってみてはいかがだろう。
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