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レバーの栄養成分や効果・効能を紹介!牛・豚・鶏で違いはある?

レバーの栄養成分や効果・効能を紹介!牛・豚・鶏で違いはある?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 佐々木倫美(ささきともみ)

鉛筆アイコン 2021年9月26日

「レバーは、栄養価が高い」こういったイメージは先行しているものの、実際にどんな栄養素が含まれているのか、実は詳しく知らない…そんな人も多いのではないだろうか。今回はそんなレバーについて徹底調査をしていく。レバーの種類、そして栄養価はもちろん、その効能や効率よく栄養を摂取する方法まで、レバーを隅から隅まで解説していこう。

  

1. レバーの種類

レバーとは、食肉の肝臓のことである。「栄養の宝庫」という別名がつくほど、栄養価が高いとされている部位である。ここでは、代表的な食肉のレバーについて、その特徴をまとめていきたい。

牛レバー

焼肉店でよく食べられているのが、この牛レバーだ。柔らかさと濃厚な味わいが特徴だ。以前は、レバ刺しとして販売されていたが、現在は法律により禁止されている(※1)。ほかのレバーに比べると臭みがあるので、しっかりと下処理をしたのち、レバニラやレバカツなど、味をしっかりと付けた料理にするのがおすすめだ。

豚レバー

弾力がある食感が特徴の豚レバーは牛肉同様、生食は禁止されているので、しっかりと火を通して食べることが求められる(※1)。こちらもしっかりと下処理をして、レバニラなどの炒め物や揚げ物にすると食べやすい。スパイスとの相性もいい。

鶏レバー

牛レバーと豚レバーに比べると臭みが少なく、食べやすいのが鶏レバーだ。まろやかな味わいで、きめ細かな舌触りが特徴なので、レバーペーストにも向いている。ハツ(心臓)とくっついた状態で、販売されていることも多い。

2. レバーの栄養素

とにかく栄養が豊富だとされているレバーだが、栄養素にもそれぞれ特徴がある。牛レバーは、ビタミンB1、B12が豊富だ。豚レバーは鉄分とたんぱく質が豊富で、低脂質である。鶏レバーはビタミンAや葉酸を豊富に含んでおり、3つの中ではもっともカロリーが低い。

牛レバーの栄養素(※2)

100gあたり
カロリー:119kcal
たんぱく質:19.6g
脂質:3.7g
ナトリウム:55mg
カリウム:300mg
マグネシウム:17mg
リン:330mg
鉄:4.0mg
亜鉛:3.8mg
ビタミンA:1100μg
ビタミンB1:3.00mg
ビタミンB2:3.00mg
ビタミンB12:53.0μg
葉酸:1000μg
コレステロール:240mg

豚レバーの栄養素(※3)

100gあたり
カロリー:114kcal
たんぱく質:20.4g
脂質:3.4g
ナトリウム:55mg
カリウム:290mg
マグネシウム:20mg
リン:340mg
鉄:13.0mg
亜鉛:6.9mg
ビタミンA:13000μg
ビタミンB1:0.34mg
ビタミンB2:3.60mg
ビタミンB12:25.0μg
葉酸:810μg
コレステロール:250mg

鶏レバーの栄養素(※4)

100gあたり
カロリー:100kcal
たんぱく質:18.9g
脂質:3.1g
ナトリウム:85mg
カリウム:330mg
マグネシウム:19mg
リン:300mg
鉄:9.0mg
亜鉛:3.3mg
ビタミンA:14000μg
ビタミンB1:0.38mg
ビタミンB2:1.80mg
ビタミンB12:44.0μg
葉酸:13000μg
コレステロール:370mg

3. レバーに含まれる栄養成分の効果と効能

レバーには、以下のような栄養成分がほかの食品と比較して多く含まれている。これらの栄養成分の身体への効果、効能についてまとめていこう。

ビタミンA

ビタミンAは、脂溶性ビタミンのひとつ。レチノール、レチナール、レチノイン酸を総称するものだ。そのほかβカロテンも体内で吸収される際、ビタミンAに変換される。目や皮膚を粘膜の健全な状態に保つことにとくに効果を発揮し、細胞の成長や分化とも深く関わりがある。レバーは、ビタミンA摂取には欠かせない食材でもある(※5、※6)。牛レバー、豚レバー、鶏レバーのなかでは、鶏レバーにもっとも多く含まれている。

鉄分

鉄分は、ご存知の通り、赤血球の材料になる栄養成分のひとつである。不足すると貧血になることでも知られており、牛レバー、豚レバー、鶏レバーのなかでは、豚レバーに非常に多く含まれている(※3)。また、全身に酸素を運ぶ役割も担っている非常に重要な栄養素でもある(※7)。

葉酸

「造血のビタミン」の異名をもつ葉酸は、妊婦や出産を希望する女性に必須のビタミンでもある。というのもDNAをはじめとする核酸やたんぱく質を作る作業を促すのだ。さらに細胞の分裂や成熟度にも大きく関わり、胎児の生育にも必要不可欠とされている(※8)。牛レバーと鶏レバーに比較的多く含まれている。

ビタミンB12

牛レバーと鶏レバーに多く含まれるビタミンB12は、血液製造に大きく関わる栄養素のひとつである。脂溶性ビタミンでその多くが、動物性食品に含まれている。(※9)

ビタミンB1/ビタミンB2

ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える働きを担う栄養素だ(※10)。こちらは牛レバー、豚レバー、鶏レバーのなかでは、牛レバーにもっとも多く含まれている。またビタミンB2は、脂質をエネルギーに変える働きを担う栄養素である(※11)。別名「発育のビタミン」とも呼ばれ、発育促進に大きな役割を果たす。牛レバー、豚レバー、鶏レバー、どれも多く含まれているが、豚レバーにもっとも多い。

たんぱく質

牛レバー、豚レバー、鶏レバーのなかでも豚レバーにもっとも多く含まれているたんぱく質は、アミノ酸が多数結合した化合物である。筋肉、臓器など、身体のベースを構成する要素としても知られている。体内生成できず、食事からの摂取が必要な必須アミノ酸と体内生成が可能な非必須アミノ酸に分けられる。動物性たんぱく質は、吸収率が高く、レバーもしかりだ(※12)。

4. レバーの食べ過ぎには注意が必要?

どんな食品であれ、過剰摂取は考えものである。とくにレバーは、栄養価が高いだけに注意が必要である。レバーの栄養素の中でもほかの食品と比べて、非常に多く含まれているのがビタミンAである。
100gあたり
牛レバー:1100μg(※2)
豚レバー:13000μg(※3)
鶏レバー:14000μg(※4)
これに対して成人の1日に摂取すべき量は以下のようである。
30~49歳の推定平均必要量(半数の人が必要量を満たす量)
男性:650μg
女性:500μg
30~49歳の推奨量(ほとんどの人が必要量を満たす量)
男性:900μg
女性:700μg(※5)
このように比較してみてもわかるように、牛レバー、豚レバー、鶏レバー、どのレバーでも100g食べると1日の必要量をオーバーしてしまう。ビタミンAは、脂溶性であり、過剰摂取すると健康被害の可能性を秘めている。症状としては頭痛が特徴的だが、そのほかにも多くの症状に繋がる危険性がある。(※5)

5. レバーの栄養を効率よく摂る食べ方

栄養豊富なレバーの栄養を効率よく身体に届ける方法がある。この食べ方を知っておくと一石二鳥だともいえそうだ。

レバニラは最強?

レバーのレシピとしてよく知られるレバニラは、とても理にかなったレシピだ。というのもニラやネギに含まれる硫化アリルは、ビタミンB2の吸収を助けてくれる効果があるのだ。レバニラが疲労回復効果があるとうたわれるのもこのためである。ただ、硫化アリルは水溶性なので、レバーはしっかり火を通し、野菜はさっと炒めるといい。(※13)

ビタミンCと一緒に食べる

レバーは、貧血と結び付けられることも多く、鉄分含有量が多い。とくに吸収率の高いヘム鉄が多く含まれているところも大きなポイントである。そんな鉄分はビタミンCとともに摂取するとさらに吸収率がアップする。ビタミンCが豊富な野菜と一緒に調理する、レモンなどの柑橘を絞ると効果的だ。

結論

レバーは、栄養が非常に豊富な食材である。であるがゆえ、食べ過ぎには注意が必要だともいえそうだ。牛レバー、豚レバー、鶏レバー、それぞれの特徴に合わせて調理するのがおすすめだが、どれも下処理をしっかりとすることで美味しさがぐんとアップする。栄養を上手に摂取できる食べ合わせを意識して食べるのもおすすめだ。
(参考文献)
※1出典:厚生労働省「食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/150602hp_1.pdf
※2出典:うし 肝臓 生|食品成分データ
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11092_7
※3出典:ぶた 肝臓 生|食品成分データ
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11166_7
※4出典:にわとり 肝臓 生|食品成分データ
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11232_7
※5出典:ビタミンAの働きと1日の摂取量|公益財団法人長寿科学復興財団
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-a.html
※6出典:ビタミンA|eJAM
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/13.html
※7出典:ミネラル成分と鉄分の働きと1日の摂取量|公益財団法人長寿科学復興財団
https://www.tyojyu.or.jp/et/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-tetsu.html
※8出典:葉酸の働きと1日の摂取量|公益財団法人長寿科学復興財団
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-yousan-biotin.h
※9出典:ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量|公益財団法人長寿科学復興財団
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-b6.html
※10出典:ビタミンB1の働きと1日の摂取量|公益財団法人長寿科学復興財団
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-b1.html
※11出典:ビタミンB2の働きと1日の摂取量|公益財団法人長寿科学復興財団
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-b2.html
※12出典:三大栄養素たんぱく質の働きと1日の摂取量|公益財団法人長寿科学復興財団
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tanpaku-amino.html
※13出典:簡単料理で健康に!|公益財団法人淀川勤労者厚生協会
http://www.yodokyo.or.jp/info/cooking_201804.html
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  • 更新日:

    2021年9月26日

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