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【金柑】の驚くべき効果とは?嬉しい栄養や美味しい食べ方も紹介

【金柑】の驚くべき効果とは?嬉しい栄養や美味しい食べ方も紹介

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2021年10月 1日

鮮やかなオレンジ色で小さな実が特徴の「金柑(キンカン)」は、のど飴の原料にも使われる柑橘類の一種だ。みかんなどほかの柑橘と比べるとあまりなじみがないが、さまざまな栄養素が含まれている。金柑とはどのような果物なのか、また栄養や効果効能、食べ方について解説していく。

  

1. 金柑の基本

金柑とはどのような果物なのだろうか。まずは味の特徴や種類、旬など基本的な情報を見ていこう。

金柑とは?

金柑は、ミカン科キンカン属の木に実る果実である。食用と鑑賞用があり、原産は中国だ。
果物として扱われている食用金柑は、皮ごと食べることができる。果肉には酸味があり、果皮は甘みとほろ苦さが感じられ、風味がよい。

金柑の種類

金柑にはさまざまな種類がある。代表的なものを紹介しよう。
  • 寧波金柑(ニンポウキンカン):円形~楕円形、重量12~16g。皮が薄く、風味がよい
  • 長寿金柑(福州金柑):サイズが大きめ ※加工用、鑑賞用
  • 長実金柑(長金柑):長楕円形 ※加工用、鑑賞用
  • 豆金柑(金豆):直径1cmほどの小さな金柑 ※鑑賞用
食用金柑の多くは寧波金柑で、江戸時代に中国から伝わったといわれる。ほか金柑は主にジャムなどの加工用に使われるが、甘みが強く生食しやすい金柑だ。

金柑の旬

最も味がよく多く出回る時期は、1月中旬~3月上旬である。金柑は温室、ハウス、露地で栽培されている。温室栽培のものは11月頃から収穫がはじまるが、ハウスと露地で栽培されたものは、1~3月にかけて収穫される。

金柑の選び方

鮮度がよく美味しい金柑を見極めるには、次の4つのポイントをチェックしよう。
  • 果皮の状態:ハリとツヤがあり、シワや傷がない(鮮度がよい)
  • 果皮の色:紅色気味の濃い橙色(濃い色のものは熟している)
  • 果実の重さ:しっかりと重みがある(持って重みを感じるものは水分量が多い)
  • ヘタの状態:鮮やかで枯れていない(収穫して日が浅く新鮮)

2. 金柑の栄養素やカロリー・糖質

金柑にはどのような栄養成分が含まれているのだろうか。「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(※1)より、金柑100gあたりに含まれる主な栄養素やカロリーについて紹介する。

生の金柑の栄養素

・タンパク質:0.5g

・脂質:0.7g

・炭水化物:17.5g(食物繊維:4.6、糖質:12.9g)

・ミネラル類

  • ナトリウム:2mg
  • カリウム:180mg
  • カルシウム:80mg
  • マグネシウム:19mg
  • リン:12mg
  • 鉄:0.3mg
  • 亜鉛:0.1mg
  • 銅:0.03mg
  • マンガン:0.11mg

・ミネラル類

  • ビタミンA:11μg
  • ビタミンE:2.8mg
  • ビタミンB1:0.10mg
  • ビタミンB2:0.06mg
  • ナイアシン:0.6mg
  • ビタミンB6:0.06mg
  • 葉酸:20μg
  • パントテン酸:0.29mg
  • ビタミンC:49mg

・カロリー:67kcal

ドライ金柑の栄養素

金柑はドライフルーツに加工して食べることもできるが、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」ではドライ金柑の栄養含有量が公表されていない。ちなみに市販品のドライ金柑は、食べやすくするために砂糖を添加したものが多く、炭水化物量に影響する。
参考までに、株式会社本気モード「ドライ蜜金柑」(※2)の栄養成分と100gあたりの含有量を紹介しよう。
  • タンパク質:0.3g
  • 脂質:0.6g
  • 炭水化物:82.8g
  • 食塩相当量:0.5g
  • カロリー:338kcal

3. 金柑の栄養素の効果効能

金柑にはさまざまな種類のビタミンやミネラルが含まれている。特徴的な作用をもつ栄養成分について、期待できる効果を紹介していこう。

ビタミンC

金柑100gあたりに49mg含まれるビタミンCは、水溶性ビタミンの一種である。抗酸化作用があり、活性酸素の発生や働きをおさえる役割をもつ。また、皮膚を健やかに保つために必要なコラーゲンの生成にも欠かせない栄養素だ。ほかにも、植物性食品からの鉄の吸収を促し貧血を予防する、免疫系の適切な働きを補助し疾病を防ぐなど、さまざまな効果が期待される。(※3)

ヘスペリジン

ヘスペリジンとは、柑橘類の果皮やじょうのう(袋)に含まれる成分で、ビタミンP(フラボノイド)の一種である。ビタミンCとともに働くポリフェノールで、毛細血管の強化や血流の改善をはじめ、さまざまな効果があるといわれる。
しかし、ヘスペリジンは水に溶けにくく体内での吸収率が低いため、吸収率を高めるために開発された「糖転移ヘスペリジン」が注目されている(※4、5、6)。

ビタミンE

金柑100gあたりに2.8mg含まれるビタミンEは、脂溶性ビタミンの一種である。ビタミンCと同様に抗酸化作用をもち、免疫機能を高める、血管の拡張を促し血液凝固を予防するなど重要な働きをする。さまざまな食品に含まれる栄養素のため、健常者が通常の食生活で欠乏症を招くことは稀である。(※7)

カルシウム

金柑100gあたりに80mg含まれるカルシウムは、ミネラルの一種である。骨や歯の形成や維持に欠かせない栄養素だ。さらに筋肉の運動や神経の伝達にも関わる。血液の流れ、ホルモンや酵素の放出を促す役割もある。ビタミンDとともに摂取することで吸収がよくなる。一般的に不足しがちな栄養素のため、積極的な摂取が推奨されている。(※8)

4. 金柑の栄養素の効果的な摂取方法

金柑に含まれる栄養素を効果的に摂取するためには、食べ方が重要である。おすすめの食べ方を紹介しよう。

生のまま食べる

金柑の栄養素を最も効率的に摂取できるのは、「生食」だ。とくにビタミン類は加熱調理により減少する。なかでもビタミンCは調理により損失されやすい栄養素で、加熱すると50%ほど失われてしまう。
最も栄養を失わないのは、皮ごとかぶりつく食べ方である。スライスしたものをサラダなどに加えてもよいだろう。また、ミキサーでスムージーやドレッシングに加工する方法なら、ビタミンCの残存率を70%ほどにおさえることができる。(※9)

金柑のハチミツ漬け

金柑の苦みが気になる場合は、ハチミツ漬けにする食べ方もおすすめだ。加熱調理よりも栄養が失われにくく、甘みが増してより食べやすくなる。ヨーグルトにトッピングするなど、ほかの食品と組み合わせることで、よりさまざまな栄養成分を同時に摂取できるというメリットもある。

金柑のジャム

大量に金柑を消費したい場合や保存したい場合におすすめである。金柑のジャムはマーマレードのような風味のため、料理にも使えて便利だ。
生食よりも栄養は損なわれてしまうが、金柑に含まれるビタミンB2、B6、ナイアシンは比較的加熱調理に強いことがわかっている。そのため、ジャムに加工する食べ方でも、ある程度の栄養素は摂取できる。加熱によるビタミンの減少をできるだけおさえるには、あまり長時間煮詰めずに作るとよい。(※9)

5. 金柑を食べる際の注意点

金柑を食べる量に関しては、2~3個程度であれば問題ないことがほとんどである。しかし人によっては、金柑を食べ過ぎると唇や口のなかが痺れることがあるため、注意が必要だ。もし金柑を食べていてピリピリしたり痺れを感じたりしたら、中断したほうがよい。栄養が豊富な金柑だが、美味しいと感じられる程度の量に留めておこう。
また、ドライ金柑やハチミツ漬け、ジャムなどの加工品は食べ過ぎると糖を過剰摂取することになる。生の金柑よりも糖分が多いため、糖質やカロリーの摂り過ぎにならないよう、少量ずつ食べたほうがよいだろう。

結論

金柑は、皮ごと食べられる小粒な柑橘類である。甘みとほろ苦さがあり風味がよいだけでなく、ビタミン類やミネラル類、食物繊維などさまざまな栄養素が含まれる。栄養成分を効率よく摂取するためには、まるごとかぶりつくのが一番だ。ただし食べ過ぎると口が痺れる可能性があるため、一度に食べるのは2~3個ほどにしておこう。大量に消費したい場合はジャムなどの保存食に加工し、少しずつ食べるのもおすすめである。
(参考文献)
※1出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」果実類/(かんきつ類)/きんかん/全果/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07056_7
※2出典:株式会社本気モード「ドライ 蜜金柑 850g」
https://www.honki-mode.co.jp/item/dried-fruit/food_item_h11000888.php
※3、7、8出典:厚生労働省eJIM『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
 ※3:ビタミンC
 https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/09.html
 ※7:ビタミンE
 https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/11.html
 ※8:カルシウム
 https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/01.html
※4出典:一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所「ビタミンP」
https://www.orthomolecular.jp/nutrition/vitamin_p/
※5出典:ヘスペリジン研究会「糖転移ヘスペリジンとは?」
http://www.ghes.jp/ghes/about_hesperidin/
※6出典:株式会社林原「柑橘由来のポリフェノール 糖転移ヘスペリジンの研究」ヘスペリジンとは?
https://www.hayashibara.co.jp/data/67/rd_tp_four/
※9出典:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「『健康食品』の安全性・有効性情報」ビタミンについて
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail178.html
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  • 更新日:

    2021年10月 1日

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