1. 米一合の重さは何グラム?

米を量る「合」という単位は、我々の食生活に密着しているとはいえ独特である。そもそも合は中国に起源をもつ単位で、升の10分の1の量を指す。米一合をテーマに、まずは数字でその重さを見てみよう。
炊飯前の白米や玄米の重さ
米一合の重さは、米の種類によっても微妙に異なる。白米ならば一合は150gである。一方、玄米の場合は一合156gとなる。ライサーや計量カップがない場合には、この数値をベースに米を炊けばほぼ一合と同量になる。
浸水させた米一合の重さ
米は炊く前に水に浸けることでより美味しくなる。その理由は、水分が米粒の芯にまで浸透することで炊飯後の米がふっくらするためである。通常は30分~1時間ほどを目安に浸水させるのがよいとされている。白米は、1時間浸水させたあとには重さが1.33倍になる。つまり、150gの一合の米は水に浸けたあとにはおよそ200gとなるのである。
米の計量カップは180ml
米一合を計量するカップは、180mlである。通常の計量カップが200mlであるから、米用のカップはまさに米に特化して誕生したものといって過言ではない。米の単位である合は体積を表現するものであるのに対し、グラムは重さを量ることを目的としている。そのため、180mlは180gとはなりえないこともよく覚えておこう。
2. 米一合の炊飯に必要な水の量

米一合を炊く場合の水分量は、たいていは炊飯器の釜部分に明記されている線を利用することが多い。しかし昨今は、炊飯器を使用しないで米を炊くケースも増えている。そのような場合、米一合に対してどのくらいの水を投入すべきなのだろうか。
米一合に対する水の量
炊飯器を使用する場合には、米一合に対する水の量を数字で意識することはない。あえて数字で明記すると、米一合に対する水の適量は200mlである。炊き上がりの米の硬い柔らかいという嗜好を考慮すると、水の量は米一合の150gに対して1.3~1.4倍が基本である。また、米の体積、すなわち180mlに対しては1.1~1.2倍の水分量というのが常識となっている。
無洗米一合に対する水の量
一人暮らしには利便性の高い無洗米。無洗米の特徴は、本来は米を研ぐことで削ぎ落とされる糠部分がすでに除去されている点にある。つまり、無洗米の場合は米本来の容量が通常の米より多いため、炊くための水の量も多めに設定する必要がある。炊飯器によっては無洗米の水の量が明記されている場合もあるが、計量する場合は米の量に対して1.45倍の水を加えるとよいだろう。
新米一合に対する水の量
新米の美味しさはそのみずみずしさにあるが、実際に新米には水分が多い。そのため、水分量も普通の白米より1割ほど減らすのが常識とされていたこともある。近年ではこうした水加減もする必要がないほど米の管理はしっかりしているので、あくまで好みの硬さのための水分量にこだわればよいということである。
もち米一合に対する水の量
もち米一合を炊く場合の水の量は、基本的に米一合に対して1.2倍である。つまり、もち米一合は水180mlを加えて炊くのが常識である。また、もち米は水の吸水率がよいため、浸水はさせる必要がない。
3. 炊き上がり後の米一合は何グラム?

炊き上がった米一合の重さがどのくらいであるのかも、普段はあまり気に留めることがない。生活習慣病などが気になる場合には、自分が口にする白飯の量を把握しておくのも無駄なことではない。炊き上がったご飯の量について見てみよう。
炊き上がりのご飯一合の重さ
浸水や炊飯によって膨らむ炊き上がりのご飯一合は、約330gとなる。つまり白米は、炊飯することで2.2倍に膨張するのである。一方玄米は、炊飯すると1.8倍に膨らむ。そのため玄米一合は、炊き上がり後には280gのご飯となる。
米一合はお茶碗だと何杯分?
330gの白飯を何人で食べるかは、家族構成やライフスタイルによるだろう。茶碗に盛ってみると、米一合分のご飯は何杯になるのか。茶碗に小盛りにした場合、ご飯は100~120gである。つまり、小盛りの場合は茶碗に3杯となる。ご飯の一般的な量である150gにすると、茶碗2杯分だ。食べ盛り仕様の大盛りにすれば、量は200~250gとなり茶碗1~1.5杯となる。
米一合はおにぎりだと何個分?
米一合分でご飯を炊くと、おにぎりはいくつできるのか見てみよう。市販のおにぎりの平均は100gほどであるので、この大きさで統一すれば米一合から3つのおにぎりができることになる。もちろん、家庭によっておにぎりの大きさは異なるからこれはあくまで目安である。
4. 米一合あたりのカロリーや糖質

炊き立てのご飯の美味しさはなによりの御馳走で、ついつい食べ過ぎてしまうことも多い。気になるのは、カロリーや糖質である。ご飯一合分のカロリーや糖質はどのくらいになるのか、その数字を見てみよう(※1・2)。
米は思いのほかカロリーも糖質もあるので、食べる際には注意が必要だ。
結論
米を計量する独特の単位「合」は、普段はあまりその実質的な重さについて考えることはない。しかし、炊飯器や計量カップがない場合には米一合分の重さや体積を熟知しておくと非常に便利である。米一合は、白米と玄米では微妙に異なるほか、炊く際の水の量も米の種類によって変わることもある。日本人の食生活に欠かせない米については、カロリーや糖質を頭に入れて適量を美味しく食べるようにしよう。
(参考文献)
1.文部科学省「食品成分データベース(穀類・こめ・水稲めし・精白米・うるち米)」
2.文部科学省「食品成分データベース(穀類・こめ・水稲めし・玄米)」
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