1. 未開封のえのきの賞味期限はどのくらい?

えのきはパッケージに賞味期限の記載がなく、日持ちが分かりづらい食品だ。なぜ表示されていないのかというと、賞味期限や消費期限の記載は加工食品につけられるものだと食品衛生法で定められており、えのきなどのきのこ類は野菜と同じ生鮮食品のため表示義務がないのである。
とはいえ、賞味期限が書いていないと食べられるかどうかの判断はしづらいもの。えのきはどの程度日持ちするのだろうか。えのきの賞味期限、保存方法を紹介しよう。
冷蔵庫でのえのきの賞味期限
えのきは低い温度で育てられるきのこのため、常温保存だとすぐに傷んでしまう。必ず冷蔵庫か冷凍庫で保存するようにしよう。
売られているパッケージのままだと、冷蔵庫に入れれば賞味期限は大体2~3日。袋の中の水分が劣化を早めるため、あまり日持ちはしない。もう少し長持ちさせたい場合は中身を取り出し、真空の保存袋に入れ替えよう。手間はかかるが1週間ほど日持ちするのでおすすめだ。
冷凍庫でのえのきの賞味期限
えのきは冷凍保存も可能で、日持ちは1ヶ月程度。きのこ類全般にいえることだが、凍らせると旨みがグンと増す。凍らせることでえのきの細胞壁が壊れ、旨み成分であるグアニル酸が増加するためだ。長期保存ができるため、安い時に買いだめをしておいてもいい。こちらは凍ったまま調理に使えて便利なので、ぜひおすすめしたい保存方法だ。だが凍らせ方によっては水分が出てべちゃっとした食感になってしまったり、味が落ちてしまったりすることもあるので正しい手順で保存するよう気を付けたい。
2. 開封後や調理後のえのきの賞味期限は?

開封してしまったえのきの賞味期限や加熱後のえのきの賞味期限はどのくらいだろうか。また、身体にいいといわれているえのき氷の作り方や賞味期限についても紹介しよう。
開封したえのきの賞味期限
料理に使った際、中途半端に余ってしまったえのきの賞味期限はどのくらいだろうか。開封したえのきも賞味期限は同じように2、3日。食品用保存袋に入れれば1週間程度だ。
残ってしまったえのきの水分を拭き取り、石づきを付けたまま冷蔵庫で保存するのがいい。一度にすべて使いきらないのであれば、料理の際に石づきを落としてしまわないように注意しよう。もしカットしてしまったのなら冷凍保存がおすすめだ。
加熱したえのきの賞味期限
味噌汁などで加熱したえのきの賞味期限はどうだろうか。冷蔵庫で保存すれば夏場なら2日、冬場なら3~4日程度日持ちするといわれているが、あまりおすすめはしない。必ず見た目やにおいを確認してから早めに食べきるようにしよう。どうしても保存したい場合は雑菌が繁殖しないように鍋ごと氷水に浸すなどして早めに冷まし、ふたをして冷蔵保存をするようにしよう。食べる前にはよく加熱することも重要だ。75℃で1分間以上加熱することで食中毒の原因菌を死滅させることができる。常温保存は絶対にNGだ。
えのき氷の賞味期限
えのき氷とは、えのきに水を加えてミキサーにかけ、鍋で煮込みペースト状にして凍らせたもの。カレーや煮込み料理の出汁代わりに凍ったままポンと入れて1日3個を目安に食べる。保存期間は約2ヶ月間だ。長持ちするので多めに作って作り置きしておくのもいい。キノコキトサンという栄養素が摂れて健康効果が期待できる(※1)。
3. えのきの賞味期限の見分け方

えのきを長持ちさせるためには、購入の際に新鮮なえのきをチョイスすることも重要だ。新鮮なえのきの特徴は、色が白くピンと張っており、かさの部分が小さめであまり開いていないこと。古くなると茶色くなり袋の中に水分が出てくるため、水っぽくなっているものは避けよう。この項目では、えのきが腐るとどのようになるのかなど、えのきの賞味期限を見極めるポイントや見分け方を説明する。
ぬめりで見分ける
古くなったえのきの表面にぬめりを感じたことはないだろうか。えのきは腐り始めるとぬめりが出てくる。生の状態でぬるぬるしているときは食べないのが無難だ。
えのきは通常でも加熱をすると強くぬめりが出る。水分が付着した部分が多少ペタペタする程度のぬめりなら問題はないが、糸を引くほどぬめりが強ければ賞味期限切れになっている可能性が高いので廃棄したほうがいいだろう。えのきはシャキッとした歯ごたえが特徴のきのこ。手触りが柔らかすぎるものも危険のサインだ。
においで見分ける
えのきの鮮度を確かめたいときは、においを嗅いでみるのが分かりやすい方法だ。えのきは腐ると酸味のあるにおい、もしくは生臭いようなにおいが発生する。明らかな異臭を放っている場合でなくても、少しでもにおいがおかしいと感じたら食べないほうが安心。すえたようなにおいを感じたら賞味期限切れのサインとみなし、廃棄したほうがいいだろう。食中毒の危険もあり、腹痛や下痢、発熱を引き起こす原因にもなるので食べるのはやめておこう。
色や見た目で見分ける
そのほか、えのきの腐敗による色や見た目の変化は以下のようなものがある。
- ふわふわとした綿のようなカビが生えている
- 石づきの部分に黒い点のようなカビが生えている
- えのきの色が黒い、もしくは茶色っぽく変色している
- 水分が抜けて乾燥している
このようなサインが出ていたら、食べずに処分したほうがいいかもしれない。購入するときもなるべく新鮮なえのきを選び、適切な方法で保存をし、腐る前に食べきるように気を付けたい。
4. えのきを長持ちさせる保存方法

冷蔵保存、冷凍保存、乾燥させて干しえのきにする方法など、えのきの保存方法のコツを紹介する。えのきを長持ちさせる保存方法はさまざまだが、目的に応じて使い分けて賞味期限内に食べるようにしよう。
えのきの冷蔵保存方法とコツ
えのきを冷蔵保存するときは、買ってきたパッケージから出して保存することをおすすめする。えのきは水分に弱く、そのままだと袋の中に水分がたまり劣化の原因になってしまう。冷蔵保存のやり方は簡単。
- 石づきは落とさず、キッチンペーパーで丁寧に水気を拭き取る
- 新聞紙かキッチンペーパーにくるむ。
- 食品用保存バッグに入れて野菜室で立てるようにして保存。
包んだキッチンペーパーが湿ってきたらこまめに替えるとなおよいだろう。
えのきの冷凍保存方法とコツ
えのきを冷凍保存する際は、以下の手順で行うといいだろう。
- 石づきを落とし、使いやすい大きさに手でほぐすかカットする。
- 食品用の保存袋に入れ、凍らせる。
この際、えのきを水で洗ってしまわないように注意しよう。水分がついてしまうと傷みが早くなるだけでなく、食感も悪くなってしまう。料理に使用する際は凍ったままで大丈夫。炒め物や味噌汁などに使用できる。使いたい分だけ使用できるので余らせることもなく便利な保存方法だ。賞味期限が長くなり使いやすいため、おすすめの方法だ。
えのきを乾燥させて保存する方法
えのきは干して乾燥させる方法もある。手間はかかるが長持ちするし、旨みもぐんとアップするのでぜひ試してみてほしい。
- 石づきを落とし、食べやすい大きさにほぐす。
- 重ならないように干し野菜用のネット、もしくはざるに並べる。
- 裏表を返しながら半日ほど天日干しをする。
- 水分が飛ぶまでフライパンで乾煎りする。
- 乾燥剤と一緒に密閉容器で保存する。
これで干しえのきの完成だ。そのままつまんでもいいし、スープや味噌汁の具など料理にも使える。水で戻してもいいが、そのまま刻んで出汁として使える。賞味期限は長く、半年ほど日持ちするので長く楽しめるだろう。
結論
えのきの賞味期限について、適切な保存方法や腐敗の見分け方などについて説明した。えのきは便利な食材だが、買ってきたものをただ冷蔵庫に入れておくだけでは足が早いのが難点だ。賢い保存方法で美味しくえのきを楽しもう。
(参考文献)
日本きのこ学会誌
この記事もCheck!