1. カルシウムの特徴や効果

カルシウムは骨を作る栄養素だと知っていても、実際のカルシウムの働きや効果までは詳しく知らない人もいるだろう。カルシウムの特徴や効果を詳しく見てみよう。
カルシウムの働きや効果
カルシウムは骨や歯を作るのに大切な栄養素だ。公益財団法人長寿科学振興財団(※1)によると、カルシウムは小腸で吸収されるがその吸収率は成人で20~30%と高くない。骨はだいたい3ヶ月のサイクルで骨へカルシウムなどが沈着し、骨からカルシウムが溶け出すを繰り返す。つまり、健康な骨を保つならカルシウムの形成量と吸収量を保つ必要があるのだ。
カルシウム不足の症状
カルシウムは、不足してしまうと骨や歯が弱くなってしまう。とくに幼児の際にカルシウムが不足すると発達障害が起こり成長が悪くなるのだ。さらにカルシウムが不足すると骨密度が低くなり、骨粗しょう症や筋肉の痙攣やてんかんを引き起こすことがある。
2. カルシウムの一日の摂取量の目安

カルシウムは、丈夫な骨や歯を保つためにも積極的に摂取したい。森永製菓株式会社(※2)によるとカルシウムは性別や年齢によって摂取量の目安が変わってくる。それぞれのカルシウムの一日の摂取量の目安を紹介しよう。
カルシウム摂取量の目安
- 8~9歳 男性650mg 女性750mg
- 10~11歳 男性700mg 女性750mg
- 12~14歳 男性1000mg 女性800mg
- 15~29歳 男性800mg 女性650mg
- 30~74歳 男性750mg 女性650mg
- 75歳~ 男性700mg 女性600mg
カルシウムは不足しやすい栄養素
カルシウムは日本人の食事で不足がちな栄養素だ。その理由は、カルシウムは便や尿とともに排出されてしまうからだ。つまり排出されやすい栄養素なので、毎日の食事で積極的に摂取するのがいいだろう。
3. おすすめはどれ?カルシウムの多い食品

カルシウムの多い食品といえば、牛乳を思い浮かべる人も多いだろう。牛乳ではどのくらいのカルシウムが摂取できるのだろうか?また、手軽にカルシウムを摂取できる方法についても紹介しよう。
吸収率もよく簡単に摂れるのが牛乳
- 牛乳100g 100gあたり110mg
- 低脂肪牛乳 100gあたり130mg
牛乳以外のカルシウムが摂れる食べ物
- チュダーチーズ100g 740mg
- カマンベールチーズ100g 460mg
- 煮干し100g 2200mg
- わかさぎ100g 450mg
- 塩昆布100g 280mg
サプリやお菓子も手軽に摂取できる
カルシウムの摂取はお菓子やサプリでも可能だ。カルシウムの不足が気になったら、カルシウムが入ったウエハースやせんべいを間食にしたり、サプリメントをプラスするのもいいだろう。
4. カルシウムを効果的に摂取する方法

カルシウムをより効果的に摂取するには、吸収率を上げる食べ物を知っておくといいだろう。逆にカルシウムの吸収の妨げる食べ物を知っておくことで、無駄なくカルシウムが取れる。
カルシウムの吸収率を上げる食べ物
一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所(※3)によると、カルシウムの吸収率を上げるには、CPPといわれるカゼインホスホぺプタイドや乳糖を一緒に摂取するといいだろう。さらにカルシウムの吸収には、ビタミンD3 やマグネシウム、胃酸も大切だ。
カルシウムの吸収を妨げる食べ物
カルシウムの吸収を妨げるのは、リン酸やシュウ酸、フィチン酸などだ。ほうれん草のアクにはシュウ酸が含まれているので、注意が必要だ。さらに加工食品や清涼飲料にはリンが多く含まれているものも多いのでチェックしてみるといいだろう。
マグネシウムも一緒に摂る
カルシウムを摂取する時は、マグネシウムも一緒に摂るのがおすすめだ。カルシウムとマグネシウムの比率が一定であるとより身体の調子を調えてくれる。カルシウムとマグネシウムの比率が2:1になるように摂取するのが理想的だ。
5. カルシウムの摂りすぎのリスク

株式会社ロッテ(※4)によると、カルシウムは通常の食事では過剰摂取になることは少ない。しかし過剰に摂取してしまうと、便秘や高カルシウム尿症、鉄や亜鉛の吸収障害、前立腺ガンなどの障害が起こることがある。
結論
カルシウムは丈夫な骨や歯を作るのに欠かせない栄養素だ。カルシウムを多く含む栄養を知ることで、より効率的にカルシウムを摂取しやすい。健康的な身体作りをするためにも、上手にカルシウムを食事に取り入れてみるといいだろう。
(参考文献)
※1 公益財団法人長寿科学振興財団
※2 森永製菓株式会社
※3 オーソモレキュラー栄養医学研究所
※4 株式会社ロッテ
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