1. 酒粕とは?

酒粕とは、清酒製造の圧搾という工程の後に残る搾りかすを指す。甘酒や漬物、鍋などの調味料として使われることがある。
酒粕はどうやってできる?
清酒製造で原料の米を発酵させるともろみになる。もろみを圧搾することで清酒の部分(液体)と搾りかす(固体)に分離して酒粕ができる。
酒粕にアルコールは含まれている?
酒粕には100gあたり8%のアルコールが含まれている。甘酒にした場合にも、1%未満の僅かなアルコールは残るので、お酒の弱い方は飲みすぎに注意しよう。
2. 酒粕の栄養成分

酒粕がどういうものか分かったところで、今度は酒粕の栄養成分を見ていこう。
タンパク質
酒粕には100gあたり14.9gのタンパク質が含まれている。タンパク質は三大栄養素のひとつで、筋肉や臓器など身体の基本的な部分を構成している栄養素だ。(※1)(※2)
葉酸
酒粕には100gあたり170μgの葉酸が含まれている。葉酸はビタミンの一種で、赤血球の形成を助ける働きがある。(※1)(※3)
ビタミンB群
酒粕にはビタミンB群が含まれれている。以下に酒粕100gあたりの含有量と主な働きを記載する。
- ビタミンB1...0.03mg/糖の代謝を助ける働きがある。(※4)
- ビタミンB2...0.26mg/新陳代謝を促進する働きがある。(※5)
- パントテン酸...0.48mg/エネルギーの代謝を助け、ストレスを軽減する効果がある。(※6)
- ビタミンB6...0.94mg/タンパク質の合成や分解を助ける働きがある。(※7)
ミネラル
酒粕にはミネラルも含まれている。以下に酒粕100gあたりの含有量と主な働きを記載する。
- 鉄...0.8mg/全身に酸素を運ぶ働きがある。(※8)
- 銅...0.39mg/体内酵素の正常な働きを助ける。(※9)
- カリウム...28mg/ナトリウムの排出を促す働きがある。(※10)
- カルシウム...8mg/歯や骨を作る働きがある。(※11)
3. 酒粕の効果

酒粕に含まれる栄養成分や働きが分かったところで、今度は酒粕の効果について見てみよう。
レジスタントプロテインとは?
酒粕に含まれるタンパク質のレジスタントプロテインには、コレステロールから作られる胆汁酸の排出を促す働きがある。そのため、血中のコレステロールを低減させる効果に期待ができるといわれている。(※12)
4. 酒粕の保存方法

酒粕を常温で保存する場合は、直射日光のあたらない冷暗所で保存するようにしよう。しかし、酒粕は時間がたつと熟成が進むので、冷蔵庫で保存する方が長持ちするのでおすすめだ。保存する際は保存袋に入れ、できるだけ空気を抜くようにしよう。
5. 酒粕を使った料理

酒粕の効果や保存方法が分かったところで、今度は酒粕を使った料理を紹介しよう。
酒粕鍋
酒粕鍋は野菜や鶏肉などを煮込み、味噌と酒粕、出汁で味付けをして作る。あっさりしているが、酒粕を使っているのでコクもあっておすすめ。
味噌汁
酒粕入りの味噌汁は、いつもの味噌汁に酒粕を入れるだけで簡単に作れる。身体が温まるので冬場におすすめだ。
スイーツ
酒粕を使ったスイーツの中では、チーズケーキがおすすめだ。酒粕は加熱するとクリームチーズのようなコクが出るので、チーズの代わりに使うことができる。
甘酒
甘酒は沸騰したお湯に酒粕と砂糖を溶かすだけで簡単に作れる。少量だがアルコールが残るので、飲みすぎや運転には注意しよう。
結論
酒粕とは清酒を製造する過程で分離した、搾りかすのことだ。しかし、タンパク質やビタミン、ミネラルなど豊富な栄養素が含まれている。また、味噌汁やスイーツなど、さまざまな料理に使うことができるのも魅力的といえる。この記事を読んで、酒粕を使う際の参考にしてはいかがだろうか。
(参考文献)
※1参照:文部科学省食品データベース 「調味料及び香辛料類/<調味料類>/(その他)/酒かす」
※2参照:わかさ生活 「たんぱく質(プロテイン)」
※3参照:わかさ生活 「葉酸」
※4参照::わかさ生活 「ビタミンB1]
※5参照:わかさ生活 「ビタミンB2]
※6参照:わかさ生活 「パントテン酸]
※7参照:わかさ生活 「ビタミンB6]
※8参照:わかさ生活 「鉄]
※9参照:わかさ生活 「銅」
※10参照:わかさ生活 「カリウム」
※11参照:わかさ生活 「カルシウム Ca」
※12参照:月桂冠総合研究所 「酒粕レジスタントプロテインの正体とは?
~血中コレステロール低減に寄与、にごり酒でも摂取可能~」
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