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ピーマンの効果や効能を紹介!色の違いで栄養素は変わる?

ピーマンの効果や効能を紹介!色の違いで栄養素は変わる?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2021年10月21日

かつては緑色一辺倒であったピーマン。現在は、パプリカと呼ばれる鮮やかな色合いのピーマンが普及して食卓を彩ってくれる。緑色のタイプの苦味を好む人もいれば、パプリカの甘みを愛する人もいるだろう。では、ピーマンは色によって含まれる栄養素が異なるのだろうか。本記事では、ピーマンと栄養について説明する。

  

1. ピーマンの色の違い

パプリカ
ピーマンは最もよく知られた緑色以外にも、パプリカと呼ばれるタイプの黄色や赤色が存在する。料理の映えもよくなるこれらのピーマンを便利に使う人も多いだろう。
ところで、こうしたピーマンの色の違いは、どこからきているのだろうか。実は緑色のピーマンは、熟す前の状態で収穫されている。つまり、緑色のピーマンを収穫せずに熟させれば、いずれは黄色や赤色に変わるのである。パプリカとして知られる品種はピーマンよりもサイズが大きいが、ナス科トウガラシ属であることは変わりない。
ピーマンが1950年代頃から日本に普及しはじめたのに対し、パプリカが広く知られるようになったのは、1990年代以降である。いずれにしても、緑色の未熟なタイプよりも赤く熟したもののほうが甘みが強いことは確かだ。

2. ピーマンの色と栄養成分

カラフルなピーマン
ピーマンは十把一絡げにして栄養素を語ることができない野菜である。その理由は、色によって含まれる栄養素の値が微妙に異なるからだ。では、どの程度の差異があるのか、含まれる栄養素とともに見てみよう。

βカロテン

まずは、βカロテンの量から見てみよう。文部科学省の食品成分データベースより、緑色、赤色、黄色の生のピーマン100g当たりのβカロテン当量をご紹介する。(※1・2・3)なお、ここでいう赤色や黄色のピーマンとは、いわゆるパプリカのことである。

【ピーマン100g当たりのβカロテン当量】

  • 緑色:400μg
  • 赤色:1100μg
  • 黄色:200μg
数字からは一目瞭然だが、赤色のピーマンのβカロテン当量が突出して多いことがわかる。

ビタミンC

ピーマンには美容と健康に寄与してくれるビタミンCも豊富である。色別にその含有量を紹介する。いずれも、生のピーマン100g当たりの数値である。(※1・2・3)

【ピーマン100g当たりのビタミンC量】

  • 緑色:76㎎
  • 赤色:170㎎
  • 黄色:150㎎
ビタミンCに関しても、赤色と黄色のピーマンの含有量が多いことがわかる。

ビタミンE

抗酸化作用をもつ栄養素として知られるビタミンEの数値は(※4)、以下のようになる。(※1・2・3)

【ピーマン100g当たりのビタミンE】

  • 緑色:0.8㎎
  • 赤色:4.3㎎
  • 黄色:2.4㎎
ビタミンEに関しても赤色のピーマンの数値が高い。

カリウム

体内の塩分量を調節してくれるカリウムも(※5)、ピーマンには豊富に含まれている。(※1・2・3)

【ピーマン100g当たりのカリウム量】

  • 緑色:190㎎
  • 赤色:210㎎
  • 赤色:200㎎

食物繊維

腸内環境を整えてくれる重要な栄養素(※6)、食物繊維の量はどうであろうか。(※1・2・3)

【ピーマン100g当たりの食物繊維量】

  • 緑色:2.3g
  • 赤色:1.6g
  • 黄色:1.3g
食物繊維に関しては、日本で最も一般的な緑色のピーマンの数値が最も高い。

ルテオリン

上記の栄養素のほか、ピーマンにはルテオリンというフラボノイドが含まれている。ルテオリンは抗炎症作用をもつ成分として知られており、ピーマンや春菊などに多く含まれている植物成分なのである。(※7)

3. ピーマンの栄養の効果・効能

赤ピーマン
ピーマンは、ビタミンをはじめさまざまな栄養素を持っている。日頃の食事メニューでもよく目にするピーマンは、食べることによってどんな効果や効能が期待できるのだろうか。多岐にわたる健康への効果を、ピーマンの栄養素とともに紹介する。

肌の健康を保つ

ピーマンは、体内でビタミンAに変換されるβカロテン、そしてビタミンCを豊富に有している。ビタミンAは皮膚の粘膜を健康に保つ働きを特徴としている。ビタミンAが不足すると、皮膚の乾燥を引き起こす可能性が高くなる。(※8)
また、ビタミンCはコラーゲンを生成するための必須成分であり、日焼けやメラニン色素の増加を抑止する効果が期待できる。(※9)いずれのビタミンにも老化を防ぐ抗酸化作用があるため、肌の健康の一助となるのである。(※4)

アンチエイジング

ピーマンに多く含まれるビタミン、AとCとEは抗酸化作用が強い栄養素とされている。(※4)体内でビタミンAに変換されるβカロテンは、抗酸化力の強さで知られているし、ビタミンCも活性酸素から細胞や組織を保護する働きを持っている。(※4)そしてビタミンEも、細胞の老化に拍車をかける過酸化脂質を抑制する作用がある。(※4)つまりこうしたビタミンによって、体内のさまざまな老化を防ぐことが可能になるのである。(※4)

生活習慣病の予防

ピーマンに含まれる栄養素には抗酸化作用があるが、これはなにも老化を防ぐだけではない。抗酸化作用を持つ栄養素は、動脈硬化や糖尿病を招く活性酸素の増加を抑制するといわれている。つまり、糖尿病に代表される生活習慣病を予防できる可能性があるのである。(※4)また、ピーマンに含まれる食物繊維は、腸内環境を整える働きがあるので、生活習慣病予防の一助となるとされている。(※6)

血管を健康に保つ

ビタミンEは体内に吸収されると、各器官に蓄積されて非常に強い抗酸化力を示す。(※10)この抗酸化力は血管にも及び、その健康を保つ働きを持っているのである。(※11)また、赤血球が破壊されるのを防ぐのにも有効である。(※11)

免疫力を整える

ピーマンに豊富に含まれるルテオリンは抗炎症作用を持ち、免疫力を整える働きをする。(※7)また、ビタミンCにも、かぜや病気に対する抵抗力を高める作用があるといわれている。(※9)

むくみ防止

ピーマンに含まれるミネラルのひとつ、カリウム。カリウムはナトリウムとともに、体内の浸透圧や水分の調節をつかさどっている。(※12)また、ナトリウムを過剰摂取した場合、その再吸収を妨げるのもカリウムである。(※5)カリウムが塩分を尿とともに排出することで、むくみの防止へと役立つのである。

おなかの調子を整える

食物繊維は、腸内環境を整える成分として近年ますます注目されている。大腸まで到達した食物繊維は、便通をよくするだけではなく腸内の掃除を請け負ってくれるのである。整えられた腸内では善玉菌が増えるので、健康への近道となる。(※6)また、食物繊維が多い食品には、歯ごたえが強いものもたくさんある。歯ごたえがある食品をしっかり噛むことは、満腹感を得ることにもつながるだろう。(※6)

4. ピーマンの効果的な食べ方

ガスパチョ
彩りの点でも申し分のないピーマンは、献立を考える際にもさまざまな形で応用できる。豊富な栄養を無駄にしない、効果的な食べ方は存在するのだろうか。いくつかのアイデアを紹介するので参考にしてほしい。

油で炒める

美容や健康のポイントともなるビタミンC。ピーマンにも含まれているビタミンCは、熱に弱いため調理によって損なわれることも多い。(※9)一方、ピーマンのビタミンCは、文部科学省の食品成分データベースを見てもわかるように、加熱後もその数値に大きな減少が見られない。これはピーマンがもつビタミンPの効果によるといわれている。そのため、ピーマンは食べやすいように油で炒めるとよいだろう。
ピーマン100g当たりのビタミンC量(※13)

【ピーマン100g当たりのビタミンC量(生:油いため)(※13)】

  • 緑色:76㎎:79㎎
  • 緑色:170㎎:180㎎
  • 緑色:150㎎:160㎎

スムージーで飲む

緑色のピーマンの苦味や、赤色のピーマンのボリュームが苦になる場合は、スムージーにして飲むという手がある。緑色のピーマンの場合は、バナナやミカンなどの甘みや酸味をもつ食材と一緒にジューサーにかけるとよいだろう。赤色や黄色のピーマンは甘みがあるため、さらに飲みやすい。玉ねぎやトマトを加えると、地中海風のガスパチョとなり食卓を豊かに彩ってくれるだろう。液体にすることにより、一定量が簡単に摂取できるのでおすすめである。

結論

緑色のピーマンは、我々の食卓に根づいた野菜である。近年は赤色や黄色のピーマン(パプリカ)も手軽に使用できるようになり、苦味だけではなく甘さも楽しめるようになった。ピーマンはその色によって栄養素の含有量が異なるが、いずれにしても健康のために役立つ食材であることに変わりはない。色彩や味わいを上手に利用して美味しく摂取してほしい。
(参考文献)
1.文部科学省「食品成分データベース(野菜類/(ピーマン類)/青ピーマン/果実/生)」
2.文部科学省「食品成分データベース(野菜類/(ピーマン類)/赤ピーマン/果実/生)」
3.文部科学省「食品成分データベース(野菜類/(ピーマン類)/黄ピーマン/果実/生)」
4.公益財団法人長寿科学振興財団「抗酸化による老化防止の効果」
5.公益財団法人長寿科学振興財団「カリウムの働きと1日の摂取量」
6.公益財団法人長寿科学振興財団「食物繊維の働きと1日の摂取量」
7.公益財団法人長寿科学振興財団「フラボノイドの種類と効果と摂取量」
8.公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンAの働きと1日の摂取量」
9.公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンCの働きと1日の摂取量」
10.森北出版「デジタル化学辞典(ビタミンE)」
11.公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンEの働きと1日の摂取量」
12.小学館「日本大百科全書(カリウム)」
13.文部科学省「食品成分データベース(野菜類/(ピーマン類)/)」
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  • 更新日:

    2021年10月21日

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