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ししとうの栄養とその効果を解説!効率よく栄養がとれる調理法も紹介

ししとうの栄養とその効果を解説!効率よく栄養がとれる調理法も紹介

投稿者:ライター 井澤佐知子(いざわさちこ)

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2021年10月28日

夏の食卓のよきアクセントとなってくれるししとう。大人になってししとうを愛するようになった人も多いに違いない。天ぷらにしても煮つけても美味しいししとうには、どんな栄養が含まれているのだろうか。本記事ではししとうの栄養を、効率のよい栄養摂取法とともに紹介する。

  

1. ししとうの主な栄養素

見た目もみずみずしく、夏の食欲をかきたててくれるししとう。ししとうに含まれる栄養成分とその効能についてみていこう。ししとうは辛みがあるために生で食べることは少ないが、参考までに生と加熱後の栄養成分の数字をあげておく。(※1、2)

ししとう100g当たり

・油いため
  • β-カロテン 540μg
  • ビタミンC 49mg
  • カリウム 380mg
  • マグネシウム 21mg
  • ビタミンK 52μg
  • 葉酸 34μg
  • 食物繊維 3.6g
・生
  • β-カロテン 530μg
  • ビタミンC 57mg
  • カリウム 340mg
  • マグネシウム 21mg
  • ビタミンK 51μg
  • 葉酸 33μg
  • 食物繊維 3.6g

β-カロテン

ししとうに含まれる栄養素の中でもっとも目立つ数値を誇るのがβ-カロテンである。β-カロテンは体内に入った後、小腸でビタミンAへと変換される。ビタミンAは目や皮膚の粘膜を保護することで知られるほか(※3)、抗酸化作用があることでも知られている。(※4)

ビタミンC

ビタミンCは人間の体内で生成できない栄養素である。ししとうの油いため100g中には実に49mgのビタミンCが含まれている。ビタミンCはコラーゲンの合成に必要な成分であり、ストレスや風邪から体を守る効能もある。(※5)成人男性が1日に摂取すべきビタミンCの推奨量は100mgとなっている。ししとうの油いため100gで、およそその半分が摂取できる計算となる。

カリウム

人間の体内において、カルシウムとリンなどと並んで比較的多く存在するミネラルがカリウムである。カリウムはナトリウムとのバランスが重要であり、塩分という形でナトリウムを過剰摂取した場合には、カリウムを多く含んだ野菜を食べるのがおすすめだ。(※6)成人男性ならば、1日に2500mgのカリウム摂取が目安とされている。ししとうの油いため100gには380mgのカリウムが含まれている。

カプサイシン

カプサイシンというのは、トウガラシなどの辛みのもととなる成分である。トウガラシの1変種であるししとうには、通常はカプサイシンがほとんど含まれない。しかし栽培状況によっては、かなり多くのカプサイシンが含まれることもある。カプサイシンを摂取することで神経が刺激され、発汗が起こるといわれている。(※7)

2. ししとうの栄養から期待できる効能

ししとうには積極的に摂取すべき栄養素が豊富に含まれている。ししとうの栄養素をとり入れることで、どのような効果が期待できるのだろうか。ししとうが美容や健康にもたらす効能を説明する。

肌の健康を守る

ししとうに含まれるビタミンCと体内でビタミンAとなるβ-カロテンは、肌の健康を守る栄養素である。いずれのビタミンにも、抗酸化作用が認められる。(※4)ビタミンAが目によいことはよく知られているが、同時に皮膚の粘膜も保護する働きがあるのである。(※3)ビタミンCは毛細血管や歯の健康の一助となり、さらに皮膚内のメラニン色素を抑える効果もあるのである。(※5)

むくみ防止

カリウムはナトリウムとコンビで、心臓や筋肉の機能を調節している。塩分の摂りすぎで翌日指や足にむくみを覚える経験は誰にでもあるだろう。カリウムは、腎臓が吸収しようとするナトリウムを抑制し、尿とともに体外へ排出する働きをしている。そのため、塩分過剰摂取によるむくみを予防できるのである。(※6)

ストレス解消や疲労回復

ししとうに含まれるビタミンC。ビタミンCの不足は、貧血などを誘発する可能性もある。(※5)また、イライラや顔色の悪さも、ビタミンC不足によって生じるケースがある。血管や筋肉を健全に保つため、ストレスや病気に対する抵抗力を高めるためにビタミンCを積極的に摂取してほしい。(※5)
また、ししとうには、疲労回復に効果があるとされるビタミンB1も比較的多く含まれている。ビタミンB1は水溶性ビタミンとして知られており、糖質の代謝には欠かせない栄養素だ。(※8)

3. ししとうの栄養を効果的にとり入れる調理法

ししとうには想像以上の栄養が含まれていると実感した方も多いだろう。これらの栄養を効果的に摂取するためには、ししとうをどのように食せばよいのだろうか。いくつかの例を挙げて紹介する。

油との組み合わせ

ししとうの栄養のなかでも、その量の多さで突出しているβ-カロテン。抗酸化作用を期待したいβ-カロテンは、生のままよりも油で炒めて加熱したほうが、効率よく吸収できることがわかっている。(※4)子どもたちも食べやすいように豚肉などと炒めると、夏バテ予防の一品として役に立ちそうである。ししとうの食感を生かして、短時間で炒めるとさらに美味しいだろう。

生で食べる

ししとうにはビタミンCも含まれている。ところがこのビタミンCは熱に弱く分解されやすいという性質を持っている。(※9)そこでししとうのビタミンCを十分に摂取するために、生食するというのもおすすめだ。トウガラシの1変種であるししとうは、生で食べると苦みがあり多少辛いと感じることもある。しかし、韓国では生のししとうを肉料理の付け合わせとして供することもあるほどで、生食でも問題ない。小さめに切ったししとうをパスタに絡めたり、味付けのソースに混ぜたりして上手に食べてみてほしい。

結論

夏の食卓を彩ってくれる野菜のひとつ、ししとう。ししとうには、非常に多くのビタミン類が含まれており、夏のスタミナ源となってくれる。ししとうに含まれるβ-カロテンは、油で炒めて食べることでより効率的に摂取できるだろう。また、生で食べれば、美容にも有効なビタミンCがより摂取できる。さまざまなバリエーションでししとうを楽しんでほしい。
(参考文献)
1.文部科学省「食品成分データベース(野菜類/ししとう/果実/油いため)」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06094_7
2.文部科学省「食品成分データベース(野菜類/ししとう/果実/生)」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06093_7
3.公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンAの働きと1日の摂取量」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-a.html
4.公益財団法人長寿科学振興財団「抗酸化による老化防止の効果」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka-yobou/kousanka-zai.html
5.公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンCの働きと1日の摂取量」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-c.html
6.公益財団法人長寿科学振興財団「カリウムの働きと1日の摂取量」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-k.html
7.公益財団法人長寿科学振興財団「運動の良い汗と悪い汗」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/undou-shougai/undou-ase.html
8.わかさ生活
https://himitsu.wakasa.jp/contents/vitamin-b1/
9.小学館「デジタル大辞泉(ビタミン・シー)」
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  • 更新日:

    2021年10月28日

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