目次
- 18歳~29歳:7.5㎎
- 30歳~49歳:7.5㎎
- 50歳~64歳:7.5㎎
- 65歳~74歳:7.5㎎
- 75歳以上:7.0㎎
- 18歳~29歳:10.5㎎:6.5㎎
- 30歳~49歳:10.5㎎:6.5㎎
- 50歳~64歳:11.0㎎:6.5㎎
- 65歳~74歳:-:6.0㎎
- 75歳以上:-:6.0㎎
- 初期:2.5㎎
- 中期:9.5㎎
- 後期:9.5㎎
- 豚レバー:13.0㎎
- 鶏レバー:9.0㎎
- 牛ヒレ肉:2.8㎎
- カツオ:1.9㎎
- マイワシ(丸干し):4.4㎎
- パセリ:7.5㎎
- カブの葉:2.1㎎
- コマツナ:2.8㎎
- きな粉:8.0㎎
- 乾燥ヒジキ:58.0㎎
1. 鉄とはどんな栄養素?

鉄分と呼ばれることも多い鉄は、人間の生命維持に欠かすことのできない必須ミネラルのひとつである。(※1)英語では「iron」、元素記号は「Fe」だ。まずはその詳しい働きを学んでいこう。
鉄の働きや効果
鉄は成人の体内に、3~5g存在すると言われている。そのおよそ70%は血液中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンにあり、残りの30%は肝臓や髄液などに貯蔵されている。血液中の鉄は、酸素運搬に欠かせない存在で、これが不足すると貯蔵されている鉄が使われるのだ。
鉄不足の症状
鉄が欠乏すると鉄欠乏性貧血、いわゆる貧血を引き起こす。症状としては集中力が低くなる、頭痛、食欲低下などが挙げられる。疲労感を感じることも少なくない。(※1)
2. 鉄の種類と特徴

一口に鉄といっても、栄養素としての鉄は大きく分けて2種類ある。肉や魚に多く含まれているのがヘム鉄、野菜やフルーツに多く含まれているのが非ヘム鉄だ。それぞれの特徴を見ていこう。
ヘム鉄
ヘム鉄は、動物性食品に多く含まれている鉄である。鉄は腸で吸収されるが、ヘム鉄は吸収率が高いとされている。これはタンパク質に包まれた状態、結合している状態であることがひとつの要因だ。そのままの形で体に吸収されるため、吸収率が高い。
非ヘム鉄
非ヘム鉄は、野菜や果物に多く含まれている鉄である。非ヘム鉄は、ヘム鉄に比べると吸収率が低い。非ヘム鉄はそのままの形では体に吸収されないため、どうしても吸収率が下がってしまうのだ。
3. 一日の鉄の摂取量の目安

鉄は体に必要な栄養素であるが、不足しやすいとも言われている。ここでは一日に摂取するべき鉄の量をおさらいしていこう。
また鉄に限ったことではないが、栄養素には摂取の目安となる量が存在する。これは、年齢や性別などによって異なる。また妊娠中の人や月経の有無など、一般的な量より多くの鉄が必要だとされる場合もある。
【男性の鉄分摂取推奨量】
【女性の鉄分摂取推奨量(月経あり:月経なし)】
【妊娠中の付加量】
(※2)を参考に算出
4. 鉄分を多く含む食べ物

ここからは実際、どんなものを食べれば鉄を摂取できるのかを知るために、鉄の多い食品について学んでいこう。
鉄の多い食品一覧
【ヘム鉄を多く含む食品(100gあたり)】
【非ヘム鉄を多く含む食品(100gあたり)】
サプリや栄養補助食品もおすすめ
食事で摂取できない場合は、サプリメントや栄養補助食品で取り入れるのもひとつのやり方だ。ウエハースのように、お菓子感覚で食べることのできるものもある。
ただし、何事もやりすぎは禁物である。鉄を過剰摂取すると鉄沈着症などを引き起こすこともあるという。サプリメントの過剰摂取は、便秘や胃の不快感を起こすこともあるというので、適量を守ることが重要だ。(※3)
5. 鉄の効果的な摂取方法

不足しがちな鉄を、より効率よく摂取する方法はないのだろうか?ここでは摂取する際、気をつけるところを学んでいこう。
ビタミンCと一緒に摂る
非ヘム鉄は吸収されにくいと記載したが、その手助けをしてくれるのがビタミンCだと言われている。このため、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まるとされているのだ。
食後のタンニンを控える
コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるタンニンは、苦味のもととも呼ばれる存在だ。鉄と結合すると残念ながら吸収を阻害しかねない。鉄を意識しているときは、食中、食後ともにタンニンを控えることをおすすめする。
鉄鍋を使う
ひじきに含まれる鉄の量を、ステンレス釜と鉄釜で比較すると大きな違いが出る。その違い、なんと9倍!このことからもわかるように鉄鍋で調理をすることで、鉄がアップするのだ。鉄のフライパンでも同じ効果があると考えられている。鉄不足が気になる人は、ぜひ取り入れてみてほしい。
よく噛んで食べる
鉄に限ったことではないが、ゆっくりよく噛んで食べることは、栄養の消化吸収に大きな役割を果たす。胃酸や唾液の分泌を促し、鉄の吸収にも一役買ってくれる。
結論
鉄とは、体に必要なミネラルのひとつ。日本人は鉄不足の人が多いとされていることもあり、意識して摂取したい栄養素でもある。鉄が多く含まれている食品をバランスよく食べること、さらにサプリメントを上手に活用するのもいいだろう。また吸収されにくい非ヘム鉄は、工夫をしながら食べると吸収率が上がりそうだ。
(参考文献)
※1出典:鉄|eヘルスネット
※2出典:日本人の食事摂取基準(2020 年版)|厚生労働省
※3出典:ミネラル成分の鉄分の働きと1日の摂取量|鉱石財団法人長寿科学復興財団
※4出典:豚 肝臓 生|食品成分データベース
※5出典:鶏 肝臓 生
※6出典:うし[輸入牛肉] ヒレ 赤肉 生|食品成分データベース
※7出典:かつお 秋穫り 生|食品成分データベース
※8出典:まいわし 丸干し|食品成分データベース
※9出典:パセリ 葉 生|食品成分データベース
※10出典:かぶ 葉 生|食品成分データベース
※11出典:こまつな 葉 生|食品成分データベース
※12出典:きな粉 黄大豆 全粒大豆|食品成分データベース
※13出典:ひじき ほしひじき 鉄釜 乾|食品成分データベース
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