目次
1. 白砂糖を止めたい!体に優しい白砂糖の代用品7選

厚生労働省によると、過剰な白砂糖の摂取は虫歯や生活習慣病などを誘発する危険があるという。世界保健機構も虫歯予防にとどまらず肥満の防止のためにも、砂糖摂取量のコントロールは必須と主張している(※1)。健康のため、白砂糖の代わりになるものを見つけて食生活に取り入れてみよう。そのいくつかの例を紹介する。
砂糖の代用品1:黒砂糖
黒砂糖は、サトウキビのしぼり汁を煮詰めたのち固形化したものを指す。糖蜜であることから特有の香りがあり、日本では沖縄を中心に生産されている。渋みを感じることもあるが、サトウキビのミネラルや栄養分がそのまま凝縮している点が、白砂糖とは異なる(※2,3)。こうした風味が苦手な場合は、白砂糖の量を減らして黒糖を足すという手もある。菓子を作る際にも、カルシウムをはじめとするミネラルが含まれる点がメリットである。ただし、黒糖の色は料理や菓子の仕上がりに影響することを覚えておこう。
砂糖の代用品2:甜菜糖
甜菜とはサトウダイコンであり、ビートとも呼ばれる。サトウキビと並んで甜菜は、砂糖のための二大原料とされている。甜菜にはオリゴ糖やミネラルが含まれており(※4)、その味わいもまろやかである。薄い茶色が特徴であり、この色が料理にも反映される点が白砂糖とは異なる点である。
砂糖の代用品3:みりん
みりんは、もち米や焼酎を原料に作られる甘い酒である。砂糖とは原料を異にするだけに、甘さの質は異なる。みりんの甘さは奥の深さがあり、それがコクとなって料理に影響する。また、粉状の砂糖と違い、みりんは液体である。砂糖と同じ甘さにするには、3倍量のみりんが必要であることを覚えておこう。
砂糖の代用品4:メープルシロップ
メープルシロップは、サトウカエデの樹液から作られる甘味料である。価格は高いものの、メープルシロップにはカルシウムやマグネシウムなどの豊富なミネラルのほかに(※5)、抗酸化作用で知られるポリフェノール(※6)が含まれている。また、甘味料のなかではカロリーが低い。(※5)料理や菓子に使用可能である。
砂糖の代用品5:はちみつ
白砂糖の代用としてまっさきに頭に浮かぶはちみつ。はちみつは砂糖よりも強い甘みが特徴である。煮物やお菓子に砂糖の代用として使用できるが、種類によっては独特の臭いが気になることもあるだろう。カロリーは砂糖より低いが(※7)、GI値は製品によって異なるため注意が必要である。
砂糖の代用品6:ココナッツシュガー
ココヤシの樹液から作られる甘味料がココナッツシュガーである。ココナッツシュガーは、ミネラルとともに繊維質が含まれているのが特徴である。まろやかな甘さはともかく、この繊維質の食感が向かない料理もある。ココナッツシュガーは低GIであるというメリットもある。
砂糖の代用品7:甘酒
甘酒は、白米や米麹を使用して発酵させて作る飲み物である。カロリーは白砂糖より低く、ミネラルやビタミンB群を含んでいるのが長所といえる(※8)。葉酸や食物繊維も含まれる甘酒は(※8)、肉の下味として役に立つだろう。
2. 低カロリーなのは?ダイエットに役立つ白砂糖の代用品3選

白砂糖の摂取量を減らすことは、ダイエットにつながるだけではない。適正な量の糖分の摂取を推奨するロカボ、糖質制限、糖質オフの食品や料理の積極的摂取によって、血糖値の急上昇を抑えられる(※9)という大きなメリットがあるのである。血糖値や血圧の改善にもつなげる(※9)ために、砂糖の代わりとなる有益な代用品を紹介する。
砂糖の代用品1:ラカント
ラカントはサラヤから販売されているナチュラルな甘味料である。ラカントは、中国の桂林にだけ自生するといわれるウリ科の羅漢果を原料に作られている。羅漢果のエッセンスに加え、とうもろこしの発酵から得られるエリスリトールが甘みの素となる。ラカントは、砂糖と同様で同じ甘さを味わえるにもかかわらず、カロリーはゼロというのが最大のメリットである。加熱しても甘さは損なわれないため、さまざまな料理に活用できるのである。ダイエットのためにも最高の甘味料といえるだろう。
砂糖の代用品2:エリスリトール
エリスリトールも、ラカント同様にカロリーゼロの甘味料である。エリスリトールとは、緑藻や菌類に存在する物質で、砂糖の約2倍の甘さを有しているとされている。甘味料として製品化されているエリスリトールは、ブドウ糖の発酵から作られる。カロリーがゼロであることに加え、ひやっとする冷感があるのも特徴である。エリスリトールは、ジャムや飲料によく用いられている。
砂糖の代用品3:オリゴ糖
砂糖の代用品としてよく耳にするオリゴ糖については、さまざまな商品が販売されている。オリゴ糖とはそもそも、2~10個の単糖がグリコシド結合によって結ばれた糖を指す。天然に属しているオリゴ糖の種類は少なく、そのほとんどが複合糖質である。大豆や乳糖を使用して作られる製品は、ビフィズス菌を増やす効果があることで知られている。腸内環境を整えて便秘予防につなげられる可能性もある。(※10)
3. いろいろな砂糖の代用アイデア

砂糖は健康のためにその摂取量を減らすだけではなく、切らしてしまった場合にも代用品を使う必要がある。食品庫を覗けば、砂糖の代用として使えそうな食材が見つかるかもしれない。それぞれのタイプの砂糖の代用品について、いくつかの例を見てみよう。
粉砂糖の代用アイデア
その名の通りしっとりとした粉状の粉砂糖は、お菓子を作った場合の仕上げに使用すると見栄えがよくなる。粉砂糖を切らしてしまった場合は、自宅にあるグラニュー糖や上白糖に一工夫すれば代用可能である。これらの砂糖を、フードプロセッサーやミキサーにかけてよく混ぜる。中身の状態を確認しながら繰り返せば、最終的にあのしっとりとした粉砂糖の状態になるのである。
この記事もCheck!
きび砂糖の代用アイデア
きび砂糖は、白砂糖と比較するとミネラルを含んでおりコクがある。色もわずかに茶を帯びている。しかしこれらのことに目をつぶれば、きび砂糖の代用は通常の白砂糖で問題ない。同量の砂糖の量を、料理やお菓子に使用できる。多少コクが欠けるものの、甘さは変わりなく完成する。
グラニュー糖の代用アイデア
グラニュー糖は、砂糖の結晶が小さいタイプを指す。純度が高いため、菓子や料理に便利に使うことができる砂糖である。グラニュー糖が家にない場合は、少し甘みが強い上白糖でも代用できる。上白糖は焦げやすいという点だけ注意が必要である。煮物にする場合は、きび砂糖や三温糖でも問題ない。菓子に使う場合には、これらの砂糖の色が反映してしまうこともある。はちみつも、その香りや強い甘みに注意すればグラニュー糖の代わりとして使用できるだろう。
この記事もCheck!
ヨーグルトの砂糖の代用アイデア
かつてはヨーグルトに添付されていた砂糖を覚えている人は多いだろう。ヨーグルトに投入していたあの砂糖は、冷水でも溶けるフロストシュガーである。2000~2010年頃、これらの砂糖は姿を消した。理由は、各社が行った調査でヨーグルトがデザートから健康食品へとイメージを変え、砂糖の必要性を消費者が感じなくなったためであるという。とはいえ、酸味の強いヨーグルトに甘みを加えたい人もいるかもしれない。その場合には、蜂蜜やジャム、スティックシュガーで代用できる。
結論
我々の食生活には糖質があふれているためか、健康を害する悪者扱いされることが多い。しかし糖質は、健康を維持するために適量は必須の成分である。正しい量を正しく摂取するために、砂糖の代用となる手段も覚えておくとよいかもしれない。思いのほかたくさん存在する砂糖の代替品は、用途や状況に応じて使い分けてほしい。
(参考文献)
1.厚生労働省「甘味(砂糖)の適正摂取方法」
2.文部科学省「食品成分データベース(糖及び甘味類/(砂糖類)/ざらめ糖/グラニュー糖)」
3.文部科学省「食品成分データベース(砂糖及び甘味類/(砂糖類)/黒砂糖)」
4.文部科学省「食品成分データベース(砂糖及び甘味類/(砂糖類)/てんさい含蜜糖)」
5.文部科学省「食品成分データベース(砂糖及び甘味類/(その他)/メープルシロップ)」
6 厚生労働省「抗酸化物質」
7.文部科学省「食品成分データベース(砂糖及び甘味類/(その他)/はちみつ)」
8.文部科学省「食品成分データベース(し好飲料類/<その他>/甘酒)」
9.一般社団法人 食・楽・健康協会「ロカボとは」
10.公益財団法人長寿科学振興財団「生活習慣で乱れた腸内環境を整える方法」
この記事もCheck!