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βカロテンの効果やビタミンAとの違い|過剰摂取のリスクなし?

βカロテンの効果やビタミンAとの違い|過剰摂取のリスクなし?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 佐々木倫美(ささきともみ)

鉛筆アイコン 2021年11月 7日

βカロテンは健康な身体を維持するために必要な栄養素である。実は、ビタミンAとも深いかかわりのあるβカロテン。この記事では、βカロテンの成分・効果を知りたい方のために、βカロテンの特徴や健康へ期待できる効果を具体的に解説していく。

  

1. βカロテンの特徴や効果とは

野菜ジュース
βカロテンはいったいどんな特徴や効果があるのだろうか。

βカロテンはプロビタミンAの一種

厚生労働省の資料(※1)によると、βカロテンとはトマトやにんじんなどに含まれる赤色や黄色の色素成分である。βカロテン(※2)は体内で不足している分だけビタミンAに変化する特徴があり、このような働きをする成分をプロビタミンAと呼んでいる。

βカロテンの構造式

βカロテンの化学式はC40H56で、両端にβ環を持っている。真ん中は二重結合と一重結合が続くポリエン部分があるのが特徴だ。(※3)

βカロテンやビタミンA不足の症状

βカロテンの不足は、ビタミンA不足にも繋がる。ビタミンAが不足すると、目に影響が及び、薄暗いところで見えにくくなることがある。また、皮膚や粘膜が乾燥する場合も。ただ、ビタミンAを摂取し過ぎると、頭痛や口唇炎などの健康障害を起こす恐れがあるので気をつけたい。(※4)

2. βカロテンの健康や美容効果

野菜や果物
βカロテンは身体に対してどんな健康効果が期待できるのだろうか。

健康への効果

βカロテンとは、緑黄色野菜などに含まれている黄色や橙色の色素である。βカロテンが体内で作るビタミンAは目の働きを助け、夜盲症や視力低下の予防が期待できる。夜盲症とは、夜間などの暗い場所で視力が低下してしまう病気のことだ。光を認識する目の働きにはビタミンAが関わっているため、βカロテンを摂取し、ビタミンAを補うことが大切なのだ。(※5)

肌への効果

ビタミンAは皮膚や粘膜の健康状態を維持する効果も見込める。皮膚の新陳代謝を助けるといわれており、ビタミンA不足は乾燥肌やニキビなどの肌トラブルの原因にもなる。健康な肌を維持するには、βカロテンを適切な量摂取するのが大切だ。(※6)

3. βカロテン摂取には緑黄色野菜を食べよう

にんじんとトマトと紫たまねぎ
βカロテンは体内で作られることはないため、食材で摂取する必要がある。

βカロテンの多い人気食材はにんじんやトマト

βカロテンは植物の赤色や橙色の色素のことを指すため、緑黄色野菜に含まれていることが多い。βカロテンを多く含む野菜と可食部100gあたりの含有量を以下にまとめた。(※7,8)
  • しそ:11,000μg
  • モロヘイヤ:10,000μg
  • にんじん:8,600μg
  • トマト/プチトマト:540μg/960μg

加熱や油調理で吸収率アップ

βカロテンは脂溶性ビタミンなので、油と合わせて摂取すると吸収されやすい。上記であげた野菜を使って野菜炒めを作るのも効率的に栄養素を取れておすすめだ。(※9)

βカロテンの摂取量の目安

厚生労働省が2015年に示した日本人の食事摂取基準によると、男性のビタミンA推定平均必要量は30~49歳で650μgRAEとなっている。過剰摂取はよくないとされているため耐用上限量も定められていて、上限が30~49歳男性で2,700μgRAEである。しそは約7枚、モロヘイヤは1束弱、にんじんは1本弱が推定平均必要量の目安と考えるといいだろう。
ちなみに、βカロテンはプロビタミンAのため、単独での必要量は示されていない。(※10)

4. βカロテンの過剰摂取のリスク

丸薬肝油カプセルと水のガラスを保持している男性の手
栄養があるならたくさん摂取した方がいいというわけではない。βカロテンは過剰摂取のリスクはないのだろうか。

過剰摂取のリスクは無し

食品安全委員会の調査(※11)によると、ビタミンAは脂溶性で水に溶けない性質を持つため、肝臓や脂肪組織にたまっていく。本来は身体が正常に機能するのに必要な栄養素だが、摂取しすぎると過剰症を起こす恐れがあるので注意してほしい。一方、βカロテンは水溶性ビタミンで、不要な分は尿として排出されるので、過剰摂取のリスクは一般的に無く、上限も定められていない。βカロテンを過剰摂取すると皮膚の変色が起こる場合もあるが、健康に害はないので安心してほしい。

妊娠中ならビタミンAよりβカロテンのサプリメント

食品安全委員会の調査(※12)では、ビタミンA過剰摂取が腹痛や頭痛といった急性・慢性の中毒性を引き起こすといわれている。また、妊婦が過剰摂取すると、口蓋裂などの胎児への影響も高くなるという報告もある(※13)。そのため、妊婦または妊娠を希望する女性へのビタミンAのサプリメントは禁忌だ。栄養素不足が心配な方は、βカロテンのサプリメントをおすすめしたい。βカロテンは体内で不足している分だけビタミンAに変わるため、過剰摂取にならず、健康障害を引き起こすこともないからだ。

結論

今回の記事では、βカロテンの特徴や摂取するときの注意点などについて紹介した。過剰摂取のリスクのあるビタミンAと違い、βカロテン自体に過剰摂取のリスクはないといえることがお分かりいただけただろう。とはいえ、やはり栄養素だからといってただ多く摂取すれば体によいというわけではない。日頃からバランスのよい食事、栄養摂取を心がけるといいだろう。
(参考文献)
※1出典:厚生労働省「カロテノイド | e-ヘルスネット」
※2出典:厚生労働省「緑黄色野菜 | e-ヘルスネット」
※3出典: Genome Net「KEGG DRUG: ベータカロテン」
※4出典:公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンAの働きと1日の摂取量」
※5、6出典:公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンAの働きと1日の摂取量」
※7出典:農畜産業振興機構「栄養成分別野菜ランキング」
※8出典:新百合ヶ丘総合病院「紫外線の害から皮膚や目を守ってくれるβ-カロテンが豊富な「トマト」」
※9出典:厚生労働省「緑黄色野菜| e-ヘルスネット」
※10 出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
※11、12出典:食品安全委員会「ビタミンAの過剰摂取による影響」
※13レディースクリニックまぶち「Q&A 岐阜市の産科(産婦人科)レディスクリニックまぶち」
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  • 更新日:

    2021年11月 7日

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