目次
1. トマトのカロリーと糖質量

太るのが気になる人は、日頃から食材のカロリーや糖質量をチェックすることもあるだろう。ここではトマトやトマトの加工品のカロリーと糖質量を紹介する。すべて100gあたりのカロリーと糖質量だ。トマトのカロリーは20kcalで、含まれる糖質量は3.7gだ(※1)。
ミニトマトのカロリーと糖質量
生で食べることの多いトマトだが、とくにミニトマトは一口でパクッと食べられるのが特徴だ。手軽に食べられるミニトマトのカロリーは30kcalで、含まれる糖質量は5.8gだ(※2)。
トマトの加工品のカロリーと糖質量
次にトマトの加工品のカロリーと糖質量を紹介する。トマトピューレのカロリーは44kcalで、含まれる糖質量は8.1gだ(※3)。トマトペーストのカロリーは94kcalで、含まれる糖質量は17.3gだ(※4)。トマトケチャップのカロリーは106kcalで、糖質量は25.9gだ(※5)。ペーストとケチャップはミニトマトやピューレと比べると、カロリーも糖質量も高めだ。
トマトジュースのカロリーと糖質量
トマトジュースのカロリーは食塩添加で15kcal、食塩無添加で18kcal、含まれる糖質量は食塩添加も食塩無添加も3.3gだ(※6、7)。
フルーツトマトは糖質が多い?
フルーツトマトは特別な栽培方法で作られる高糖度のトマトだ。水やりの回数が少ない育て方なので甘みが凝縮するが、普通栽培ほど大きくならない。また根がのびる領域を制限し、肥料の吸収をおさえるため、トマトにストレスを与えて糖分をたくわえさせることで甘みが増す。
2. トマトの糖質量は他の野菜より高い?

ここではトマトが、ほかの野菜と比べて糖質量が高いかを比較する。いずれも100gあたりに含まれる糖質量だ。
キャベツ:3.4g(※8)
ブロッコリー:1.5g(※9)
玉ねぎ:6.9g(※10)
じゃがいも:8.4g(※11)
にんじん:1.0g(※12)
先述したようにミニトマトに含まれる糖質量は5.8gなので、野菜の中では平均より少し高めといえるだろう。
3. トマトが糖質制限に有効な理由

ここではトマトが糖質制限に有効かを解説する。
リコピンには血糖値の上昇を抑える作用がある
高リコピントマトとリコピンを含まないトマトを実験用のラット(ねずみ)に1日あたりで1ml、4週間経口投与した。さらに4週目に一晩絶食させた後、ブドウ糖溶液を経口投与した。投与後に120分までの血糖値を測ったところ、血糖値が上昇する15~30分にかけて、高リコピントマトを投与したラットは血糖値の上昇が抑えられたという(※13)。ではトマトにはどれくらいのリコピンが含まれているのだろうか。200~250gほどの大きめのトマト1個に含まれるリコピンの含有量は約7~8mgだ。大玉トマト2個では15mgほどで、100gあたりに含まれる量に換算すると3.5~4mgだ。トマトジュースは150ccで約15mgのリコピンを摂取できる(※14)。
抗酸化作用をもつ栄養素が豊富
トマトにはβカロテン、ビタミンCが多く含まれており、アンチエイジングなどの抗酸化作用の効果が期待できる(※2、15)。
血中中性脂肪の改善にも期待
動物実験の段階だが、トマトから脂肪肝や血中中性脂肪の改善に有効な成分が発見され、血中中性脂肪を下げることが期待できるようだ(※16)。
4. トマトのリコピンを効率よく摂る方法

最後にトマトのリコピンを効率よく摂る方法を紹介しよう。
朝食に食べる
トマトのリコピンを効率よく摂る方法のひとつが、朝食に食べることだ。健康な成人男女に朝・昼・夜のそれぞれの時間帯にリコピンを含むトマトジュースを飲んでもらった。摂取後に2・4・6・12時間後の血中リコピン濃度を測定すると、朝に飲んだ人の値が最も高かったという(※17)。
油と食べる
トマトに含まれるリコピンは熱に強く、油と一緒に摂取すると吸収力がアップする(※18)。また脂溶性ビタミンのβカロテンも加熱調理に強く、油と一緒に摂取すると吸収率が高まる(※17)。
加熱して食べる
市販のトマトジュースやトマトケチャップのような加工品の多くは、トマトを加熱して作られている。加熱して食べることでリコピンの吸収効率が上がるのだ(※17)。
リコピンの吸収を高めるおすすめ料理
油を使用して加熱調理を行い、朝に食べるのにおすすめのレシピ「簡単トマトスープ」を紹介しよう。トマトは食べやすい大きさのくし形に切る。玉ねぎは縦1cm幅のくし形に、ベーコンは1cm幅に切る。鍋にサラダ油を入れて中火で熱し、トマトと玉ねぎを加えて炒める。玉ねぎの色が透き通ったら、水を注ぎ、スープの素も加えて煮溶かす。ベーコンを加えてアクを取りながら5分くらい煮る。最後に塩こしょうで味を調えれば、簡単に作れるトマトスープの完成だ。
結論
トマトのカロリーや含まれる糖質量を紹介した。これまでとくにカロリーや糖質量を気にせず食べていた人もいるだろう。先述したようにトマトに含まれるリコピンは、さまざまな栄養効果が期待できる。これからは効率よく摂る方法で、トマトを味わってみてはいかがだろうか。
(参考文献)
※1出典:文部科学省「野菜類/(トマト類)/赤色トマト/果実/生」
※2出典:文部科学省「野菜類/(トマト類)/赤色ミニトマト/果実/生」
※3出典:文部科学省「調味料及び香辛料類/<調味料類>/(トマト加工品類)/トマトピューレー」
※4出典:文部科学省「調味料及び香辛料類/<調味料類>/(トマト加工品類)/トマトペースト」
※5出典:文部科学省「調味料及び香辛料類/<調味料類>/(トマト加工品類)/トマトケチャップ」
※6出典:文部科学省「野菜類/(トマト類)/加工品/トマトジュース/食塩添加」
※7出典:文部科学省「野菜類/(トマト類)/加工品/トマトジュース/食塩無添加」
※8出典:文部科学省「野菜類/(キャベツ類)/キャベツ/結球葉/生」
※9出典:文部科学省「野菜類/ブロッコリー/花序/生」
※10出典:文部科学省「野菜類/(たまねぎ類)/たまねぎ/りん茎/生」
※11出典:文部科学省「いも及びでん粉類/<いも類>/じゃがいも/塊茎/皮なし/生」
※12出典:文部科学省「 野菜類/(にんじん類)/葉にんじん/葉/生」
※13出典:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構「リコピン高含有トマトの継続摂取は食後血糖値の急激な上昇を抑制する」
※14出典:公益財団法人 長崎県学校給食会 長崎県学校栄養士会
※15出典:公益財団法人 長寿科学振興財団「抗酸化による老化防止の効果」
※16出典:京都大学「トマトから脂肪肝、血中中性脂肪改善に有効な健康成分を発見:効果を肥満マウスで確認」
※17出典:公益社団法人 日本栄養士会「はじめよう朝ベジ!」
※18出典:公益社団法人 日本バリュー・エンジニアリング協会「栄養を摂る(4)(ゆ)No.224」
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