目次
1. らっきょうの栄養素と効果効能

らっきょうにはどんな栄養素が含まれているのだろうか。らっきょうに含まれる栄養成分と効果効能を紹介しよう。
らっきょうの栄養成分:食物繊維
生のらっきょう100gあたりに含まれる食物繊維は20.7g。そのうち水溶性食物繊維が18.6g含まれている。水溶性食物繊維は便を軟らかくしてくれるため、便秘予防に役立つ。(※1)(※2)
らっきょうの栄養成分:硫化アリル
らっきょうの臭いは硫化アリルという成分によるものだ。硫化アリルは血中コレステロール値を下げたり血行を促進し身体を温めたりする効果があるので、コレステロール値が気になる方や冷え性の方におすすめだ。(※1)(※3)(※4)
また、生のらっきょうにはビタミンB1が100gあたり0.07mg含まれているが、硫化アリルにはビタミンB1の作用を持続させる働きもある。(※1)(※3)(※4)
らっきょうの栄養成分:カリウム
らっきょうには、ミネラルの一種で細胞の浸透圧調節に役立つカリウムが、100gあたり230mg含まれている。カリウムはナトリウムの排出を促進する効果があるため、塩分の過剰摂取によるむくみ対策に役立つ。(※1)(※5)
らっきょうのそのほかの栄養
生のらっきょうの100gあたりのカロリーは83kcal、糖質は8.6gである。
らっきょうには、ビタミンB群の栄養素であるナイアシンやパントテン酸なども含まれている。ナイアシンの含有量は100gあたり2.1mg。アルコールを分解する酵素のはたらきを助けるナイアシンは、二日酔い対策におすすめだ。パントテン酸の含有量は100gあたり0.56mg。パントテン酸は、ストレスを緩和する副腎皮質ホルモンを合成することで知られている。(※1)(※6)
2. らっきょうの加工食品の栄養価

次に、漬物などらっきょうの加工食品の栄養価を紹介する。
らっきょうの甘酢漬けの栄養
らっきょうの甘酢漬けのカロリーは、汁を除いたもので100gあたり118kcal。栄養素をみると、水溶性食物繊維やカリウム、ビタミンB群などは、生のらっきょうに比べて明らかに少なくなっている。また、漬物にしている分、生に比べて食塩相当量は多い。(※1)(※6)
酢漬けらっきょうの汁の栄養
酢漬けらっきょうの汁には、水溶性食物繊維やカリウムなどの栄養が溶け込んでいる。捨てるのはもったいないのだ。再利用の方法としておすすめなのはらっきょうの酢漬け汁のピクルスだ。好きな野菜を酢漬け汁に入れて、栄養豊富なピクルスを作るといいだろう。
らっきょうの塩漬けの栄養
らっきょうの塩漬けは生のらっきょうと比べると、アクが抜けてマイルドな味わいになるのが特徴だ。塩抜きしてそのまま食べるのもいいが、みそやしょうゆ、かつお節をつけても美味しく食べられる。乳酸発酵するので腸内環境を整えたい人にもおすすめだ。
らっきょうの塩漬けはシンプルな味わいで、いろんなアレンジを楽しめる。また塩漬けしたらっきょうはより保存性が高く、1年くらい保存が可能だ。塩抜きした後で甘酢漬けにもできる。
3. らっきょうとそのほかの野菜の栄養成分比較

ここでは、らっきょうとほかのネギ属の野菜の栄養成分を比較してみよう。
らっきょうとにんにくの栄養比較
にんにくは100gあたり129kcal、食物繊維は6.2g。らっきょうは100gあたり83kcalで、食物繊維は20.7g。比較すると、らっきょうのカロリーの方が少し低く、食物繊維が多く含まれている。(※1)
らっきょうと玉ねぎの栄養比較
たまねぎは100gあたり33kcal、食物繊維は1.5g。カロリーは玉ねぎのほうが低いが、食物繊維の総量はらっきょうの方が多い。(※1)
4. らっきょうの栄養摂取の3つのポイント

最後に、らっきょうの栄養をより効率よく摂取するためのポイントや、1日の適量をご紹介しよう。
らっきょうの1日の適量
らっきょうの1日の適量は、3~4粒(9~40g)程度と考えるといいだろう。らっきょうには血行や消化を促進する硫化アリルが含まれている。硫化アリルには強い殺菌作用があるため、食べ過ぎると胃の粘膜が荒れて下痢や胃もたれなどを起こす場合があるのだ。
また、甘酢漬けの食べ過ぎは塩分の摂りすぎにもつながりかねないため、こういった観点からも1日3~4粒を目安にしよう。(※1)(※3)
加工品より生らっきょう
らっきょうに含まれる栄養素は水に溶けやすいため、甘酢漬けにした場合、汁に栄養が流れてしまう。らっきょうの栄養をしっかり摂るなら甘酢漬けより生で食べよう。
さらに、パントテン酸は熱にも弱いため、加熱もできるだけ控えるのがおすすめだ。サラダの具材や薬味として活用するといいだろう。(※1)
口臭を予防にはりんご
らっきょうの臭いの原因は硫化アリルだ。この臭いはりんごの皮で抑えられる。りんごの皮に含まれるポリフェノールには、硫化アリルによる臭いを抑える働きがあるためだ。らっきょうを食べた後、すぐにりんごを皮ごと食べるといいだろう。
結論
らっきょうには水溶性食物繊維やカリウム、ビタミンB群など、豊富な栄養が含まれている。甘酢漬けで美味しく食べるのもいいが、らっきょうに含まれる栄養素は水に溶けやすい性質をもつものも多い。したがって、生で食べる方が効率よく栄養を摂取できるのでおすすめだ。しかし、食べすぎると胃の粘膜を荒らしてしまう可能性もある。適量を食べてらっきょうの栄養を取り入れてみよう。
(参考文献)
(※1)文部科学省 1-0206 野菜類(正誤表8反映1012)
(※2)公益社団法人 千葉県栄養士会 便秘の予防と食事 | 公益社団法人 千葉県栄養士会
(※3)一般財団法人 愛成会 弘前愛成会病院 血液サラサラ効果のある「硫化アリル」をたくさん摂れる美味しい玉ねぎ料理 | 弘前愛成会病院
(※4)JA会津よつば たまねぎ(たまねぎの和風ピクルス) | JA会津よつば料理 | 弘前愛成会病院
(※5)厚生労働省 カリウム | e-ヘルスネット(厚生労働省)
(※6)医療法人社団ファミリーメディカル 横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック ビタミンB群のおもな特徴とアレルギー疾患を改善するはたらき | 横浜弘明寺呼吸器内科クリニック健康情報局
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