1. ブロッコリーはタンパク質が豊富な野菜
ブロッコリーはタンパク質(※1)が豊富な野菜だということは、きっと知っている方が多いだろう。まずはどのくらいのタンパク質量なのかを見ていこう。
ブロッコリー100gのタンパク質含有量
単純にブロッコリーはタンパク質が多いといわれても、ピンとこないだろう。実際にどのくらいの含有量があり、ほかの野菜と比較してどれほど多いのかを確かめてみよう。(値はどれも可食部100gあたりの量である。)
ブロッコリー(生)のタンパク質量:5.4g
ブロッコリー(茹で)のタンパク質量:3.9g
大根(生)のタンパク質量:0.4g
トマト(生)のタンパク質量:0.7g
ほうれん草(生)のタンパク質量:2.2g
上記の値を参照すると、大根・トマト・ほうれん草に比べて、ブロッコリーのタンパク質量は2~4倍多いことがわかるだろう。
中サイズのブロッコリーを切り分けたひとふさの重さが約20gだとすると、ブロッコリーひとふさのタンパク質量はおよそ1gである。
ブロッコリースプラウトのタンパク質量は?
植物が発芽して間もない新芽の状態を「スプラウト」という。近年、ブロッコリースプラウトは世間から注目されていて、サラダやマリネなどの付け合わせとして目にすることもある。
ブロッコリースプラウトのタンパク質量も一緒に確認してみよう。また、ほかのスプラウトと呼ばれる、豆苗とかいわれ大根のタンパク質量とも比較してみる。
ブロッコリースプラウト(生)のタンパク質量:1.9g
豆苗(生)のタンパク質量:3.8g
かいわれ大根(生)のタンパク質量:2.1g
上記を見ると、スプラウトの状態のときは、ほかの野菜と比較してタンパク質量がそれほど多くないことがわかる。
ブロッコリーとカリフラワーのタンパク質量の違い
色以外の見た目がそっくりなブロッコリーとカリフラワー。しかし、2つの野菜は含まれる栄養素に差がある。タンパク質量の違いを確認してみよう。
カリフラワー(生)のタンパク質量:3.0g
カリフラワー(茹で)のタンパク質量:2.7g
見た目が似ている2つの野菜だが、タンパク質量はブロッコリーの方が多いことがわかる。
2. ブロッコリーが筋トレに人気なのはなぜ?タンパク質以外にも秘密がある!
「筋トレにはタンパク質」という情報は、知っている人も多くいるだろう。前述の通り、野菜の中ではタンパク質量が多いとされるブロッコリー。しかし、同様に筋力アップには欠かせないとされる食材の肉と比べると、ブロッコリーのタンパク質量が少ないのは確かである。
例として鶏ささみ肉(茹で)の100gあたりのタンパク質量は、29.6gだ。豚もも肉(茹で)のタンパク質量は28.9gとかなり多く含まれていることがわかるだろう。
では、なぜブロッコリーが筋トレにいいとされているのか、タンパク質以外の栄養素に着目して確認していこう。
スルフォラファン(※2)
スルフォラファンとは、酵素の生成を助ける作用のある栄養素で、スルフォラファンにて生成を促すことができる酵素は100種類以上とされている。このスルフォラファンが、ブロッコリーには微量ではあるが含まれている。スルフォラファンには、筋肉を保護する働きの可能性があると考えられている。
ジインドリルメタン(※3)
ジインドリルメタンとは、女性ホルモンを抑制する成分である。これによって、男性ホルモンの増強効果が期待できるのだ。男性ホルモン、すなわちテストステロンが低下すると、筋肉の増強は難しいとされている。
ビタミンB群(※4)
酵素の働きを助けるビタミンB群。酵素は体内の代謝に必要であり、ビタミンを体内で生成することはほとんどできないため、食事から摂取する必要がある。
ビタミンC(※4)
ビタミンCは、ビタミンB群と同じ水溶性のビタミンだ。ブロッコリーに含まれるビタミンCは、同じ量のレモンよりも多い。タンパク質の合成に関わるため、トレーニングするうえでも欠かせない栄養素のひとつとされている。
鉄(※5)
鉄は不足すると、直接筋力の低下や疲労感を巻き起こす成分だ。つまり日常生活にはもちろんだが、筋トレのためにも必要な栄養素といえる。
カルシウム(※6)
体内のカルシウムのうち、ごくわずかな量がカルシウムイオンとして筋肉や血液中にある。カルシウムは筋肉の収縮を助け、トレーニングをするうえで不足させたくない栄養素なのだ。
カロリーと糖質
ブロッコリー(茹で)のカロリーは30kcal、糖質量は0.9gと、どちらも少ない。少なくとも、肉や魚などに比べるとカロリーが低いといえる。
そのため、体型を気にしての筋力アップを目指している人にとっては、カロリーや糖質の面も含めて、人気のある食材といえる。
3. ブロッコリーで効果的にタンパク質を摂る方法
ブロッコリーのタンパク質の含有量について理解してもらったところで、効率的にタンパク質を摂るための具体的な方法を伝授しよう。
蒸し料理にする
ブロッコリーに含まれるスルフォラファンは、形成の過程でミロシナーゼという酵素が必要になる。そのミロシナーゼが破壊されずに、効率よくスルフォラファンを形成するには、蒸すのが一番である。
蒸し器を使って5分程度蒸してから食べるのがおすすめだ。
芯も捨てずに食べる
芯の部分には、タンパク質はもちろん、ビタミンも豊富に含まれている。そのため、芯も捨てずに食べることで、ブロッコリーの栄養素を余すことなく摂取できるのだ。
芯は表面の硬い皮だけ取り除き、電子レンジで加熱または茹でてから、お浸しやナムルにして食べると美味しいので、試してみてほしい。
バランスのよい食事を摂る
ブロッコリーの食べ合わせとしてよい例は、タウリン(※7)をプラスできる、えびだ。えびとブロッコリーは味の相性もよく、サラダやアヒージョなどで美味しくいただける。
さらに、ビタミンCを多く含むじゃがいもとの組み合わせもおすすめだ。ビタミンB1が豊富な豚肉との相性もよい。
ブロッコリー単体で食べるのももちろんいいが、ほかの食材と上手に組み合わせて、バランスのいい食事になるように心がけることが大切である。
結論
筋トレをしながらブロッコリーを食べて、効率よく筋力アップを目指してほしい。今回紹介したように、ブロッコリーはタンパク質のみならず筋肉によい成分が多く含まれている最高の食材なのだ。より効果的な方法でブロッコリーを食べ、栄養素をたくさん取り入れてはいかがだろうか。
(参考文献)
※1厚生労働省 たんぱく質 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
※2 pubmed
※3 東急スポーツオアシス 女性の運動の味方ブロッコリー
※4厚生労働省 ビタミン | e-ヘルスネット(厚生労働省)
※5厚生労働省 鉄 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
※6厚生労働省 カルシウム | e-ヘルスネット(厚生労働省)
※7厚生労働省 タウリン | e-ヘルスネット(厚生労働省)
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