ブロッコリーの味噌汁は意外に美味しい？秘訣は具材の組み合わせ

ブロッコリーが入った味噌汁は意外と美味しい。ではなぜ味噌汁の具材として人気が高くないのだろうか。その真相を探るべく、まず、ブロッコリーがどのように日本で食べられるようになったのか、ブロッコリーの歴史を見てみよう。

ブロッコリーの原産地は地中海の沿岸部。古代ローマ時代に現地の人が食べていたといわれている。日本にブロッコリーが上陸したのは明治時代初期だ。しかし、ブロッコリーは保存期間が短いうえに、当時は一緒に上陸した野菜のカリフラワーに人気が集まり、あまり流通しなかったとされている。1980年代に、緑黄色野菜の栄養価に人々が注目するようになってから、ブロッコリーが広く食卓に並ぶようになった。ただ、ブロッコリーの食べ方としては、シンプルに茹でてマヨネーズをかけたり、メイン料理の食材として活用されたりすることが多いのだ。

日本の食卓に並んで日が浅いことや、ブロッコリーがもつシンプルな美味しさが相まって、いままで味噌汁の具として定着しなかったと考えられる。しかし、実はブロッコリーは、味噌汁に入れても文句なく美味しいのである。

まずブロッコリーは風味が強く、栄養が豊富に含まれている野菜だ。その分旨みも多く、味噌汁に入れることで美味しい出汁が取れるのだ。色もはっきりとした緑色のため、味噌汁に入れれば食卓の彩りがより鮮やかになるだろう。

ここでブロッコリーの味噌汁の作り方の一例を紹介しよう。作り方は簡単。ブロッコリーと大根、にんじん、ベーコン、出汁を鍋に入れて火にかけ、煮立ったら味噌を溶き入れる。仕上げに溶き卵を落とせば完成だ。栄養豊富なうえに、ブロッコリー、にんじん、卵の色みが食欲をそそる味噌汁となる。

ブロッコリーは栄養価が高いのだが、その分、風味も強い野菜だ。そのため、味噌汁に入れる際になんの食材と合わせればよいのか分からないという人もいるだろう。ここではブロッコリーの味噌汁と合わない食材、合う食材について紹介する。

先述した通り、ブロッコリーは風味が強い。そのため、ブロッコリーと同じように風味の強いネギなどの野菜、反対に豆腐などのあっさりとしたものとの組み合わせは合わないのだ。

ブロッコリーの味噌汁に合う食材は、コクのある厚揚げや油揚げ、ベーコン、ウィンナーなどだ。また、根菜や卵もおすすめである。
これらの組み合わせを参考に、美味しいブロッコリーの味噌汁を作ってみてほしい。

ところで、ブロッコリーはつぼみの部分しか食べられないと思ってはいないだろうか。実をいうと、ブロッコリーは、茹でてサラダに入れたり肉と炒めたりと、茎や葉の部分も捨てるところなく食べられるのだ。もちろん味噌汁の具にももってこいである。さらに、茎はつぼみの部分に比べてさらに甘みがあるため、つぼみより茎の部分が好きだという人もいるようだ。

また、ブロッコリーの茎は栄養豊富で、ビタミンC、葉酸、βカロテン、ビタミンKを多く含む。ブロッコリーの栄養素は水溶性のものが多いため、茎を煮込んで味噌汁にすることで、栄養素や旨み・甘みが溶け込んだ美味しい出汁となるのだ。ブロッコリーの味噌汁を作る際には、ぜひ茎も活用してほしい。

意外な組み合わせのように思われる味噌汁とブロッコリー。でも実は組み合わせ次第で美味しい味噌汁になると分かっていただけただろうか。ブロッコリーは風味が強い野菜であるがゆえにほかの具との組み合わせに注意が必要だ。その点に気を付ければ美味しいブロッコリーの味噌汁が楽しめる。味もよく、栄養が豊富なブロッコリー。ぜひ今夜の献立の一品にいかがだろうか。