目次
- じゃがいも生・皮なし カロリー:59kcal、糖質量:8.4g
- フライドポテト・皮なし カロリー:159kcal、糖質量:22.3g
- 3.いも及びでん粉類/<いも類>/じゃがいも/塊茎/皮なし/生
- 4.いも及びでん粉類/<いも類>/じゃがいも/塊茎/皮つき/生
- 5.いも及びでん粉類/<いも類>/じゃがいも/塊茎/皮なし/蒸し
- 6.いも及びでん粉類/<いも類>/じゃがいも/塊茎/皮なし/電子レンジ調理
- 7.いも及びでん粉類/<いも類>/じゃがいも/塊茎/皮つき/電子レンジ調理
- 8.いも及びでん粉類/<いも類>/じゃがいも/塊茎/皮なし/フライドポテト/(生を揚げたもの)
- 9.いも及びでん粉類/<いも類>/じゃがいも/塊茎/皮つき/フライドポテト/(生を揚げたもの)
1. 食物繊維とは?

まずは食物繊維についてまとめる。食物繊維とは、植物細胞壁成分を主体にしたもので大腸まで消化されることなく到達するものをさす。その言葉から繊維質の物体を想像するが、必ずしもその形状を有しているわけではない。水溶性と不溶性という2種が存在する食物繊維、それぞれの特徴をみてみよう。(※1)
水溶性食物繊維
その名の通り、食物繊維の中でも水溶性のものを指す。ペクチンやアルギン酸がその代表であり、水に溶けてジェル状となる特徴がある。腸内細菌の栄養となるだけではなく、食後における血糖値の上昇を抑制したり、コレステロール値を低下させる作用を有している。(※1)
不溶性食物繊維
食物繊維のうち、水に溶けないタイプのものを不溶性食物繊維と呼ぶ。水分を吸収した食物繊維は数十倍にまで膨張するケースもあり、排便を促進するほか腸の掃除をする効能がある。(※1)セルロースやリグニンなどがその代表である。
食物繊維の推奨摂取量
厚生労働省によれば、日本人の食物繊維摂取量は減少しつつあることが報告されている。(※2)成人男性であれば、1日に推奨される食物繊維の摂取量は21g以上である。実際には、現在の日本人の平均的な摂取量は1日当たり14g前後にとどまるとされている。(※2)
2. じゃがいもの食物繊維の含有量

子どもたちも喜んで食べるじゃがいもは、ほぼ毎日食卓にのせる家庭も多いだろう。じゃがいもにはどのくらいの食物繊維が含まれているのだろうか。新じゃがであれば皮ごと食べるケースも少なくない。皮つきと皮なしで食物繊維の含有量に相違があるのかも含めて紹介する。
じゃがいもの食物繊維量はどれくらい?
文部科学省の食品成分データベースを参照に、生の状態で皮を除去したじゃがいもの食物繊維量を見てみよう。(※3)
生のじゃがいも(皮なし)100gあたりの総量は8.9gとなる。(※3)
皮の有無で食物繊維量は変わる
皮つきのじゃがいもの食物繊維量については、100gあたり9.8gとなっている。(※4)皮がない場合と比べると食物繊維量は上昇するといってよいだろう。
3. じゃがいもの食物繊維量は調理で変わる?

じゃがいもの調理法は非常にさまざまである。あらゆる調理法にマッチするじゃがいもは、調理によって食物繊維量も変わるのだろうか。いくつかの例を参考に、その数値がどのくらい変化するのか紹介する。
蒸したじゃがいもの食物繊維量
じゃがいもの食べ方としては最もシンプルな蒸し。子どもたちのおやつにももってこいの蒸したじゃがいもの食物繊維量はどのくらいなのか。皮なしの場合の数字を紹介する。(※5)
蒸したじゃがいも(皮なし)100gあたりの食物繊維総量は3.5gとなる。
総量を比較すると、蒸すことによって食物繊維量はかなり低下することがわかる。
電子レンジ調理したじゃがいもの食物繊維量
調理用具を汚さずに加熱できる電子レンジは、じゃがいもを食べる際にも便利である。電子レンジでじゃがいもを調理した場合の食物繊維量は、どのように変化するのか。皮つきと皮なしで見てみよう。(※6・7)
じゃがいも100gあたりの食物繊維総量は、皮なしは3.5g、皮つきは3.9gとなる。
皮なしの場合は、蒸した場合の数値と変化はない。電子レンジで調理したじゃがいもは、いずれの場合も生の状態と比べると食物繊維量は低下する。
揚げたじゃがいもの食物繊維量
子どもたちが大好きなフライドポテトはどうだろうか。揚げ物にしたじゃがいもの食物繊維量を、皮つきと皮なしの場合の数値で紹介する。(※8・9)
揚げたじゃがいも100gあたりの食物繊維総量は、皮なしは3.9g、皮つきは4.3gとなる。
いずれの場合も、生のじゃがいもと比較すると食物繊維量は低下するが、電子レンジで調理した場合よりはわずかに多いことがわかる。
4. 食物繊維以外のじゃがいもの栄養成分

最も気軽に食べることができる食材のひとつであるじゃがいもには、食物繊維以外にどんな栄養が含まれているのだろうか。それぞれの栄養の含有量とともに、効果効能も含めて紹介する。じゃがいもの調理法は多岐にわたるため、皮なしで生の状態のじゃがいもの栄養の数値である。
ビタミンC
生のじゃがいも100g中には、28mgのビタミンCが含まれている。(※3)ビタミンCは水溶性のビタミンのひとつであり、抗酸化作用を有している。強い還元作用があり、コラーゲンの生成にも一役買っている成分である。また、病気を予防するための免疫機能を守る効能もある。(※10)
カリウム
生のじゃがいも100g中には、410mgのカリウムが含まれている。(※3)カリウムはミネラルのひとつであり、細胞の浸透圧を調整し体液のバランスを図る働きがある。ナトリウムを体外に排出する効能があるため、塩分の摂り過ぎに有効な成分とされている。(※11)
5. じゃがいもの食べ過ぎには注意が必要?

じゃがいもを嫌いという人は珍しく、食卓にのせればあっというまに食べきってしまうことのほうが多いだろう。食物繊維をはじめいくつかの栄養を有しているじゃがいもではあるが、食べ過ぎには注意が必要といわれている。その理由を、カロリーや糖質量を参考に紹介する。
じゃがいものカロリーと糖質量
生のじゃがいものカロリーや糖質量を数字で見てもピンとこないが、調理法も多いだけにじゃがいもを口にする機会は多い。また調理法によっては、カロリーや糖質量が大幅に上昇することもある。フライドポテトを例にとって100gあたりの数値を紹介する。(※3・8)
生のじゃがいもならば気にする必要がないカロリーや糖質量も、油で揚げることでダイエットには向かない数字となる。これに塩分などを加えることを考慮すると、じゃがいもは調理法によっては体重や健康に考慮すべき食べ方をするのがベターといえるだろう。
結論
食事だけではなく、おやつにもじゃがいもを使った料理やスナックはよく登場する。じゃがいもには豊富な食物繊維が含まれているが、加熱することによってその数値はかなり低下する。調理法によってもその数値は左右されるうえ、カロリーや糖質量にも注意が必要である。美味しさのあまり食べ過ぎてしまわないよう、節度を持った摂取がじゃがいもにはふさわしいといえるだろう。
(参考文献)
1.公益財団法人長寿科学振興財団「食物繊維の働きと1日の摂取量」
2.厚生労働省「e-ヘルスネット食物繊維の必要性と健康」
3~9.文部科学省「食品成分データベース)」
10.厚生労働省「ビタミンC」
11.厚生労働省「カリウム」
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