- タンパク質:1.0g
- 脂質:0.1g
- 炭水化物:3.0g(食物繊維:1.1g)
- 主なミネラル類
- 主なビタミン類
- 1本(100g)あたり:200mg
- 1000kcalあたり:15385mg
- 1本(100g)あたり:34μg
- 1000kcalあたり:2615μg
- 1本(100g)あたり:14mg
- 1000kcalあたり:1077mg
- 1本(100g)あたり:330μg
- 1000kcalあたり:25385μg
- 1本(100g)あたり:1.1g(水溶性食物繊維0.2g、不溶性食物繊維0.9g)
- 1000kcalあたり:84.6g(水溶性食物繊維15.4g、不溶性食物繊維69.2g)
- カリウム:醤油漬け79mg、塩漬け220mg、ぬかみそ漬け610mg(生200mg※1)
- ビタミンK:?油漬け83μg、塩漬け46μg、ぬかみそ漬け110μg(生34μg※1)
- ビタミンC:?油漬け8mg、塩漬け11mg、ぬかみそ漬け22mg(生14mg※1)
- βカロテン:?油漬け580μg、塩漬け210μg、ぬかみそ漬け210μg(生330μg※1)
- 食物繊維:?油漬け3.4g、塩漬け1.3g、ぬかみそ漬け1.5g(生1.1g※1)
- カリウム:スイート型18mg、サワー型11mg(生200mg※1)
- ビタミンK:スイート型32μg、サワー型15μg(生34μg※1)
- ビタミンC:スイート型0mg、サワー型0mg(生14mg※1)
- βカロテン:スイート型53μg、サワー型14μg(生330μg※1)
- 食物繊維:スイート型1.7g、サワー型1.4g(生1.1g※1)
1. 「きゅうりに栄養がない」というのはウソ?
きゅうりは100gあたり95.4gが水分でできている野菜だ。ほとんどが水分ということで栄養がないと思われがちだが、それは誤認である。きゅうり100gあたりには、下記のような栄養素が含まれている。(※1)
・カリウム:200mg
・カルシウム:26mg
・マグネシウム:15mg
・リン:36mg
・βカロテン:330μg
・ビタミンE:0.3mg
・ビタミンK:34μg
・ナイアシン:0.2mg
・ビタミンC:14mg
きゅうりには、さまざまな種類のミネラル類やビタミン類が含まれており、たんぱく質、脂質、炭水化物のエネルギー産生栄養素もわずかながら含まれる。低カロリーなだけで、決して栄養がないわけではないのだ。(※1)
2. きゅうりの栄養と効果・効能
きゅうりに含まれる栄養素は主にミネラル類やビタミン類だが、比較的含有量が多いものについて、健康への効果効能とともに紹介する。
カリウム
ミネラルの一種であるカリウムは、主に細胞の浸透圧を調整、維持する働きを担う栄養素だ。余剰なナトリウムを排出する作用もあるため、むくみの防止や解消にも役立つ。(※2、3)
きゅうりのカリウム含有量は下記の通りである(※1)。
ビタミンK
脂溶性ビタミンの一種であるビタミンKは、主に血液の凝固を助ける酵素として働く栄養素だ。また、骨の形成を促す作用があるため、骨粗しょう症の治療や予防に効果的である。さらに、動脈の石灰化を抑制する役割などももつ。(※4)
きゅうりのビタミンK含有量は下記の通りである(※1)。
ビタミンC
ビタミンCはオレンジ果汁から発見された水溶性ビタミンで、コラーゲンの生成に欠かせない栄養素だ。肌の健康の維持、壊血病の予防などに効果的である。また、抗酸化作用があるため、アンチエイジング効果も期待されている。(※5)
きゅうりのビタミンC含有量は下記の通りである(※1)。
βカロテン
βカロテンは摂取すると体内で脂溶性のビタミンAに変換される。ビタミンAには、主に目や粘膜の健康を保つ働きがある。また、βカロテンは抗酸化作用をもつカロテノイドの一種としても働く。活性酸素の発生や働きを抑える効果があり、さまざまな疾病の予防に有効と考えられている。(※6、7)
きゅうりのβカロテン含有量は下記の通りである(※1)。
食物繊維
きゅうりには3.0gの炭水化物が含まれるが、そのうち1.1gを食物繊維が占めている(※1)。食物繊維は摂取しても消化されず大腸まで到達し、主に便通を促進する働きをする。また、腸内の善玉菌のエサとなることから、腸内環境の改善にも効果がある。(※8)
きゅうりの食物繊維含有量は下記の通りである(※1)。
3. きゅうりはダイエットに効果あり?
きゅうりは水分が多く低カロリーというイメージが強い野菜だが、実際にはどのくらいのカロリーなのだろうか。また、ダイエット向きといわれる理由はカロリーのほかにもあるようだ。
低カロリー
きゅうりのカロリーは、100gあたり13kcalである(※1)。一般的なサイズのきゅうり1本がだいたい100g程度のため、まるごと1本食べてもわずか13kcalほどということだ。水分量が多く一度に多くは食べられないため、カロリーを抑えたいときには最適な食品といえるだろう。
ホスホリパーゼの効果
福島大学共生システム理工学類の杉森准教授の研究グループにより、きゅうりに脂質分解酵素であるホスホリパーゼが含まれていることが発見された(※9)。
ホスポリパーゼは、主に食品の保存状態や品質の向上を目的に使用される成分である。きゅうりから抽出されたものは、より脂質分解力が強く人体に無害であることがわかった。そのため、きゅうり由来のホスホリパーゼを今後さまざまな製品に活用することが見込まれている。(※9)
また、脂肪を分解する効果があることから、摂取すると脂質の代謝がよくなり脂肪を蓄えにくくすることが期待され、ダイエットにも有効という見方もある(※10)。
4. きゅうりの漬物の栄養成分は?
きゅうりは、そのまま食べるほかにも漬物やピクルスに使われることの多い食材だ。では、漬物にした場合は栄養成分の含有量に変化があるのだろうか。一般的な漬物とピクルスについて、100gあたりの主な栄養素の含有量をそれぞれ紹介する。
漬物
醤油漬け(※11)、塩漬け(※12)、ぬかみそ漬け(※13)の主な栄養素の含有量は下記の通りである。
全体的にぬかみそ漬けの栄養価が高いが、βカロテンは生きゅうりのほうが多い。βカロテンや食物繊維の含有量は、醤油漬けが最も多い。ただし生のきゅうりと比較して減少する栄養素もある。また、漬物は塩気が強く一度に食べられる量が少ない点にも注意が必要だ。
ピクルス
ピクルスの栄養素の含有量については、甘みの強いスイート型ピクルス(※14)と酸味の強いサワー型ピクルス(※15)の2種類に分けて紹介する。
きゅうりをピクルスにした場合、栄養素の含有量は食物繊維を除いて減少している。水溶性のビタミンCはスイート型もサワー型も消失してしまう。栄養摂取を目的とするなら、生のきゅうりをそのまま食べたほうがよいだろう。
結論
きゅうりは低カロリーな食品だが、さまざまなミネラル類やビタミン類が含まれている。水分が多く栄養成分の含有量は少ないが、カリウムは比較的多いためむくみ改善などの効果が期待できる。漬物やピクルスにしても美味しいが、日常的には生のきゅうりをサラダなどにして食べるほうが栄養面でも塩分の摂取を抑える意味でもおすすめである。足りない栄養素をほかの食品で補いながら、効果的に食事に取り入れよう。
(参考文献)
※1、11~15出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※1:野菜類/きゅうり/果実/生
※11:野菜類/きゅうり/漬物/しょうゆ漬
※12:野菜類/きゅうり/漬物/塩漬
※13:野菜類/きゅうり/漬物/ぬかみそ漬
※14:野菜類/きゅうり/漬物/ピクルス/スイート型
※15:野菜類/きゅうり/漬物/ピクルス/サワー型
※2、4、5、6、8出典:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
※2:カリウムの働きと1日の摂取量
※4:ビタミンKの働きと1日の摂取量
※5:ビタミンCの働きと1日の摂取量
※6:ビタミンAの働きと1日の摂取量
※8:食物繊維の働きと1日の摂取量
※3、7出典:厚生労働省e-ヘルスネット
※3:「ナトリウム」
※7:「カロテノイド」
※9出典:国立大学法人福島大学共生システム理工学類共生システム理工学研究科
「ホスホリパーゼ 新型強い脂質分解力」(福島民報2010.3.21社会面)
※10出典:医療法人社団 森愛会 鶴見クリニック「きゅうりはダイエットにピッタリの食材」
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