目次
1. カニの基本の茹で方

ズワイガニやワタリガニ、タラバガニ、毛ガニのように、いろいろな種類があるカニだが、皆さんは正しく茹でられているだろうか。最初にズワイガニの茹で方を解説しよう。
カニをよく洗う
最初にカニの甲羅や腹側の汚れを流水でしっかりと洗う。しっかりと洗うのは、腸炎ビブリオが付いている可能性があり、洗わずに食べると食中毒を起こす可能性があるからだ(※1、2)。
カニがつかる鍋に塩を入れ、沸騰させる
大きめの鍋に塩と水を入れて沸騰させる。塩の分量は塩分濃度が3?4%で、1Lの水を例にあげると30~40gが目安だ。大きさによっては、鍋にカニが全部つからないという人もいるだろう。脚を切って茹でてもいいのいでは?と考える人もいるはずだ。可能であれば旨みが逃げないよう、脚は付けたまま茹でたほうがよい。鍋に入らなければ、口の広いフライパンや中華鍋を使うとよい。
甲羅を下にしてカニを入れる
カニの甲羅を下に向け、鍋に入れて茹でる。甲羅を下に向けて入れるのは、カニ味噌がきれいに固まり、くずれにくくなるからだ。逆に甲羅を上に向けるとカニ味噌がかたまりにくく、足に流れる可能性があり、味が落ちやすくなるようだ。しかし甲羅を下にしても、茹で時間が短めだと、同様の現象が起こる可能性があるので注意が必要だ。
再沸騰したら中火で一定時間茹でる
茹でる時間の目安は再沸騰後から15?20分間くらいだ。途中でカニが浮かぶようなら、落とし蓋をするのがおすすめ。
火からおろし、冷水で冷やす
茹であがったカニを火からおろして冷水で約5分しめると、身が引き締まって美味しく味わえる。また身離れしやすくなるため、甲羅にカニの身がくっつきにくい。
2. 生きたカニを茹でるときの注意点

家庭調理の場合はあまりないと思うが、次に、生きたカニ(生蟹)の茹で方を紹介する。
真水につける
生きたカニを茹でると、カニが自身が危険を感じて自らの足を切り離すことがある。茹でるときは、前もって真水につけてカニをぐったりさせることがポイントだ。
ハサミを切り落としておく
カニは暴れると危険なので、ハサミは切り落としておくべきだ。カニがぐったりした後に切り落とせばよい。
鍋に蓋をする
茹でている最中に暴れることがあるため、鍋は蓋ができるものを選ぼう。
3. カニの種類別の注意点

ここではカニの種類別による茹で方の注意点を紹介しよう。
タラバガニ
タラバガニの茹で時間の目安はカニの重さによるが、約2kgは再沸騰後に18分だ。約3kgは再沸騰後に20分、約4kgは再沸騰後に25分を目安にするとよい。タラバガニは茹でてもカニ味噌がかたまりにくいので、あらかじめ取り出しておくこと。
毛ガニ
毛ガニの茹で方の大切なポイントは、塩を多めに使用することだ。好みで昆布と一緒に茹でるのも出汁が出て美味しくなるのでおすすめ。重さにより異なるが、茹で時間は約300~500gのカニなら鍋に入れて再沸騰後15分を目安にするとよい。約600~700gの重さは再沸騰後18分、約800g~1kgの重さなら再沸騰後20分を目安にするとよい。茹で上がったら鍋から出して甲羅を下にし、5~10分くらい放置して水蒸気を逃がすこと。毛ガニは身が少なめだが、カニ味噌が濃厚で美味しい。
ワタリガニ
ワタリガニは生きたまま茹でると足がはずれるため、可能な限り真水につけてから調理すること。塩を入れた熱湯で10?15分ほど茹でれば、美味しくいただける。
4. 冷凍ガニを茹でるときの注意点

最後に冷凍ガニの茹で方の注意点を解説しよう。
解凍は事前に行う
冷凍ガニは解凍せず調理するのは避けよう。解凍するときは、低温で解凍するのがポイントだ。急激に室温で解凍すると、旨み成分が流出して身がパサつく原因になる。また、流水で解凍するのもおすすめだ。流水解凍の場合、水に直接カニをつけると旨み成分が流れ出やすいので、保存用袋に入れてからボウルに水を溜めて解凍していこう。
解凍をするときにやってはいけないこと
冷凍ガニは室温で解凍すると旨み成分が抜け出てしまうので避けること。また表面のみが解凍されて中が凍ったままという状態になりがちなので、十分な時間をかけて冷蔵庫などでゆっくり解凍していこう。さらに、解凍の際は甲羅を下にして置いておくのも、ポイントとしておさえておこう。
結論
カニの茹で方や茹でるときの注意点を紹介した。カニはタラバガニや毛ガニ、ワタリガニのように種類によって茹でるコツが少し異なる。今回紹介した情報を参考に、カニの特徴をきちんと理解して美味しく茹でてもらいたい。
(参考文献)
※1出典:仙台市「腸炎ビブリオ〔魚介類等〕」
※2出典:東京都福祉保健局「腸炎ビブリオ」
この記事もCheck!