目次
- にんじんに水を加えてから加熱する
- 加熱時間は短くする
- 量は少し多めにする
- (※1)文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」野菜類/(にんじん類)/にんじん/根/皮なし/生https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06214_7
1. にんじんを電子レンジで柔らかくする方法

時短料理で活躍する電子レンジ。当然ながらにんじんの加熱でも活躍する。ここでは、にんじんを電子レンジで加熱するときのポイントを紹介する。あわせて離乳食に使うときのポイントも紹介するので、小さい子どもがいる人もぜひ参考にしてほしい。
レンジでチンする方法
にんじんは硬い野菜なので、切ってから加熱するのが鉄則だ。切り方は料理に合わせて変えよう。にんじんを切ったら耐熱容器に入れるが、そのときに大さじ1杯の水を入れるのがポイントだ。にんじんをそのまま電子レンジで加熱してもなかなか柔らかくならないが、水を入れることで電子レンジ調理でもしっかりと柔らかくなる。ちなみに、水の代わりに調味料や煮汁を加えてもよい。水を加えたらラップをして、電子レンジに入れる。
加熱時間は何分?
気になる加熱時間だが、にんじんの切り方によって変わる。にんじん1/2本の場合、600Wで1~2分が目安となる。薄切りや細切りなど火の通りやすい切り方なら1~2分で十分に火が通るが、厚切りや乱切りだとさらに加熱が必要だ。そのときは500Wに設定し、3分ほど加熱しよう。もし、十分に火が通っていなかったら、30秒ずつ追加して様子をみるとよい。
離乳食の場合の加熱時間
にんじんは離乳食でも使われる。離乳食でにんじんを使う際は、しっかりと柔らかくするのがポイントとなる。そのため、普段よりしっかりと加熱する必要があるが、電子レンジで長時間加熱すると焼け焦げてしまう可能性がある。短時間でしっかりと火を通すために、にんじんは5~10mmの厚さの輪切りにする。あとは普段と同様に耐熱容器ににんじんと水を入れ、加熱する。にんじん1/4本の場合、500Wで2分を目安にしよう。加熱が終わって十分柔らかくなったら、月齢に応じてペーストにする、細かく刻むなどしよう。
2. 火花の危険あり!にんじんの電子レンジ加熱の注意点

硬いにんじんも電子レンジを使えば簡単に柔らかく調理できる。しかし、実はにんじんを電子レンジで加熱すると火花が出る可能性もある。ここでは、電子レンジ加熱で火花が出てしまう原因とそれを防ぐための方法を紹介する。注意点を抑えて安全ににんじんを加熱できるようにしよう。
にんじんのレンチンで火花が出る理由
にんじんを電子レンジで加熱すると火花が出る原因には、にんじんに含まれる水分量が関係している。にんじんはほかの野菜に比べて、水分があまり含まれておらず、加熱によってその水分がなくなってしまうと発火、つまり火花が出てしまう。
また、電子レンジは食材にマイクロ波を当てて温めるのだが、たとえば小さく切った野菜などを加熱すると、マイクロ波が野菜の端の部分に集中することがある。そのため、火花が出たり、焦げ付いたりしてしまうのだ。
火花を防ぐコツ
「にんじんを電子レンジで加熱すると火花が出る」と聞くと怖くなってしまうが、きちんと対策をしていれば問題ない。火花を防ぐためにしてほしいことは以下の3つだ。
にんじんに含まれる水分量を増やすことはできないが、水を加えて加熱することで火花が出るのを防ぐことができる。また、短時間の加熱であれば水分がすべて蒸発してしまう可能性は少ないため、火花が出ることを抑えることができる。にんじんの量を多めにするのも大事なポイントだ。離乳食などで使う場合は少量しか使わないかもしれないが、普通の料理に使うにんじんも一緒に加熱するといった工夫をすれば問題を解消できる。
3. 電子レンジで簡単!にんじん料理4選

電子レンジでにんじんを加熱するときのポイントと注意点が分かってきたところで、いよいよ実践してみよう。ここでは、にんじんメインの料理を紹介する。ちょっと食卓の彩りが寂しいときや、にんじんが余っているときにぜひ作ってみよう。
にんじんのナムル
にんじんのナムルは使う調味料の種類も少ないので、パパっと作ることができる。お弁当のおかずにもぴったりだ。にんじんを細切りにするので、電子レンジでの加熱時間も短く済む。にんじん丸々1本加熱したとしても、600Wで4分ほど加熱すれば火が通る。ごま油やすりごま、醤油などを混ぜ合わせた調味液と和えれば完成だ。
にんじんのグラッセ
にんじんのグラッセは洋食の付け合わせで使われる定番料理だ。柔らかく煮るのに時間がかかる料理だが、電子レンジを使えば短時間で作れる。にんじんは輪切りにし、面取りをする。面取りをすると見た目がよくなるのでおすすめだ。耐熱容器ににんじんと水、有塩バター、砂糖、塩を加え、600Wで1分加熱する。一度取り出し、混ぜ合わせてから再度600Wで1分半加熱すれば、グラッセの完成だ。
にんじんとひじきの煮物
電子レンジを使えば、定番の煮物も簡単に作ることができる。にんじんとひじきの煮物もその1つだ。にんじんは細切りにすれば火が通りやすいため、にんじんをあらかじめ加熱しておく必要はなく、一度に作れる。細切りにしたにんじんと戻しておいたひじき、砂糖、醤油、酒、水など必要な材料をすべて耐熱容器に入れる。軽くラップをして600Wで5分加熱すれば完成だ。短時間でもしっかりと味のしみた煮物を味わえる。
にんじんきんぴら
きんぴらはフライパンでないと作れないと思いがちだが、実は電子レンジでも作ることができる。フライパンで作る場合は、コンロにつきっきりでいなくてはならないが、電子レンジだと放置できるので忙しい朝にも重宝する。細切りにしたにんじんとごま油、醤油、酒、砂糖、水などの調味料を耐熱容器に入れ、600Wで5分加熱する。
ちなみに、にんじんだけでなく、れんこんなどを入れてアレンジしてもよい。同じ耐熱容器に入れて加熱するだけなので、手軽に作れる。
4. 電子レンジ調理したにんじんの栄養

にんじんにはさまざまな栄養素が含まれているが、なかでもβ‐カロテンやビタミンB群、ビタミンCなどが多く含まれているのが特徴だ(※1)。β-カロテンは脂溶性ビタミンのため、水に溶け出すことは少ないといわれているが、ビタミンB群やビタミンCなどは水溶性ビタミンであるため、調理の過程で水の中に溶け出しやすい。そのため、にんじんに含まれる栄養素を逃さずに摂りたいなら、水を使わずに調理するというのがポイントとなる。
電子レンジでは水をほとんど使わずに調理できるため、まさに最適の方法だといえる。また、栄養素のなかには加熱に弱いものもあるが、電子レンジを使えば短時間で調理できるため、損失量を抑えることができる。
冷凍保存のにんじんは電子レンジ加熱OK?
にんじんはそのまま保存することもできるが、冷凍保存することもある。そのときに気になるのが解凍方法だ。食材によっては電子レンジで解凍してから調理するものもある。にんじんの場合はどうかというと、電子レンジで解凍しないほうがよい。電子レンジで解凍してから調理すると食感が悪くなってしまう。冷凍したにんじんは解凍せずにそのまま料理に使うようにしよう。
結論
火を通すのに時間がかかるにんじんだが、電子レンジを使えば短時間で柔らかくすることができる。しかし、にんじんはほかの野菜に比べて、含まれる水分量が少ないため注意が必要だ。水を加える、短時間の加熱にするといった工夫をしなければ、にんじんから火花が出る恐れがあるからだ。電子レンジを上手に活用して、美味しいにんじん料理を作れるようになろう。
(参考文献)
この記事もCheck!