目次
1. なすの種類ってどう違うの?

焼きなす・みそ炒め・麻婆なす・煮びたし・ピリ辛炒め・鍋しぎ・マリネなど、和洋中で味わえるなすだが、どのような種類があるのかを皆さんはご存知だろうか。
なすの分類について
日本のなすの多くは黒むらさき色だが、皮が緑色の青なすや白色の白なすもある。また形は長さが30cmほどの長なすや丸型の賀茂なすも、なすの種類だ。
なすの違い1:栽培される産地
日本のなすの生産量は、327,400トンだ。中でもトップの高知県は9.7%を占めており、次いで熊本県の9.3%、群馬県の7.1%という構成比である。スーパーの店頭に1年中並ぶなすだが、本来は夏の野菜だ。高知県では温暖な気候から、ハウス促成栽培が行われている。また群馬県では、夏は露地の畑で栽培されている。季節により産地が変わるため、1年を通して味わうことができるのだ。ちなみになすは、かつて各地で在来種があった。現在は栽培しやすく色がよい中長なすが多く栽培されているが、昔はそれぞれの土地で特徴をもつなすが栽培されていた。現在、丸なすは秋田県・新潟県・山形県・福島県・京都府に残っており、京都の賀茂なすや山形の民田なす、窪田なすが有名だ。関東は関西と比較すると小型のなすが多く栽培され、真黒なすは卵形の代表品種だった。関西は関東よりも少し長めの長卵形なすが多く栽培されていた。さらに長さのある長なすは東北や中国、四国、九州で多く栽培されていた。
なすの違い2:肉質
なすは大まかに分けて卵形なす・中長なす・長なす・大長なす・米なす・丸なす・小丸なすのような種類があり、それぞれ味わいや肉質の違いがある。たとえば長なすは果肉がやわらかで、賀茂なすは肉質が細かい。また青なすは加熱すると果肉がとろりとやわらかくなり、水なすは名前どおりにみずみずしくやわらかである。
2. なすの種類:代表的な品種編

ここでは日本で代表的ななすの種類を紹介しよう。何気なく手に取って料理に使っている人もいるだろう。そのなすの品種とは?
千両なす
千両なすは岡山県産で、品質が日本一といわれるほどだ。東京や大阪のような市場に出荷されており、色・ツヤ・果肉のしまり・揃いと、すべての面で高評価のなすである。1本の木から300個ほどのなすが作り出され、1個に最低でも4回手をかけるという。京都で目にするなすの浅漬けは、岡山県産の千両なすが多く使われている。ほかにも煮たり焼いたり、揚げたりしても美味しい。
長なす
長なすは長さが30cmくらいある、名前どおりの長いなすだ。おもな産地は関西以西や東北で作られている。九州地方で作られているものは実ややわらかいと言う特徴があり、焼いたり、煮たりといった料理に適している。また東北で作られているものは、果肉がしまっているという特徴があり、漬物に適している。
米なす
米なすはアメリカの品種を改良しており、大ぶりでヘタが緑色だ。特徴は皮が硬くて果肉が密で煮崩れしにくい。おすすめの料理は詰め物をして煮るか、焼き物だ。おもな産地は高知県の幡多地区や高西地区など。
3. なすの種類:漬物向きな品種編

ここでは漬物におすすめのなすの品種を紹介しよう。
民田(みんでん)なす
民田なすとは山形県の鶴岡市民田で栽培されている品種だ。特徴はやや長い卵形で、果皮が硬めで果肉のしまりがよく、噛んだときにパリっとしている。とくに浅漬けやからし漬け、みそ漬け、一夜漬けのような漬物として食べるのにおすすめだ。
泉州絹皮(せんしゅうきぬかわ)水なす
泉州絹皮水なすは大阪の泉州地方で栽培されており、水分をたっぷりと含むなすだ。一般的ななすと比較すると、ずんぐりと丸みがあり、皮が薄くてやわらかな肉質だ。
4. なすの種類:色や形が特徴的な品種編

ここでは色や形が特徴的ななすの品種を紹介しよう。
丸なす
丸なすは全国的に栽培されていた品種だが、中長なすに人気を奪われ現在は京都と山形の一部地域のみで栽培されている。最も有名なのが、京都の伝統野菜である加茂なすだ。肉質はしまっており、煮物や田楽で食べるのにおすすめ。
白なす
白なすは鹿児島で栽培されており、別名は薩摩白なす・白長なす・白丸なす・巾着なすという。形は長なすと丸なすがあり、長なすは果皮はやや硬めだが口当たりがよくて食べやすい。丸なすは果実の大きさに比べて軽めだ。おすすめの調理方法は焼きなす・味噌汁・揚げびたし・煮物・炒め物・パスタ・漬物だ。
5. なすの種類:世界の品種編

最後にイタリア料理に使われるような世界のなすの種類を紹介しよう。
ゼブラ
ゼブラなすはイタリアを代表する品種で、皮のむらさき色がしま模様だ。特徴は皮がやや硬めだが、果肉がしまっている。加熱すると独特の食感が生まれ、苦味なく美味しい。おすすめの食べ方はソテーのような加熱調理だ。
ローザビアンカ
ローザビアンカはロッサビアンカとも呼ばれており、イタリア原産だ。大きさはソフトボールのようで、持つとずっしりと重みがある。表皮はやや硬めだが、切ると中の果肉は緻密で白い。おすすめの調理方法はステーキのように焼くか、フライにすると美味しい。
ホワイトベル
ホワイトベルは白なすで、米ナスに似た形と大きさだ。中の果肉が真っ白で、種も気にならない。あまり硬さはなく、果肉がみずみずしくて加熱するとほどよくやわらかだ。おすすめの調理方法は素揚げしてソースをかけるか、クリーム煮などである。
結論
なすの種類と特徴、おすすめの食べ方を紹介した。これまでとくに種類を意識せず、スーパーや八百屋の店頭でなすを購入していた人もいるだろう。もし丸い形や黒むらさき色でない緑色や白いなすを見かけたら、手にとってみてはいかがだろうか。
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