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米

無洗米の5つのデメリット!メリットは栄養と生活コストにある

投稿者:ライター 井澤佐知子(いざわさちこ)

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2022年1月10日

研ぐ必要がない無洗米は多忙な現代人にとって時短の食材として人気がある。そもそもなぜ米は研ぐ必要があるのだろうか。便利な無洗米には通常の米と比較してデメリットはあるのだろうか。いずれの米を選ぶか悩んでいる人も多いかもしれない。本記事では無洗米の特徴やデメリットについて紹介する。

  

1. 無洗米とは

炊飯器の炊飯ボタン
研ぐ工程を経なくても炊くことができる無洗米は、とくに1人暮らしの強い味方として普及してきた。無洗米はなぜ洗う必要がないのか、その特徴を見てみよう。

なぜとぎ洗いが必要ないの?

通常の米の場合、その表面には強粘性のヌカが残っているため洗わずに炊飯するとヌカの臭いが付いた白飯ができてしまう。これに対して無洗米は、ヌカ臭さの原因となるヌカを加工して取り除いたものである。高速攪拌によってヌカを取り除くBG精米製法、タピオカのでんぷんを使ってヌカを吸収するタピオカ式、そのほか水洗い式や研磨式など、無洗米の加工にはいくつかの手法が存在する。

メリットは栄養を逃さないこと

無洗米のメリットはいくつかある。白米には以下の栄養が含まれている。
米100g中(※1)
  • ビタミンB1 0.02mg
  • ビタミンB2 0.01mg
  • ナイアシン 0.2mg
研ぎ洗いを必要としない無洗米の場合、これらの水溶性の栄養が損なわれないという長所があるのである。(※2)
米を洗う手間を省くだけではなく、水道代の節約にもなるという理由から消費は増加しているといわれている。冬期の炊飯も無洗米ならば冷たい水に触れなくて済む。

2. 無洗米の作り方は安全安心

白米
生産量が年々増加している無洗米。その加工法はひとつではない。無洗米と名乗るためにとくに国の基準はないものの、全国無洗米協会では「水400mlに米3gを入れ、50秒間浸透させた水の濁度が28ppm以下」のものは無洗米と名乗れるとしている。(※3)それぞれの加工法はどのような工程で行われるのか。無洗米の加工法と特徴について詳しく見てみよう。

ヌカ式

無洗米加工の主流といわれるのがヌカ式である。和歌山県にある東洋精米機製作所で開発されたこの加工法は、別名BG精米製法(bran grind)とも呼ばれる。精白した米をステンレスの筒の中で高速攪拌しヌカを金属の壁に粘着させて剥がしとる方法である。除去されたヌカは肥料や飼料として使用される。

タピオカ式

タピオカのでんぷんを使用するユニークな無洗米加工法は、NTWPとも呼ばれている。精白米に水を少量加え、タピオカのでんぷんでヌカを吸収したのち、ボイラーで米を乾燥する。

水洗い式

読んで字のごとく、米を水で洗って乾燥させる方法である。短時間で精白米を洗い、即乾することで無洗米となる。機械で行う作業のため濃いとぎ汁が出るという特徴がある。

研磨式など

無洗米の加工にはそのほか、研磨式という方法がある。これは不織布やブラシでヌカをこすり落とす方法である。研磨式の工程では水は使わないため乾燥する必要はないものの、ほかの方法と比べるとヌカが残りやすいため炊飯の際には軽く水洗いする必要があるとされている。

3. 無洗米の5つのデメリット

米
さまざまなメリットが評価されて普及が進む無洗米。こんどはデメリットに注目してみよう。無洗米がいまだにマジョリティとなれない事実には理由がある。その理由とはどのようなものだろうか。

1.銘柄の選択肢が少ない

全国無洗米協会によれば、無洗米はコメの銘柄に関係なくそのための加工さえすればそう名乗ることができる。しかし、すべての米の種類が無洗米として販売されているわけではないので、選択肢が減るというデメリットが厳然とあるのである。

2.価格が高い

同じ銘柄の米を比較すると、無洗米は通常のタイプよりも割高である。たとえば人気のコシヒカリの一銘柄を参考にすると、白米5kgが3,680円であるのに対し無洗米は3,810円である。一般的に無洗米は通常の米より5%割高なのである。しかし一説によれば無洗米は粒が小さめであるため計量カップで計ると賞味量は多くなるともいわれている。

3.炊飯に時間がかかる

無洗米の普及に伴い、最近の炊飯器には無洗米モードを搭載している機種も多い。通常の炊飯モードと比較すると、無洗米モードはより時間がかかることが多い。これは無洗米の表面にでんぷんが付着して残っていることが多く、焦げや吹きこぼれを避けるために緩やかに炊き上げる必要があるためである。

4.普通米よりも硬い

一般的な傾向として、無洗米を普通米と同じように炊くと硬くなることが多い。早目に水に浸けて準備するなど、無洗米を美味しく炊くための工夫が必要となってくる。

5.匂いがつきやすく乾燥しやすい

無洗米は匂いがつきやすく周囲の環境に影響を受けやすいといわれている。一度ついた匂いは除去できないことをよく覚えておこう。また乾燥や湿気、虫にも注意が必要である。通常の白米と違い、洗ってこれらに対応できないのが無洗米なのである。そのため、日持ちさせるためにはより保存に配慮することが必要だ。もちろん、賞味期限内に消費するのは基本の基である。

4. 無洗米を美味しく炊く方法

炊飯器のできたてごはん
通常の白米とは加工法を異にする無洗米は、炊飯器で炊く場合どのような工夫をすれば美味しくなるのだろうか。無洗米をより美味しく食べるためのいくつかのコツを紹介する。

気になる場合は軽くすすぐ

洗う必要がないのがメリットの無洗米であるが、保存中の汚れが気になる場合には軽くすすぐとよいだろう。その場合には、全体に水が行き渡るように洗うと吸水性がよくなりふっくらとしたごはんが炊ける。

少し多めの水

炊飯器に無洗米モードが搭載されている場合には、水の量も内鍋に記されている通りに入れれば問題ない。通常の炊飯モードの場合には、無洗米1カップにつき大さじ1~2杯の水を大めに入れるようにすると美味しいご飯になる。

吸水させる時間はしっかりと取る

無洗米は炊飯前の吸水時間をしっかりと確保することが美味しいごはんを炊く最大のコツとなる。水温が低い冬場は1時間、夏でも最低30分は水に浸けることを心がけよう。この工程を経ることによって、美味しさは格段にアップする。

結論

時短や節水などさまざまなメリットがある無洗米は、近年消費が増えているといわれている。無洗米の加工にはいくつかの方法があり、美味しい米を食べるための企業の努力が反映されている。とはいえ無洗米にもいくつかのデメリットは存在する。工夫やコツを会得して、無洗米を正しく保存し美味しく調理してそのデメリットを克服してほしい。
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  • 更新日:

    2022年1月10日

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