目次
1. 伊達巻の基礎知識

ここでは伊達巻の名前の由来や、基本的な作り方を紹介しよう。
伊達巻の由来は諸説あり
伊達巻の伊達は人目をひく、目立つ、オシャレといった意味がある。伊達巻の名前の由来には諸説あり、伊達巻の見ためがあざやかな黄色で形も華やかなため、派手な巻き卵の意味で「伊達巻」と呼ばれたのが1つの説だ。もうひとつの説は、江戸時代にオシャレな人を伊達者と呼び、その人の着物の柄が伊達巻に似ていたため、伊達巻と呼ぶようになったという。
さらに戦国武将の伊達政宗は、ヒラメの肉に卵を加えて焼く平玉子焼が好物だった。この平玉子焼はいつしか伊達焼と呼ばれ、すだれを使って巻くため、後に伊達巻と呼ぶようになったという説もある。
伊達巻の材料って何?
伊達巻を作るのに使用する食材は卵や魚のすり身、砂糖など。それを混ぜて焼き上げて、くるくるとうず巻きのように巻けば完成だ。伊達巻には大きく分けると2種類あり、1つは水分多めでジューシーなものと、もう1つは水分が少なめでカステラのような食感のものだ。
基本的な作り方
伊達巻の具体的な作り方を紹介しよう。まず、先述した材料に酒とみりん、しょうゆ、塩を加えてミキサーかフードプロセッサーで混ぜる。魚のすり身を用意するのが大変な場合は、はんぺんで代用するとよいだろう。
フライパンに油をひいて卵液を流し入れ、途中で裏返しながら、ふたをして弱火で15分ほど焼く。竹串を刺して液体が付かなければ、フライパンから取り出して端を切り落とす。焼き色が付いている面を上にし、切り落としておいた端を巻いて芯にするために手前に乗せる。巻きすで巻いて、輪ゴムで固定して冷ます。最後に食べやすい大きさに切れば、おせち料理に欠かせない伊達巻の完成だ。
2. おせち料理の意味や願い

伊達巻に限らず、おせち料理ひとつひとつには、それぞれ意味や願いが込められている。そもそもおせち料理には、どのような意味があるのだろうか?見ていこう。
おせち料理を食べる理由は知ってる?
皆さんはお正月におせち料理を食べる意味をご存知だろうか。おせち料理には栗きんとんや昆布巻き、かまぼこ、数の子、エビ、菊花かぶなど、それぞれ料理ごとに食べる意味がある。一般的にどれも縁起物としての意味があり、さまざまな正月の行事と同じで五穀豊穣や子孫繁栄、無病息災といった願いが込められているのだ。
おせち料理に込められた意味
それぞれのおせち料理に込められた意味を紹介しよう。おせち料理の基本といっても過言でないものが祝い肴三種だ。三つ肴ともいい、完全を意味する三に通じる。
関東や関西でそれぞれ祝い肴三種として知られているのは、関東が黒豆・数の子・ごまめ、関西が黒豆・数の子・叩きごぼうである。どちらも黒豆と数の子は共通しているが、関東がごまめで関西が叩きごぼうという違いがある。
黒豆の「まめ」は健康という意味だ。元気で暮らせるように......という願いが込められている。さらに、数の子は卵がたくさんあることから、子孫繁栄の願いが込められている。
3. お正月に伊達巻を食べる意味を知ろう

ここでは、お正月におせち料理で伊達巻を食べる意味を解説する。
おせち料理で食べる意味:1.学業成就
伊達巻は巻いた形状が巻物に似ているため、学業成就の願いが込められている。なぜなら巻物は古い時代に、勉強するときに使われる書物であったため、知性を連想させるからだ。その巻物に似ているので、伊達巻は学業成就の願いを込めて、おせち料理で食べる意味があるという。
おせち料理で食べる意味:2.子孫繁栄
先述したように伊達巻は卵を使用して作る料理だ。卵は子どもを連想させるため、子孫繁栄の願いが込められているともいわれている。また卵の丸い形が、家庭円満を表現しているという。
もちろん料理としての役割も
伊達巻きはおせち料理のなかで、重箱の1段目に詰めることが多い。甘い味付けも特徴の1つで、老若男女を問わず好まれる料理である。ちなみに江戸時代、長崎県に伝わったカステラ蒲鉾という食べ物が、伊達巻のはじまりといわれているが、これには諸説ある。
結論
おせち料理で人気の伊達巻をお正月に食べる理由や名前の由来、作り方、使用する材料を紹介した。これまでとくに何も気にせず、伊達巻を食べていたという人もいるのでは?食べ物としての美味しさはもちろん、おせち料理として食べる意味を考えながら味わうのもありだろう。
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