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西洋肉料理

フランス料理の歴史|現在のマナーやソースの発祥はいつ?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2022年1月25日

フランス料理にはどのようなイメージを持っているだろうか。家でも気軽に楽しめるようになってきているが、高級フレンチのイメージも強い。マナーも細かく決まっているため、苦手な人も多いはずだ。ここでは、フランス料理が誕生したきっかけや現在の形になるまで、さらには日本ではどのように浸透していったのかを解説する。

  

1. フランス料理の発祥と歴史

フランス料理
フランス料理の歴史は奥深いイメージがあるが、実際にどのような歴史だったかを聞かれると答えに窮してしまう人は多いだろう。ここでは、フランス料理の歴史を5つのグループに分けて紹介する。

フランス料理の発祥は14世紀の宮廷料理

現在のフランス料理は中世の宮廷料理が発祥となっている。中世と聞くと遠い昔に感じるかもしれないが、意外にもフランス料理の発祥は14世紀で歴史は浅い。では、それまでのフランス料理はどうだったかというと、肉はローストしただけ、野菜は茹でただけといったようなシンプルな料理ばかりだった。味付けもシンプルで、肉や野菜をパンにのせて食べるのが一般的だった。ちなみに、このときはマナーなどなく手づかみで食べていた。
14世紀に入りフィリップ6世の時代になると、ギヨーム・ティレルというシェフが登場する。宮廷に仕えていたギヨーム・ティレルは料理体系の整備などを行い、現在のフランス料理の基礎を作ったとされている。ギヨーム・ティレルはその後もシャルル5世、シャルル6世に仕え、宮廷料理を確立していった。

イタリア料理の影響を受けた16世紀

フランス料理の基礎ができあがったが、16世紀にさらなる変化を遂げるようになる。そのきっかけはフランス国王とメディチ家の婚姻だ。メディチ家は当時のイタリアを代表する大富豪で、1533年にフランス国王アンリ2世とメディチ家のカトリーヌが結婚するとイタリアからさまざまな文化がフランスに流れ込んできた。その1つがイタリア料理だった。カトリーヌはフランスへ嫁いでくる際に、イタリアンシェフも連れてきていた。それまでのシンプルな料理から砂糖や香辛料を使った料理へと変化し、ナイフやフォークを使うマナーも取り入れられるようになった。ちなみに、スープは音を立てずに飲むというマナーはイタリアから入ってきたものがフランスに定着したといわれている。

宮廷料理人が活躍した17世紀

イタリア料理の流入により大きく変化したフランス料理だが、17世紀に入るとフランス料理独自の進化を遂げるようになる。宮廷料理として、見た目と味わいともに洗練されるようになる。ちなみに、高級フレンチの代名詞である「オートキュイジーヌ」はこのときに完成したとされる。宮廷料理として完成したフランス料理は総合芸術として楽しまれるようになったが、あくまで貴族など一部の人に親しまれる料理だった。

フランス革命でレストランが開業した19世紀

それまでは一部の特権階級のみが楽しんでいたフランス料理だが、18世紀末に起きたフランス革命により再び転機を迎える。宮廷で働いていた料理人の多くはフランス革命により失業することになった。そのため、市街地でレストランを開業することになるのだが、それにより市民の間に広まり、よりフランス料理が洗練されるきっかけとなった。アントナン・カレームという料理人はフランス料理の基本となるソースを作り上げ、より現代的なフランス料理を築き上げた。

エスコフィエが活躍した19世紀後半

フランス全土に広がったフランス料理は、19世紀後半になるとさらに大衆化される。そのきっかけとなったのが、エスコフィエだ。料理人であったエスコフィエはフランス料理をより簡単にアレンジし、一般市民でも作れるようにした。そのレシピが広まるとフランス料理がより身近なものとなり、より親しみやすい料理に変化した。

スターシェフが活躍する現在

1930年代に入ると、エスコフィエの弟子であるポワンが時代に合わせてフランス料理を変化させていく。他国の料理のエッセンスを取り入れたり、時代に合わせて味付けを変えたりとさまざまな工夫がされ、現在まで続いていく。現在もスターシェフによってフランス料理の探求は続けられており、日々新しいフランス料理が誕生している。

2. フランス料理のソースの歴史

フランス料理鴨肉
フランス料理で欠かすことができないのがソースだ。味わいはもちろん、食材の上にかけられたソースは料理の演出にも一役買っている。ソースの歴史は中世に始まったとされている。煮込み料理の煮汁、つまり旨みがたっぷりと詰まった煮汁をベースにさまざまなソースが生み出された。これらのソースを以下の4種類に分けて体系化したのが、アントナン・カレームだ。
  • ソース・アルマンド
  • ソース・ベシャメル
  • ソース・エスパニョール
  • ソース・ヴルーテ
これらのソースはソースの基礎となっており、これらを派生させて新しいソースが誕生することになる。ここからさらに手を加えて新しく体系化したのが、エスコフィエだ。エスコフィエはソース・アルマンドの代わりに「オランデーズソース」を加え、さらに「トマトソース」を付け加えて5種類にした。現在使われているソースも5種類のソースがベースとなっており、ソースの歴史は脈々と受け継がれている。

3. フランス料理の食事マナーの歴史

角皿やフォーク、ナイフ、スプーン
フランス料理のマナーの歴史は16世紀までさかのぼる。それ以前は手づかみで食べるのが一般的で、食べる際の作法などはとくに決まっていなかった。汚れた手はテーブルクロスやナプキンで拭うだけだったため、当時の食事環境があまりよくなかったことは想像に容易い。しかし、イタリアからメディチ家のカトリーヌがフランス王室へと嫁いでくると、マナーが大きく変化する。それまでは手づかみで料理を食べていたが、ナイフやフォークを使って食事をするようになった。さらに、カトリーヌと一緒にやってきた料理人が「食事作法の50則」というマナー本を作成し、ナイフやフォークの使い方、料理の食べ方について広めた。ちなみに、フランス料理といえばコース料理が一般的だが、当時は一度に料理がテーブルに並べられており、各々が食べたいものを食べていた。コース料理が歴史上に誕生するのは18世紀になってからで、全員が同じ料理を同じタイミングで食べられるようになった。

4. 日本におけるフランス料理の歴史

コース料理・創作料理
歴史の荒波に揉まれながら、さまざまな変遷を遂げてきたフランス料理だが、日本にやってきたのは明治時代だ。開国により外国人が日本へやってくるようになると、築地にホテルを建てた。そこで料理長を務めていたフランス人シェフ、ルイ・ベギューは宮中晩餐会の料理も手がけており、日本での「フランス料理の父」となった。また、外国人居留地となっていた築地では洋食を提供する店があり、日本に洋食を広めるきっかけとなった。1872年に開業した築地精養軒は本格的な洋食が楽しめるとして人気になり、有名な文豪も通ったとされている。1876年には上野にも支店を出しており、人気の高さが伺える。
当時はフランス料理を学ぶために渡仏した人もおり、日本人がフランス料理を作れるようになる。なかでも著名なのが秋山徳蔵だ。秋山徳蔵は日本国内の洋食店で修行後、フランスにわたりエスコフィエのもとで修業したといわれている。天皇の料理番としても腕をふるった秋山徳蔵は日本でのフランス料理の地位を確固たるものにした。現在では和食と融合したフランス料理が誕生するなど、新しい歴史が刻まれている。

5. フランス料理の歴史に詳しくなれる本

木製の机の上に積まれた古い本
フランス料理の歴史を紹介してきたが、さらに詳しく知りたいという人もいるだろう。ここでは、フランス料理の歴史について書かれた本を紹介する。

角川ソフィア文庫「フランス料理の歴史」

この本はフランスで刊行されたものを日本語に翻訳したものだ。ここでは紹介しきれなかった料理人や美食家についても書かれているので、より詳しい歴史を知ることができる。また、フランスと各国の関係にも着眼しているため、より広い視点でフランスの歴史を知ることができるのも面白い。

中央公論新社「フランス料理と批評の歴史―レストランの誕生から現在まで」

フランス革命時、およびその後のフランス料理の歴史をレストランの歴史と合わせて書いた本だ。フランス革命以降もフランス料理は激動の変化を遂げている。その過程をより詳しく知ることができる。

柴田書店「プロのためのわかりやすいフランス料理」

この本にはフランス料理の歴史と技術が書かれている。「プロのため」という言葉からも分かる通り、料理人向けの本だがフォンやソースなどの歴史が書かれており、素人でも楽しむことができる。フランス料理の歴史だけでなく、フランス料理を作ってみたい人にもおすすめだ。

結論

現代に繋がるフランス料理の歴史が始まったのは14世紀だ。その後はイタリア料理の影響を受けたり、宮廷料理が洗練されていったりとさまざまな転機を経て現在のフランス料理の形になる。時代によってどのような変化を遂げたのか、それぞれの時代の料理人がどのような工夫をしていったのかを知るとフランス料理の新しい一面が知れる。気になる人はぜひ本もチェックしてみよう。
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  • 公開日:

    2022年1月24日

  • 更新日:

    2022年1月25日

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