目次
1. 郷土料理とは?地域特有の伝統料理のこと

郷土料理とは、地域特有の食材を用いて作られた伝統食のことだ。地域の特性や習慣などを取り入れ調理された郷土料理は、現在ではその地域だけに限らずさまざまな地域で味わうことのできる料理としても広がりを見せている。
地方独自の郷土料理が生まれた背景とは?
地方独自の郷土料理が生まれた背景には、多くの特産物をその土地で大量に消費保存するために作られた料理だ。その土地の食材を美味しく味わうとともに、長期保存を可能にするよう工夫された郷土料理も多く存在している。
郷土料理と郷土食の違いとは?
郷土料理とは、地方独自の食材などを活かした料理のことだが、郷土食とは、地方の食、農村の食ともいわれ、自給自足で味わう食事のことだ。郷土食は、主に家庭で味わうために作られていたが、近年ではレストランやネット販売などでも販売されるようになった。
2. 日本全国の郷土料理とは?

日本全国の特産物を活かした郷土料理は多く存在している。それぞれの地域で親しまれている郷土料理にはどのようなものがあるのかチェックしてみよう。
山形の郷土料理とは?
山形の郷土料理といえば、いも煮だ。いも煮とは、里芋や牛肉、こんにゃくなどの具材を砂糖や醤油で甘辛く煮詰めたものになる。いも煮は、江戸時代に里芋と干した鱈を煮て食べたのがはじまりだといわれる説と、旧暦の8月の15夜に里芋をお供えする習慣から生まれた説がある。
奈良の郷土料理とは?
奈良の郷土料理といえば、菜めしだ。菜めしは、大和まなや鶏肉をお米と一緒に炊いた炊き込みご飯のことになる。大和まなは奈良の伝統野菜で、鶏肉と一緒に炊き込む菜めしとして食べられていたのだ。
福島の郷土料理とは?
福島では、豚ひき肉や大根、ゴボウ、人参などを炒めて餅と凍み豆腐を一緒に味わう引き菜もちが郷土料理として愛されている。もちを食べる時に大根を一緒に食べると胸焼けしないといわれ、棟(むね)焼けに置き換えられ、火事にならないようにという願いを込めて食べられていたのだ。
東京の郷土料理とは?
東京の郷土料理といえば、有名なのが深川めしだ。深川めしはあさりと人参やごぼうを醤油や砂糖で炊き込んだものだ。昔、東京の深川地区でたくさんのあさりが獲れたことから、甘辛く煮込んだあさりをどんぶりにして食べる深川めしが広がった。
青森の郷土料理とは?
青森の郷土料理といえば、せんべい汁だ。南部せんべいを鶏もも肉やごぼうや人参などと煮込んだ汁物だ。もともと、お米を食べることができなかった青森県南部の人々は、麦やそば粉からやわらかいせんべいを作り、それを汁物にちぎっていれたのがはじまりになる。
宮城の郷土料理とは?
宮城県の郷土料理はおくずかけだ。おくずかけは、里芋や人参、あぶらあげなどとうーめんと呼ばれる白石温麺を煮込み、くず粉でとろみをつけたものになる。お彼岸やお盆に食べられる精進料理で、家庭料理としても親しまれているのだ。
京都の郷土料理とは?
京都の郷土料理であるにしんなすは、身欠きにしんとなすを甘辛く炊き込んだものだ。もともと昔は交通の便が悪く海が近くになかった京都では、干した魚を使った料理が盛んで、北海道から運ばれてきた身欠きにしんを使ったおかずとして、にしんなすが親しまれていた。
長崎の郷土料理とは?
長崎の郷土料理、具雑煮は、具沢山のお雑煮のことだ。鶏肉や魚、里芋、白菜、大根などさまざまな具材を煮込んだ中に、もちを入れ、一品で多くの栄養が摂れる料理である。家庭によって使う具材もさまざまなでいろいろな味が楽しめる。
大阪の郷土料理とは?
大阪の郷土料理は水なす漬だ。水なすは大阪の泉州南部の特産品でもあり、みずみずしくやわらかい食感を活かして、浅漬けにして加工されるようになった。
北海道の郷土料理とは?
北海道では、塩漬けした鮭や鱈などと野菜を煮込んだ三平汁が郷土料理として親しまれている。塩漬けした魚を使うことで、調味料も必要なく素材の旨みを活かした味わいが楽しめるのだ。
3. 世界各国の郷土料理とは?

日本だけではなく、世界各国にも郷土料理は存在する。その中には、日本でも人々に親しまれている料理も多く、アメリカのハンバーガーやメキシコのタコス、イギリスのフィッシュアンドチップスなどがある。ほかにも韓国のキムチやトルコのケバブなどよく目にする料理も多いのだ。それぞれの国々から発展した郷土料理は、国境を超えさまざまな地域で親しまれている。
結論
郷土料理とは、その地域で発展した食文化であり、地域の特産物などを使用した料理も多い。最近では、限られた地域だけではなく日本中で親しまれるようになった郷土料理もある。それぞれの地域の郷土料理を知ることで、その地域の風土や特産物などを知るきっかけになるので、いろいろな郷土料理を味わってみてもらいたい。
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