目次
1. ケーキってそもそもどんなスイーツ?

当たり前に知られる言葉として存在するケーキだが、実際にケーキの意味を説明するとなると難しいものである。ここではいったん、ケーキの定義について学んでいこう。
ケーキの定義とは?
世界をみてみるとケーキの概念は国によってさまざまだ。たとえば、アメリカではケーキといえば、キャロットケーキやスパイスケーキなど、ベーキングパウダーを使って膨らませたものが主流だ。デコレーションは生クリームではなく、バタークリームやフロスティングが多い。フランスでは小麦粉、卵、砂糖、バターを合わせてオーブンで焼いたものをガトー(gateau)と呼ぶ。日本語訳にするとケーキにあたる。チョコレートやドライフルーツで装飾してあるものも一般的だ。
日本でのケーキ
日本でケーキというと洋菓子のなかでもショートケーキやチーズケーキ、ミルフィーユなどを指すのが一般的である。スポンジを使ったものなど、比較的柔らかいものを指す場合が多い。ただ広義で見るとパウンドケーキやフィナンシェなどの焼き菓子のケーキもこれに含まれる。洋菓子全体を指すという見解もあるが、現在はさまざまな洋菓子があるので、その区分けはいささか乱暴に映る。
日本生まれのショートケーキ
ケーキの定番、ショートケーキは日本生まれのケーキだといわれている。というのも海外には、ふわふわスポンジにいちごが挟まれているようなショートケーキは存在しないのだ。ショートケーキの語源は、short=くずれやすい、(賞味期限が)短い、ショートニングを使っているからなど、諸説ある。
日本式のいちごのショートケーキは、イギリス生まれのケーキがルーツになったようで、1920年代に登場した。本家ではショートブレッドやスコーンのようにサクサク、ほろほろとした生地でいちごをはじめとするフルーツを挟んでいたようだ。
2. ケーキの種類

ひとくちにケーキといってもさまざまな種類がある。ここでは生地や素材による分類から、その特徴にフィーチャーしていきたい。
スポンジケーキ
スポンジケーキとは、その名の通りスポンジ状になった生地のことで、卵黄と卵白を別々に泡立てて作るものをビスキュイ生地、全卵を泡立てて作るものをジェノワーズ生地と呼ぶ。スポンジケーキはふわふわの食感がポイントで、さまざまなバリエーションがある。
【ロールケーキ】
シンプルに生クリームを巻いただけのタイプから、フルーツを巻いたもの、ココア生地のものなど、バリエーションも豊富でおもたせとしても人気がある。
【ブッシュドノエル】
切り株をイメージしたケーキでクリスマスに食べるケーキのこと。スポンジ生地をベースにチョコレートクリームでデコレーションしたものが定番だ。
【シフォンケーキ】
卵白を泡立てて空気をたくさん含ませたメレンゲを使うため、口溶けがよくふんわりとした食感を楽しむことができる。味わいのバリエーションも豊富で、紅茶や抹茶、チョコレート、オレンジなど、幅広い。生クリームを添えて食べるのが定番だ。
【デコレーションケーキ】
いわゆるショートケーキやチョコレートケーキなど、生クリームでデコレーションされているケーキの多くは、スポンジケーキを使用している。
【モンブラン】
栗を使ったケーキ、モンブランも中にスポンジケーキが使われているものが一般的である。
チーズケーキ
チーズケーキとはチーズを使ったケーキのことである。チーズケーキは作り方や材料によって名前が変わる。
【ベイクドチーズケーキ】
その名の通り、焼いたチーズケーキのことで、最近トレンドのバスクチーズケーキもこの一種である。
【レアチーズケーキ】
こちらもその名の通り、レア=生の状態からつけられた名前だ。焼かないものが基本でゼラチンで固めるものも多い。タルト生地をベースにしたり、ベイクドチーズケーキの上にレアチーズケーキが乗っているというバージョンも。
【スフレチーズケーキ】
口に入れると溶けてなくなるような食感が特徴のスフレチーズケーキは、日本生まれだといわれている。しゅわしゅわと溶けるのは、卵白を泡立てたメレンゲを使っているから。軽くて食べやすい。
【ニューヨークチーズケーキ】
ニューヨークで愛されているチーズケーキで、ベースにグラハムクラッカーを砕き、バターと合わせて固めた、簡易なタルト生地をベースにしていることが多い。チーズの分量が多く、濃厚な味わいも特徴だ。
バターケーキ
バターケーキは、バターをたっぷりと使った焼き菓子タイプのケーキのこと。
【パウンドケーク(カトルカール)】
シンプルなパウンドケーキは、バターケーキの一種である。小麦粉、バター、砂糖、卵を1/4ずつ入れて作るレシピが基本であることから、フランス語で1/4を意味するquatre-quartsと呼ばれることもある。ドライフルーツやナッツ入りのもの、ココアや抹茶などフレーバータイプなど、こちらも味わいのバリエーションが多彩だ。
【マーブルケーキ】
ココアとプレーンをミックスしてマーブル柄に仕上げたケーキもバターケーキの一種である。美しい見た目から贈答品としても人気が高い。
【フィナンシェやマドレーヌ】
マドレーヌやフィナンシェなどの焼き菓子もバターケーキが基本。アーモンドプードルが入っているものが多く、より濃厚な味わいだ。
チョコレートケーキ
チョコレートケーキにもいくつか種類が存在する。国ごとに愛されているレシピも異なる。
【ガトーショコラ】
ガトーショコラは、フランス生まれのチョコレートケーキ。小麦粉が少ない、濃厚でリッチなチョコレートを楽しむためのケーキである。
【ブラウニー】
アメリカ生まれの比較的ライトな焼き菓子だ。中にくるみが入っているのが定番で、四角にカットされているものが多い。
【ザッハトルテ】
オーストリアで愛されているチョコレートケーキの王様とも呼ばれるケーキ。本来はホテル「ザッハー」と人気の菓子店「デメル」で販売されているものだけを指していたが、今では、ケーキの種類のひとつとして認識されている。チョコレート入りのバターケーキに杏ジャムを挟む、または塗り、さらにチョコレートコーティングした濃厚なケーキだ。
パイ
日本では、パイもケーキの仲間と認識されている。フルーツを使ったものが多い印象だ。パイはバターがたっぷりと使われた生地を焼き上げたもので、サクサクとした食感が特徴である。
【アップルパイ】
砂糖で煮たりんごをパイで包んで焼き上げたもの。世界各国で愛されている。
【ミルフィーユ】
フランス生まれのパイ菓子で、パイ生地とクリームを重ねたもの。パイのサクサクとした食感と濃厚なクリームとの相性がいい。イチゴなど、フルーツを使ったものも多い。
3. 洋菓子店のケーキの種類

実際に人気洋菓子店では、どんなケーキが販売されているのだろう。定番のケーキをピックアップしてみよう。
不二家のケーキ
不二家のケーキは、バラエティに富んだラインナップで、季節限定商品も多い。いわゆるケーキはカットケーキとアニバーサリースイーツ(ホールケーキ)に分けられている。また、ショートケーキやチーズケーキ、チョコレートケーキ、モンブランなどの定番ケーキは、味わいや製法によっていくつかのバリエーションがある。
【プレミアムショートケーキ】
国産のいちごを使用したリッチなショートケーキ。口溶けのいいシャンテリークリームをたっぷりと使い、いちごは中にもサンドされている。軽くて、ぺろりと食べることができる。
【しっとりスフレチーズケーキ】
滑らかな口あたりとまろやかな味わいが特徴のスフレチーズケーキは、フランスブルターニュ産のクリームチーズを贅沢に使用。
【五郎島金時芋とりんごのパイ】
りんごが入ったクリームと五郎島金時のペーストをパイ生地で包んで焼き上げたもの。サクサクとしたパイ生地と濃厚なフィリングの相性が絶妙だ。
シャトレーゼのケーキ
丁寧にきちんとした素材を使って作ったお菓子をリーズナブルな価格で提供してくれる庶民の味方、シャトレーゼ。ケーキの種類も豊富で、アレルギー対策商品など、食のバリアフリー化も進んでいる。ものによっては、通信販売もあり。
【スペシャル苺ショート】
卵の味わいが感じられる繊細なスポンジ生地は、ふわふわの食べ心地。ホイップクリームといちごをバランスよくサンドしたショートケーキは、見た目にも美しい。
【ガトーショコラ】
ふんわりとしたココア入りのスポンジ生地とブラックココアスポンジ生地を重ね、ミルクチョコレートクリームをサンドしたケーキ。スポンジにしみ込ませたコーヒーシロップがアクセントに。全体をクーベルチュールチョコレートでコーティングした見た目が、洗練されたムード。
【トリプルチーズケーキ】
レアチーズ、ベイクド、スフレと3つのチーズケーキを組み合わせたうれしい逸品。ほどよい酸味のレアチーズ、どっしりとした味わいを楽しめるベイクドチーズ、溶けるようなスフレと食感の違いを楽しむことができる。
六花亭のケーキ
北海道を代表する銘菓マルセイバターサンドの生みの親、六花亭。愛らしいプリントのボックスや缶、紙袋でも有名だ。さまざまなお菓子があり、店舗や喫茶店もあるので、それぞれ食べられるものは異なる。今回は、オンラインショップで取扱いのあるケーキをリサーチ。
【マルセイバターケーキ】
バターの風味感じられるリッチなスポンジ生地でチョコガナッシュをサンドしたケーキ。ふわふわ食感なので、あっという間に食べ終わってしまう。個包装なので、ギフトにも重宝する名品。
【大平原】
北海道産のバターをたっぷり、贅沢に使用したマドレーヌ。少し温めて食べるとその美味しさをさらに味わうことができる。こちらも個包装で便利。大袋入りのプチサイズも愛らしい。
【万作】
レモンの皮と果汁を使ったパウンドケーキは、さわやかな酸味が特徴。レモンのアイシングがまるで花や雪のようで、美しい。口溶けのよさも秀逸だ。
結論
30年ほど前まではショートケーキやチーズケーキなど定番、数種類であったが、今では非常に多くの種類が存在するケーキ。年々進化するため、区分けや種類を断定するのは非常に困難で、ここで紹介したケーキの種類はごくごく一部である。しかし、どれをとっても甘くて幸せを与えてくれることは同じ。ご紹介した有名店でまずはお気に入り探しをしてみては?
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