目次
- ※1:農林水産省「食酢とはどのようなものですか。」 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1701/spe2_01.html
- ※2:農林水産省い「特集2香酸かんきつ」 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1701/spe2_01.html
- ※3:農林水産省「主な果物の健康機能性」 https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/engei/attach/pdf/iyfv-34.pdf
- ※4:公益財団法人長寿科学復興財団「ビタミンCの働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-c.html
- ※5:農林水産省「みんなの食育」 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics5_04.html
- ※6:公益財団法人長寿科学復興財団「第1回春の養生」 https://www.tyojyu.or.jp/net/essay/chuigaku-kampoyaku-kokorotokarada-genki/haru-yojo.html
1. 酸っぱい食べ物の成分と効果

酸っぱいとは、一体どんなことか?酸っぱいと感じるの酸味の成分を紐解き、その効果について学んでいきたい。
酢酸
酢酸とは脂肪酸のひとつで、我々が普段口にしている食酢に多く含まれている。アルコールを酢酸に変換してくれる菌を総称して、酢酸菌と呼び、米酢や穀物酢、りんご酢、ワインビネガーなど酢の多くは、この働きを利用して作られている。
酢酸を含む酢は、非常に古くから人々の暮らしに寄り添ってきた。食塩と並び、人類最古の調味料として知られている。そもそもは薬と捉えられていたほどで、防腐効果や減塩効果、疲労回復効果などが認められている。(※1)
クエン酸
クエン酸とは、柑橘類の酸味の主になる成分である。疲労回復効果や血流改善などに効果があるとされているが、十分なエビデンスにはまだ至らない部分も多い。(※2)(※3)
リンゴ酸
その名の通り、りんごに含まれるリンゴ酸。ぶどうや梨、バナナなどの果物にも含まれるもので、りんごから発見されたことからこの名前がついたとされている。効果としてはクエン酸に近いものがあるようだが、こちらも十分なエビデンスには至らない部分も多い。
ビタミンC
水溶性ビタミンのひとつであるビタミンCだが、人間は体内生成できないため、食べ物からビタミンCを摂取する必要がある。化学名称はアスコルビン酸。コラーゲン生成に欠かすことのできない化合物であるため、不足すると壊血症や貧血、呼吸困難になる危険性も。風邪や日焼けにも効果的で、昨今では抗酸化作用も注目されている。(※4)
2. 酸っぱい食べ物を活用する

酸味の各成分についての効果は理解できたが、実際に酸っぱい食べ物は、日常生活においてどんな効果を発揮してくれるのだろうか?詳しくみていこう。
減塩対策に
高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、塩分との関係が深い。多くの人が目標値よりも多く塩分を摂取しているという統計もあるので、生活習慣病の人でなくとも減塩を意識する必要がありそうだ。(※5)
そんな減塩に効果があるのが酸っぱい食べ物である。酸味は旨みを引き出すだけでなく、味をまとめたり、塩味をよりはっきりと感じさせてくれたりする効果があるのだ。減塩効果があると言われるのはこのためである。
肝の働きを整える
漢方や中医学の世界では、酸味は肝の働きを整えるのに効果的であるとされている。(※6)
3. 酸っぱい食べ物といえば

外食やコンビニのごはんが続くと酸っぱいものが食べたくなる、疲れていると酸味を欲する、これは疲れやストレスが溜まっているサインかもしれない。上手に酸っぱい食べ物を摂取するアイデアを学んでいこう。
梅干し
酸っぱい食べ物の代表格といえば、梅干し。思い浮かべるだけで唾液が出てくるのだから、すごい効果である。梅干しにはクエン酸が多く含まれている。生姜、醤油、番茶と合わせた梅醤番茶は風邪や冷え、喉のトラブルなど、民間薬として親しまれてきた。
梅干しは、そのまま食べるのはもちろん、ごはんを炊くときにひと粒乗せて炊くと防腐効果とともに風味もよくなる。また和え物に使ってもいいだろう。
香酸かんきつ類
香酸かんきつとは、みかんのように実を食べるのではなく、果汁や果皮の香りを楽しむものである。かぼすやゆず、シークワーサーなどがそれに当たる。
自家製ポン酢を作るのもよし、焼いた魚や肉にかけてもいい。また塩と香酸かんきつで刺身を食べるのもおすすめだ。冷奴やそうめんやうどんの漬け汁に入れる、揚げ物にかけるなど、幅広い使い方ができる。(※2)
お酢
お酢は大きく分けて醸造酢と合成酢に分けることができる。酢酸のパワーを存分に味わうのであれば、醸造酢を選ぶのが正解である。(※1)
酢の物はもちろん、お酢を使った煮物は酸味が和らぎ、食べやすい。さらに肉や魚が柔らかくなる効果もある。
結論
酸っぱい食べ物に含まれる酸の成分は、体内代謝に重要な役割を果たす。これが巡り巡って、疲労回復に効果を発揮するため、健康にいいと言われるのだ。また、酸味は減塩にも効果的である。ぜひ、新鮮なかんきつ類や昔ながらの作り方で作られた醸造酢を上手に活用して、酸っぱい食べ物を毎日の食事に取り入れたい。
(参考文献)
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