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ジャガイモ

じゃがいもの青いところは食べられる?食中毒の症状や対策法を紹介

投稿者:ライター 井澤佐知子(いざわさちこ)

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2022年1月30日

料理方法が多く食べやすいじゃがいもは、家庭における常備率が高い食材のひとつである。保存性の高さも人気のじゃがいもであるが、青くなったじゃがいもを発見した経験がある人も多いだろう。青いじゃがいもは食べることができるのか。本記事ではじゃがいもの青くなった部分について説明する。

  

1. じゃがいもの青い部分は食べられる?

収穫のジャガイモのバケツ
料理のためにじゃがいもを取り出したら緑色になっていたり青みがかっていたりする。とくに腐敗したような気配もなく、ただ色が変わっただけのじゃがいもは食べても大丈夫なのだろうか。まずはその正体と危険性について見ていこう。

毒素が増えてしまっている

成熟したじゃがいもの芽や皮の部分には、ソラニンという天然毒素が存在することがある。苦味を有するソラニンは、日光が当たると青くなって増殖する性質がある。そのため、緑色を帯びていたり青く変色したじゃがいもには毒素があることを覚えておかなくてはいけない。(※1)

青い部分以外は食べられる

毒素が入っていると聞くとじゃがいもそのものを破棄したくなるが、厚生労働省によれば、芽が出た部分と青く変色した部分しっかりとを除去すればそのじゃがいもを食べることは可能である。皮は厚くむいて毒素が残らないようにしよう。(※1)

2. じゃがいもに青い部分ができる原因

ジャガイモ
じゃがいもという普及度が高い食材に毒素が含まれると聞くとびっくりするが、その概略について学んでみよう。じゃがいもを青く変える物質とは、どのように生まれどのような性質を持っているのだろうか。

光合成によって色に変化が起きる

じゃがいもの色を変えるソラニンは、日光に当たることで青色や緑色を呈して増える。(※2)また傷が付いた場合にもソラニンが増える可能性がある。(※3)農家が販売用に栽培するじゃがいもにはそれほど多くはないものの、自家栽培した場合や栽培の条件によってはその数が増えるとされている。(※2)

天然毒素のソラニンやチャコニン

じゃがいもに含まれる毒素ソラニンやチャコニンは、農薬などの付着が原因で発生するのではない。いわゆる天然毒素であり(※3・4)、じゃがいもだけではなくトマトなどにも含まれることがある。(※5)熱によって分解されることがないため、調理してもその毒性は失われないのが厄介である。(※2)

3. 青いじゃがいもを食べてしまったら

じゃがいも
じゃがいもを青くする毒素ソラニンには苦味がある。しかしわずかな苦味のために、気にせずに食べてしまうというケースも珍しくない。厚生労働省の報告によれば、2009年には、じゃがいもを食することで35人ほどが中毒症状を発症したとされている。(※6)じゃがいもの青い部分を食するとどうなるのか、またその対処法を含めてみてみよう。

食中毒の症状

ソラニンを含むじゃがいもを食べてしまった場合、中毒症状はどれくらい重いのだろか。決して侮ってはいけないのがじゃがいもの中毒症状で、農林水産省によれば以下の症状が出る可能性があるとしている。(※6)
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 腹痛
  • めまい
  • 動悸
  • 耳鳴り
  • 意識障害
  • 痙攣
  • 呼吸困難
また内閣府の食品安全委員会によれば、死にいたるケースもあるとされている。(※2)ソラニンを含むじゃがいもを食してから症状が出るまでの期間は、数分後から数日後と非常に幅が広いのも特徴である。(※2)症状が悪化する前に、救急車を呼ぶなどの対処が必要となる。(※7)

身体の大きさで異なる

じゃがいもは子どもも喜んで食べる食材であるが、子どもがソラニンを含んだじゃがいもを食べてしまった場合はとくに注意が必要である。厚生労働省のサイトでも子どもの死亡例が報告されているほか(※7)、小学校の調理実習でじゃがいもを使った場合の被害もいくつか報告されている。(※1)子どもがいる家庭は、じゃがいもを調理する際によくよく注意する必要がある。

4. 青いじゃがいもで食中毒を起こさないために

バーラップ袋に新鮮な生のジャガイモ
大丈夫と思って食べても軽視できない被害をもたらす可能性がある青いじゃがいも。じゃがいもで中毒を引き起こさないための工夫はあるのだろうか。安心して食べられるじゃがいものためのアイデアを、いくつか紹介する。

家庭菜園で作った未熟なじゃがいもは注意

農家が栽培し販売するじゃがいもよりも、注意すべきは家庭菜園などで素人が作るじゃがいもである。とくに未熟なじゃがいもの場合には、ソラニンが含まれている可能性が高くなるので注意が必要である。(※1)

購入や保存のポイント

じゃがいもの中毒を防ぐためには、購入時から気を付ける必要がある。すでに芽が出ているものや、青みを帯びたじゃがいもは購入を避けよう。また購入後に長く自宅に保存することを避けるために、料理に必要なたびごとに購入するのが望ましい。(※8)自宅で保存する場合には冷暗所を選び、調理直前に洗うのが基本である。20℃を超えると芽が出やすくなることも覚えておこう。(※8)

青い部分や芽をしっかりと取り除く

じゃがいもは、芽や青い部分を除去すればそのほかの部分は食べることができる。芽はしっかりと取り除き、皮も厚めにむくことを忘れずに。また変色していない部分にも微量の毒素があるため、皮はむいて食べるのが中毒を避ける用心となる。未熟なじゃがいもは食用にするのを避け、口に入れて苦みを感じたら嚥下せずに破棄すること。(※8)

結論

食卓に登場することが多いじゃがいも。レシピが多く使い勝手がいいじゃがいもではあるが、青い部分や芽には毒素が含まれている。この毒素は重篤な中毒症状を引き起こす可能性もあるため、青い部分はしっかりと取り除いて食べるようにしよう。万が一口にしてしまった場合には、医療機関に相談し対処する必要がある。購入時や保管にも注意し、じゃがいもを美味しく安全に食べてほしい。
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  • 更新日:

    2022年1月30日

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