目次
- 18~29歳:340mg
- 30~64歳:370mg
- 65~74歳:350mg
- 75歳以上:320mg
- 18~29歳:270mg
- 30~64歳:290mg
- 65~74歳:280mg
- 75歳以上:260mg(※2、3)
- ※1:厚生労働省「粗製海水塩化マグネシウムの成分規格の一部改正に関する検討」 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/11/dl/s1125-8e.pdf
- ※2:公益財団法人長寿科学復興財団「マグネシウムの働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-mg.html
- ※3:厚生労働省「マグネシウム」 https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/08.html
- ※4:J-stage「にがり大量飲用による高マグネシウム血症、高カルシウム血症から心肺停止に至り集学的治療で救命した事例」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/51/4/51_283/_pdf
- ※5:食品安全委員会「食品安全総合システム」 http://www.fsc.go.jp/fsciis/questionAndAnswer/show/mob07005000013
1. にがりとは?

にがりは一般的に、海水から塩と塩化カリウムを除いた後に残る物質のことである。舐めてみると苦いことからこの名がついたと言われている。ここでは、そんなにがりについて詳しく解説していこう。
粗製海水塩化マグネシウム
にがりの別名は、粗製海水塩化マグネシウムだ。海水から塩化ナトリウムと塩化カリウムを析出・分離することで得られた塩化マグネシウムを主成分とするものと定義されており、古くから人々の暮らしに寄り添ってきた。とくに日本では、豆腐作りに欠かすことのできない存在としても広く知られている。(※1)
2. にがりに含まれるマグネシウム

昨今マグネシウムは、その健康効果から注目度が上がっている。粗製海水塩化マグネシウム=にがりは、マグネシウム摂取にも効果的な食材と言い換えることもできる。ここではマグネシウムが実際、体内で果たす役割を中心にその特性について学んでいこう。
マグネシウムの働き
マグネシウムは体内におよそ25g程度存在するミネラルの一種で、その半数以上は骨に含まれている。300を超える酵素の働きをサポートする役割をになっており、とくにエネルギー産生機構に大きな関わりを持っている。そのほか、筋収縮の制御、血管拡張と血圧低下など、さまざまな働きがある。(※2、3)
1日の推奨量
日本人の食事摂取基準(2020年版)を指標に1日のマグネシウムの推奨量を確認していこう。
男性
女性
不足と過剰摂取の影響
マグネシウム不足の症状として代表的なものは、不整脈である。そのほか、吐き気や筋肉の痙攣が起こりやすくなるなどの危険性もある。昨今では慢性的、そして長期的にマグネシウムが不足すると高血圧や糖尿病、心疾患など大きな病気につながりかねない可能性も示唆されている。
またマグネシウムが不足すると神経伝達物質の放出、および血管収縮が起こることがあり、これは頭痛として体に現れることもある。ただし、マグネシウムを飲用することで頭痛が改善するという研究は、ほとんどなされていない。(※2、3)
逆に、マグネシウムを過剰摂取すると下痢を起こす危険性がある。過剰摂取はにがりの飲用やサプリメントの摂取などが原因となることが多い。また、にがりを大量に摂取することで、高マグネシウム血症、高カルシウム血症を起こし、心肺停止に陥ったという事例もあるので、注意が必要である。(※4)
さらに、乳幼児や小児がマグネシウム不足になることは、一般的には考えにくいことも念頭に置いておくといいだろう。(※5)
3. にがりからマグネシウムをとるには

昨今、飲み物や食べ物に混ぜて使うタイプのにがりが数多く販売されている。どのような使い方ができるのか見ていこう。
飲み物や料理に加える
にがりを作る方法には、主に蒸発法とイオン交換膜法がある。蒸発法ではカルシウムが硫酸カルシウムとして析出するため、生成されたにがりにカルシウムはほとんど含まれない。対してイオン交換膜法で作られたにがりには、カルシウムが含まれる。市販のにがりはイオン交換膜法のものが多いとされている。
にがりは、そのまま水で薄めて飲むこともできる。また煮崩れ防止、お米がふっくら炊ける、肉が柔らかくなるなどの効果を得ることができるので、料理に使うのもおすすめだ。
結論
にがりは、体に欠かすことのできないミネラル、マグネシウムを含んでいる。このため、体には必要なものだが、過剰摂取は危険を伴うことも。にがりに限ったことではないが、健康な暮らし、体にはバランスのよい食生活が重要だ。アルコールをよく飲む人はとくにマグネシウムをしっかり摂ったほうがよい場合もあるので、その辺りも鑑みて摂取したい。
(参考文献)
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