目次
- 1. 乾燥ひじきの上手な戻し方
- 2. 乾燥ひじきは何倍に増える?
- 3. 乾燥ひじきは戻さないでそのまま使える?
- 4. 乾燥ひじきの美味しい使い方
- 5. 乾燥ひじきの賞味期限や保存方法
- 6. 乾燥ひじきのスーパーでの値段
- 7. 乾燥ひじきの栄養やカロリー
- 大きめのボウルに乾燥ひじきとたっぷりの水(またはぬるま湯)を入れて、浸けておく。
- 時間が経ったらひじきをザルにあげ、戻し汁を捨てる
- ひじきをボウルに戻してやさしく水洗いする
- さらにザルに移して流水で洗い、水気をきる
- 戻しした乾燥ひじきをザルにあげ、水気をきる
- 沸騰したお湯にひじきを入れ、弱火で5分ほど茹でる
- ザルにあげて流水で洗う
- ステンレス釜:100gあたり6.2mg、一食(2g)あたり0.1mg(※4)
- 鉄釜:100gあたり58.0mg、一食(2g)あたり1.2mg(※5)
- ※1出典:古賀市役所「乾物の戻し率」 https://www.city.koga.fukuoka.jp/recipe/iroha/010.php
- ※2出典:食品中のヒ素に関するQ&A|農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/qa.html#9
- ※3出典:農林水産省「消費期限と賞味期限」|農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html
- ※4:藻類/ひじき/ほしひじき/ステンレス釜/乾|文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=9_09050_7
- ※5:藻類/ひじき/ほしひじき/鉄釜/乾|文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=9_09053_7
- ※6出典:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ミネラル成分の鉄分の働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-tetsu.html
- ※7出典:一般財団法人日本educe食育総合研究所「身近なひじきを知って美味しく活用しよう!」 https://www.ceduce-shokuiku.jp/news/food/hijiki-201803/
1. 乾燥ひじきの上手な戻し方

乾燥ひじきは、基本的に水やぬるま湯に浸けて戻す。水温が低いと戻りにくいため、冷水はNGだ。戻し方の手順を見ていこう。
乾燥ひじきの戻し方
乾燥ひじきの戻し時間は、一般的に長ひじきで20~30分、芽ひじきで5~10分とされている。商品によっても異なるため、表記を確認しよう。戻したあと水洗いを行うのは、乾燥ひじきに付着した細かい砂やゴミを取り除くためである。
砂糖を使った戻し方
太めの乾燥ひじきは戻すのに時間がかかるため、砂糖を用いる裏ワザを試してみてもよいだろう。砂糖を加えることで、浸透圧によりひじきに水分が入りやすくなり、時短で戻せるという。戻し方は、水に砂糖を適量加えるだけで、基本の手順と同様である。
2. 乾燥ひじきは何倍に増える?

乾燥ひじきのような乾物は、水で戻すと重さやかさが増える。戻すと重量がどのくらいの倍率で増えるか表したものを「戻し率」といい、食材により異なる。
ひじきの戻し率は8~10倍
種類によっても異なるが、一般的に水に20分浸けた乾燥ひじきの戻し率は8~10倍とされている(※1)。たとえば、10gのひじきを戻すと80~100gになるということだ。乾物の状態では少量に見えても、戻すとかなりの量になる。乾燥ひじきを使う際には必ず、戻すと何グラムになるか考え、戻し過ぎないようにしたい。
3. 乾燥ひじきは戻さないでそのまま使える?

乾燥ひじきは、煮物などに使われることが多い。煮ることで水分を含むため、わざわざ戻す必要がないようにも感じられる。では、戻さずに使うことは可能なのだろうか。
乾燥ひじきは戻して使う方がよい
戻さずに使えないことはないが、ひじきにはヒ素が含まれる点が懸念される。無機ヒ素が体内に大量に取り込まれると健康被害が生じることが報告されている。乾燥ひじきを水戻しすることには、そのようなリスクを減らす意味もあるのだ。(※2)
乾燥ひじきを水戻しすると5割程度、さらに茹で戻しでは8割程度無機ヒ素を減らすことができるという。なお、戻し水にはヒ素が流出するため使用を控えよう。(※2)
戻したものは生で食べられる?
水戻しした乾燥ひじきは生で食べることもできる。そもそも、乾燥ひじきは製造工程で一度茹でられているため、生ではないのだ。しかし、ヒ素を除去するという意味では、サラダなどにする場合も茹でこぼしする方法がおすすめである。水戻し後に茹でることで、無機ヒ素を9割程度減らせるのだ(※2)。
茹でこぼしの手順
4. 乾燥ひじきの美味しい使い方

戻した乾燥ひじきには、さまざまな食べ方がある。代表的な使い方を見ていこう。
乾燥ひじきの煮物
人参や油揚げなどと一緒にひじきを炒め煮にした、副菜や作り置きおかずの定番である。出汁と醤油、みりん、砂糖で優しい味に仕上げるのがポイントだ。細切りにした人参とひじきを一緒に炒めて油を回してから煮るのが美味しくするコツである。具材には、大豆や枝豆などを加えるのもおすすめだ。
乾燥ひじきのサラダ
レタスなど葉野菜メインのサラダにトッピングするほか、さまざまな食材とともにマヨネーズで和えたサラダなどもおすすめだ。ひじきはくせがないため、トマトやキュウリなどの定番野菜をはじめ、れんこんなどの根菜類、豆類、きのこ類、ツナや豆腐、おからなどとも相性がよい。ドレッシングも選ばないため、バリエーション豊富でアレンジも簡単にできる。
乾燥ひじきの炊き込みごはん
出汁、醤油、みりんで炊く和風の炊き込みごはんもひじきの定番料理である。煮物と同様に人参と油揚げが定番具材だ。調味料を先に入れて出汁で水量を調節すると、味が決まりやすい。豚バラ肉や豚の茹で汁を加えて炊く、沖縄の炊き込みごはん「ジューシー」もおすすめだ。また、ひじきの煮物を濃いめの味付けで作り、ごはんに混ぜ込んでも美味しい。
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5. 乾燥ひじきの賞味期限や保存方法

乾燥ひじきの賞味期限は、一般的に開封前のもので2ヵ月程度とされている。商品によっても異なるため、表示を確認しよう。賞味期限は美味しく食べられる期限を示すもののため、乾燥ひじきが賞味期限切れになっても、すぐに食べられなくなるわけではない(※3)。
開封前でも開封後でも、基本的には常温保存でよい。ただし、開封後はカビなどを避けるために必ず密閉し、高温多湿を避け冷暗所で保存しよう。また、戻したひじきは冷凍保存で日持ちさせることができる。
6. 乾燥ひじきのスーパーでの値段

市販の乾燥ひじきは、国産のものか輸入品かによって値段が異なる。中国産や韓国産の場合、20gほどのものが約200円で販売されていることが多い。店によってはさらに安い場合もある。一方、国産の乾燥ひじきは、10gほどで約300円、30gほどで600~900円が目安となり、輸入品に比べて2~3倍高い。
スーパーでの乾燥ひじきの売り場は、乾物コーナーが一般的である。
7. 乾燥ひじきの栄養やカロリー

乾燥ひじきは釜で茹でてから乾燥させるが、ステンレス釜を用いたものと鉄釜を用いたものの2種類がある。カロリーはどちらも一食(2g)あたり4kcalで、栄養素の含有量もほとんど変わらない(※4、5)。しかし、鉄の含有量は下記のように大きく異なる。
貧血予防など鉄分の効果(※6)を目的に食べるなら、鉄釜を用いた乾燥ひじきを選ぶとよいだろう。骨や歯の形成や健康維持に欠かせないカルシウムは、どちらの乾燥ひじきにも100gあたり1000mg、一食(2g)あたり20mg含まれる。抗酸化作用のあるβ‐カロテンや、食物繊維、ヨウ素なども豊富な食材である。(※4、5、7)
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結論
乾燥ひじきの戻し方は、基本的にはたっぷりの水に浸けておくだけでよいため、気軽に使える。ただし、水戻しするとかなり量が増えるので、戻し率を考慮して量を決めよう。栄養も豊富でさまざまな料理に使える乾燥ひじきは、日持ちもするためストックしておくと便利な食品である。
(参考文献)
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